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第18章 平和を求めて
第18章-③ 作戦立案
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サミュエルがダフネの手引きで密かに消えた直後、王宮は彼の襲撃を警戒してしばらくは厳戒態勢を敷いた。一時的に旗本が増員され、クイーンに同行する護衛の数も増やされた。
市中もしばらくは落ち着かなかったが、11月に入ると別の話題が大衆のあいだで注目されるようになっていた。
「年明けには、いよいよ帝国領攻略作戦が開始される」
というのである。それは噂というよりは公然の事実であった。教国軍は先の帝国との戦いで受けた打撃を回復させつつあり、新兵の訓練も進み、物資も整いつつある。帝国領は寒い。冬も後半になってから国都を発し、春には帝国領にて作戦が行えるようにとの計画である。
11月15日。
この日は朝から帝国領攻略作戦の骨子を定める会議が開かれる。帝国軍の動きも、トリーゼンベルク地方の戦いで機動戦力に被害を受け、カタパルトを含めた攻城戦力や戦闘に必要な物資が欠乏しているため、目下のところは攻勢をかけてこないと見て、従来はカスティーリャ要塞に詰めている第一師団のデュラン将軍並びに突撃旅団のコクトー将軍も国都へ舞い戻っている。
つまりはカスティーリャ要塞を守るラマルク将軍を除いた軍の最高幹部が一堂に会しているわけで、特に実戦部隊を預かる六人の将軍が揃うのは、実は現在の軍の体制になってからは初めてのことである。
こういった作戦会議では通常、まずクイーンが素案を出して、それを列席者全員で検証するのだが、今回は珍しくデュラン将軍の発議によって始まった。クイーンが、幹部らのより自由で活発な討論を期待したからである。
まずは作戦の大要で、冒頭から多くの意見が出た。
「前回と同様、今回も海軍を動かして帝国領西岸のブリュールを占領し、帝国軍を引きつけるのがいい」
「合衆国軍と連絡をとって、日時等を示し合わせ、南北から挟撃すべし」
「厄介なのがダンツィヒ街道上のベルヴェデーレ要塞で、この要塞を陥落させ、詰めている実戦兵力を叩かねば、帝都攻略はおぼつかない」
「要塞の部隊を誘い出し袋叩きにしたところで、勢いに乗り要塞を攻略する。ベルヴェデーレ要塞さえ落とせば、あとは帝都まで一直線だ」
「いやいや、帝国軍は精強だし、窮鼠猫を噛むの喩えもある。内通工作によって敵を分断させるにしかず」
いずれも有益な提案であった。
末席には、帝国からの亡命者であるユンカースとローゼンハイムが顔を並べている。帝国軍では、このように立場や階級に関係なく自由に討議をするという光景は、上層でも下層でも見られなかった。常に周囲の目をうかがい、失言や失敗を恐れ、最終的には長い物に巻かれる。誰もが、見えない抑圧に晒されていたものだ。
午後も引続き提案が湧くように起こり、やがて討論が煮詰まってきたところで、クイーンがようやくまとめに入った。
「皆さん、たくさんのご意見を出していただき、ありがとうございます。そのどれもに、聞くべき意義と価値を感じました。私も少し考えをまとめ、明日には作戦を発表したいと思います。明朝、同じ時間に、同じ場所に集まりましょう」
会議は解散となった。全員が退出したあと、クイーンはダフネ近衛兵に命じて、ユンカースとローゼンハイムの二名のみを呼び戻した。先ほどまで多くの関係者が詰め、人いきれの残る部屋に、エミリアを交えた四人のみが残った。
「クイーン、御用でしょうか」
「お二方とも、ありがとうございます。お掛けください」
話はこうである。
いよいよ、教国軍は帝国軍に対し本格的な反攻を開始する。それも、これ以上ない大規模で決定的な作戦をもってして、である。その目的は、例えば帝国軍の主力に打撃を与えるとか、帝国の要衝であるベルヴェデーレ要塞攻略を目指すとか、その種の戦果を期待してのことではない。その程度の目標では、帝国を降伏させ、大陸規模の紛争を終結させるのに何年、あるいは何十年もかかり、戦役を起こすたびに大量の金銀と兵糧を消費して、国力の損耗も甚大である。一度、作戦を起こすからには、その目標は帝国を完全に制圧すること、それ以外にない。これは会議の前から、つまり他者の意見を聞く前から、クイーンが前提として考えていたことである。
しかし一方、帝国軍はキティホークの会戦及びトリーゼンベルク地方の戦いで連続的に痛打を受けているとは言えなおその軍は精強であり、優れた将帥が幾人も健在である。たった一度の出兵で、これを完全に膝下にねじ伏せるというのは容易ではない。というより、直感的には不可能に近い。
「ですが、今回はその可能性なきにしもあらずと考えています」
「で、そのわけは」
「いくつかあります」
クイーンは、成算を一つずつ挙げていった。
ひとつ、帝国軍は海軍力に弱く、先の戦いで帝都近く西岸のブリュール港を制圧された経験から、兵力の一部を帝都ヴェルダンディないしブリュール港に配する必要があること。
ひとつ、帝国軍は北東方面において合衆国軍の脅威を受けており、特に同盟領に派遣されていた部隊が合衆国本土へ帰還したことで、その方面からの圧力が増していること。
ひとつ、第四軍を率いるリヒテンシュタイン中将はトリーゼンベルク地方の戦いでクイーンに解放され、その恩義を受けるとともに、心に迷いがあるであろうこと。
ひとつ、帝国は中級指揮官から兵士にかけては優秀だが、実地で軍を統御する高級指揮官に人材を欠いており、その指揮能力は必ずしも恐れる必要がないこと。
ひとつ、帝国軍の全権指導者はヘルムス総統であり、戦略を理解しない強引な命令を濫発することで、開戦後に軍は強化されるどころか弱体化しつつあること。
そして最後に言った。
「お二人が、我が陣営にいらっしゃることです」
ユンカース、ローゼンハイムの両名は、図らずもともに雷に打たれたように背筋を伸ばした。教国が帝国に勝つ、その要因に、クイーンは両名の存在を挙げているのである。
名誉なことだ、とローゼンハイムは思ったが、ユンカースはその感動を不敵な言葉に変えて、クイーンと駆け引きを始めている。
「つまりクイーンは、我らを帝国を切り崩す、その目的のため存分に使おうというわけですな」
「おっしゃる通りです」
「率直な方だ」
「私は、常に率直であろうと心がけています」
「我々が裏切るとは思われぬか。帝国は我らが故国。他国の王に売るに忍びなく、逆に奸計をもって教国軍を売り祖国に走るとは。あるいはもしかすると、すべてはヘルムス総統の遠大な計略で、私は帝国の間者かもしれないとは」
「それは歴史的でしかも芸術的な大陰謀ですね」
「だが、神算鬼謀を誇るあなたのことだ。それすら逆手に取る策を考えていらっしゃるのであろう」
「いいえ。もしあなた方に裏切られたら、私はもうお手上げです」
ユンカースという男、自ら策謀をめぐらしヘルムス総統の暗殺と帝国政府の転覆を企て、それを実行し、成功の直前までは到達できたというほどの男であるから、他人の話を額面通りに受け取ることはしない。しかし、その彼をもってしても、この場のクイーンの言葉に裏があるとは思われなかった。クイーンは智謀に長け、それは人の心情や思考に精通し、駆け引き上手であることを意味するが、ともすれば純真無垢な少女のように素直な部分もある。
クイーンが何を考えているのか、彼もよく分からない。
(つまりは、私はまだ、この方のことを真に理解してはいないということか)
いや、理解できる者などいないであろう。それほどの人物、ということが言えるかもしれない。
「よろしい。私はクイーンに全面的に協力し、そのためには身の危険もいとわぬことを改めて誓約しよう。レオンハルト、貴様も同心するだろう」
「当然だ。クイーンに我が力をお貸しすることこそ、帝国の真に望むべき未来のために寄与すると信じます」
「お二方とも、ありがとうございます。私が倒すのはあくまで帝国の現政権で、民衆は無論、たとえ戦場で敵に回った者でも、無為に傷つけ、その命や財産を奪うようなことは決してしないと誓います。そして戦いが終わったあとは、手を携え再建の道を歩むこともお約束します」
「しかと承りました。信ずべき約束であることは、先のトリーゼンベルクの戦いで証明されている」
この年の5月のこと。リヒテンシュタイン中将以下、およそ2,000名の兵が守るミューレホルツの町を無血で手に入れ、民需用の物資には一切手をつけず、さらに本軍の撤退後は近衛兵団の一部を残して住民の帰宅や生活を支援し、住人たちからは感謝の言葉を贈られた。ユンカースはそのことを言っている。そのような占領行政が帝国全土に敷かれた場合、帝国の人民は感謝や歓迎の意は持ちこそすれ、反発や抵抗はするまい。
ユンカースとしても、同胞が死ぬことは本意ではない。彼が至高の価値を置くのは、人民自身による独立と統治が保全されることであり、そのためには無数の同胞が命を落とし、灰となってもやむを得ないと考えている。だが教国の導きにより、帝国が最小限の流血を代償とし、新たな国として独立と統治を確立できるのなら、それが何より望ましい。
両者は合意し、細部の検討に入った。
その結果、ユンカースはリヒテンシュタイン中将と接触し、内通を取りつけるか、たとえ不可能でもその戦意を鈍らせるよう働きかけること。
またローゼンハイムは教国軍の先鋒に随行し、帝国内の地理案内と作戦立案に関与すること。
以上が決定された。ただし麾下の将軍や幕僚たちに伝達されるのは、ローゼンハイムの任務のみである。ユンカースの方針と行動は味方に対してさえあくまで秘匿され、彼は極めて危険で困難な任務であると知りながら、持ち前の楽観主義と使命感を頼りにしつつ、リヒテンシュタインへの工作を目指すこととなる。
市中もしばらくは落ち着かなかったが、11月に入ると別の話題が大衆のあいだで注目されるようになっていた。
「年明けには、いよいよ帝国領攻略作戦が開始される」
というのである。それは噂というよりは公然の事実であった。教国軍は先の帝国との戦いで受けた打撃を回復させつつあり、新兵の訓練も進み、物資も整いつつある。帝国領は寒い。冬も後半になってから国都を発し、春には帝国領にて作戦が行えるようにとの計画である。
11月15日。
この日は朝から帝国領攻略作戦の骨子を定める会議が開かれる。帝国軍の動きも、トリーゼンベルク地方の戦いで機動戦力に被害を受け、カタパルトを含めた攻城戦力や戦闘に必要な物資が欠乏しているため、目下のところは攻勢をかけてこないと見て、従来はカスティーリャ要塞に詰めている第一師団のデュラン将軍並びに突撃旅団のコクトー将軍も国都へ舞い戻っている。
つまりはカスティーリャ要塞を守るラマルク将軍を除いた軍の最高幹部が一堂に会しているわけで、特に実戦部隊を預かる六人の将軍が揃うのは、実は現在の軍の体制になってからは初めてのことである。
こういった作戦会議では通常、まずクイーンが素案を出して、それを列席者全員で検証するのだが、今回は珍しくデュラン将軍の発議によって始まった。クイーンが、幹部らのより自由で活発な討論を期待したからである。
まずは作戦の大要で、冒頭から多くの意見が出た。
「前回と同様、今回も海軍を動かして帝国領西岸のブリュールを占領し、帝国軍を引きつけるのがいい」
「合衆国軍と連絡をとって、日時等を示し合わせ、南北から挟撃すべし」
「厄介なのがダンツィヒ街道上のベルヴェデーレ要塞で、この要塞を陥落させ、詰めている実戦兵力を叩かねば、帝都攻略はおぼつかない」
「要塞の部隊を誘い出し袋叩きにしたところで、勢いに乗り要塞を攻略する。ベルヴェデーレ要塞さえ落とせば、あとは帝都まで一直線だ」
「いやいや、帝国軍は精強だし、窮鼠猫を噛むの喩えもある。内通工作によって敵を分断させるにしかず」
いずれも有益な提案であった。
末席には、帝国からの亡命者であるユンカースとローゼンハイムが顔を並べている。帝国軍では、このように立場や階級に関係なく自由に討議をするという光景は、上層でも下層でも見られなかった。常に周囲の目をうかがい、失言や失敗を恐れ、最終的には長い物に巻かれる。誰もが、見えない抑圧に晒されていたものだ。
午後も引続き提案が湧くように起こり、やがて討論が煮詰まってきたところで、クイーンがようやくまとめに入った。
「皆さん、たくさんのご意見を出していただき、ありがとうございます。そのどれもに、聞くべき意義と価値を感じました。私も少し考えをまとめ、明日には作戦を発表したいと思います。明朝、同じ時間に、同じ場所に集まりましょう」
会議は解散となった。全員が退出したあと、クイーンはダフネ近衛兵に命じて、ユンカースとローゼンハイムの二名のみを呼び戻した。先ほどまで多くの関係者が詰め、人いきれの残る部屋に、エミリアを交えた四人のみが残った。
「クイーン、御用でしょうか」
「お二方とも、ありがとうございます。お掛けください」
話はこうである。
いよいよ、教国軍は帝国軍に対し本格的な反攻を開始する。それも、これ以上ない大規模で決定的な作戦をもってして、である。その目的は、例えば帝国軍の主力に打撃を与えるとか、帝国の要衝であるベルヴェデーレ要塞攻略を目指すとか、その種の戦果を期待してのことではない。その程度の目標では、帝国を降伏させ、大陸規模の紛争を終結させるのに何年、あるいは何十年もかかり、戦役を起こすたびに大量の金銀と兵糧を消費して、国力の損耗も甚大である。一度、作戦を起こすからには、その目標は帝国を完全に制圧すること、それ以外にない。これは会議の前から、つまり他者の意見を聞く前から、クイーンが前提として考えていたことである。
しかし一方、帝国軍はキティホークの会戦及びトリーゼンベルク地方の戦いで連続的に痛打を受けているとは言えなおその軍は精強であり、優れた将帥が幾人も健在である。たった一度の出兵で、これを完全に膝下にねじ伏せるというのは容易ではない。というより、直感的には不可能に近い。
「ですが、今回はその可能性なきにしもあらずと考えています」
「で、そのわけは」
「いくつかあります」
クイーンは、成算を一つずつ挙げていった。
ひとつ、帝国軍は海軍力に弱く、先の戦いで帝都近く西岸のブリュール港を制圧された経験から、兵力の一部を帝都ヴェルダンディないしブリュール港に配する必要があること。
ひとつ、帝国軍は北東方面において合衆国軍の脅威を受けており、特に同盟領に派遣されていた部隊が合衆国本土へ帰還したことで、その方面からの圧力が増していること。
ひとつ、第四軍を率いるリヒテンシュタイン中将はトリーゼンベルク地方の戦いでクイーンに解放され、その恩義を受けるとともに、心に迷いがあるであろうこと。
ひとつ、帝国は中級指揮官から兵士にかけては優秀だが、実地で軍を統御する高級指揮官に人材を欠いており、その指揮能力は必ずしも恐れる必要がないこと。
ひとつ、帝国軍の全権指導者はヘルムス総統であり、戦略を理解しない強引な命令を濫発することで、開戦後に軍は強化されるどころか弱体化しつつあること。
そして最後に言った。
「お二人が、我が陣営にいらっしゃることです」
ユンカース、ローゼンハイムの両名は、図らずもともに雷に打たれたように背筋を伸ばした。教国が帝国に勝つ、その要因に、クイーンは両名の存在を挙げているのである。
名誉なことだ、とローゼンハイムは思ったが、ユンカースはその感動を不敵な言葉に変えて、クイーンと駆け引きを始めている。
「つまりクイーンは、我らを帝国を切り崩す、その目的のため存分に使おうというわけですな」
「おっしゃる通りです」
「率直な方だ」
「私は、常に率直であろうと心がけています」
「我々が裏切るとは思われぬか。帝国は我らが故国。他国の王に売るに忍びなく、逆に奸計をもって教国軍を売り祖国に走るとは。あるいはもしかすると、すべてはヘルムス総統の遠大な計略で、私は帝国の間者かもしれないとは」
「それは歴史的でしかも芸術的な大陰謀ですね」
「だが、神算鬼謀を誇るあなたのことだ。それすら逆手に取る策を考えていらっしゃるのであろう」
「いいえ。もしあなた方に裏切られたら、私はもうお手上げです」
ユンカースという男、自ら策謀をめぐらしヘルムス総統の暗殺と帝国政府の転覆を企て、それを実行し、成功の直前までは到達できたというほどの男であるから、他人の話を額面通りに受け取ることはしない。しかし、その彼をもってしても、この場のクイーンの言葉に裏があるとは思われなかった。クイーンは智謀に長け、それは人の心情や思考に精通し、駆け引き上手であることを意味するが、ともすれば純真無垢な少女のように素直な部分もある。
クイーンが何を考えているのか、彼もよく分からない。
(つまりは、私はまだ、この方のことを真に理解してはいないということか)
いや、理解できる者などいないであろう。それほどの人物、ということが言えるかもしれない。
「よろしい。私はクイーンに全面的に協力し、そのためには身の危険もいとわぬことを改めて誓約しよう。レオンハルト、貴様も同心するだろう」
「当然だ。クイーンに我が力をお貸しすることこそ、帝国の真に望むべき未来のために寄与すると信じます」
「お二方とも、ありがとうございます。私が倒すのはあくまで帝国の現政権で、民衆は無論、たとえ戦場で敵に回った者でも、無為に傷つけ、その命や財産を奪うようなことは決してしないと誓います。そして戦いが終わったあとは、手を携え再建の道を歩むこともお約束します」
「しかと承りました。信ずべき約束であることは、先のトリーゼンベルクの戦いで証明されている」
この年の5月のこと。リヒテンシュタイン中将以下、およそ2,000名の兵が守るミューレホルツの町を無血で手に入れ、民需用の物資には一切手をつけず、さらに本軍の撤退後は近衛兵団の一部を残して住民の帰宅や生活を支援し、住人たちからは感謝の言葉を贈られた。ユンカースはそのことを言っている。そのような占領行政が帝国全土に敷かれた場合、帝国の人民は感謝や歓迎の意は持ちこそすれ、反発や抵抗はするまい。
ユンカースとしても、同胞が死ぬことは本意ではない。彼が至高の価値を置くのは、人民自身による独立と統治が保全されることであり、そのためには無数の同胞が命を落とし、灰となってもやむを得ないと考えている。だが教国の導きにより、帝国が最小限の流血を代償とし、新たな国として独立と統治を確立できるのなら、それが何より望ましい。
両者は合意し、細部の検討に入った。
その結果、ユンカースはリヒテンシュタイン中将と接触し、内通を取りつけるか、たとえ不可能でもその戦意を鈍らせるよう働きかけること。
またローゼンハイムは教国軍の先鋒に随行し、帝国内の地理案内と作戦立案に関与すること。
以上が決定された。ただし麾下の将軍や幕僚たちに伝達されるのは、ローゼンハイムの任務のみである。ユンカースの方針と行動は味方に対してさえあくまで秘匿され、彼は極めて危険で困難な任務であると知りながら、持ち前の楽観主義と使命感を頼りにしつつ、リヒテンシュタインへの工作を目指すこととなる。
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