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第14章 「ヒンデンブルク作戦」と「ディーキルヒの衝撃」
第14章-⑦ 死病は広まり、軍は崩壊す
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ミネルヴァ大陸の歴史上、いわゆる生物兵器が戦争に用いられた例は、古代に一例があるのみである。
前ミネルヴァ暦300年頃、つまり術士奇譚の世界からおよそ300年前、大陸中央部で覇を唱えるガイア帝国と、隣接する都市国家ガニメデの抗争の際、ガイア帝国が戦況の不利に窮し、ガニメデ軍が水源としていた川に猛毒を混入し、病人が多数出たところを襲撃して勝利したという記録が残っている。これが生物兵器の起源と言えるだろうが、その後、軍隊規模が大きくなり、それだけの大集団を衰弱せしめるほどの毒を抽出あるいは培養することが技術的に困難であることもあり、実戦例は絶えて久しい。
「ディーキルヒの衝撃」は、その稀少な二例目ということになろう。すなわちレガリア帝国軍がスンダルバンス同盟ラドワーン軍に対し、天然痘患者の死体を詰めた遺体袋をカタパルトから投擲して、重篤な疫病を敵陣内に広めようとしたのである。
ラドワーン王の弟で参謀でもあるヤアクーブは、撤退はともかく、せめて死体に接触した兵の隔離措置だけでもとるべきだと、執拗に進言した。
「だが、未だに発病した兵はおらん。死体に直接、触れた兵も、みなすこぶる健康だという。杞憂ではないかな」
「いやいや、伝染病には潜伏期間というものがあり、しばらくは症状がないものです。今の時点で杞憂と断じるのは危険ではないかと」
「どうであろう」
ラドワーン王ともあろう者が、キティホークでの戦勝に驕ったのか、この件に関しては妙に楽観的に過ぎるように、ヤアクーブには思われた。遠征軍が敵地で疫病に侵されれば、場合によっては全滅もありうる。憂慮すべき事態であるのに、王は耳を貸さない。
ヤアクーブは悩み、深夜、密かに次兄のラフィークの寝所を訪ねた。同じ撤退論者として、ラフィークの胸中を探るとともに、状況に対する危機感を共有することで自らの憂いの正しさを確認したかったのである。
「王は、君のように知識人ではない」
ラフィークは、兄であり、君主でもあるラドワーンをそのように評した。
「政道にかけても、あるいは戦場の駆け引きについても、王は自らの経験と直感のみによって判断される。君のように豊富な知識や学識を有する者を過小評価される所以だ」
「いや、王は優れたお方だ。だが今度ばかりはあの方の聡明さに曇りが生じているように思われてならない」
「君の心配には私も共感している。私が言ってもとりつく島がないから、ひとまず我が部隊だけでも、君の言うような隔離措置をやってみよう」
帝国軍は、カタパルト部隊で天然痘患者の死体を一斉投射して以来、戦線を下げ、距離をとって見晴らしの利く丘の上に駐留している。戦いを仕掛けるわけでもなく、撤退するわけでもなく、ただ一途に生物攻撃の効果を見極めようとしているようであった。
果たして、4月20日には早くも初めての発病者が確認された。だが、天然痘の初期症状は高熱であるため、感冒に過ぎぬであろうとされた。
しかし翌日には陣営の各所で同時多発的に同様の症状を訴える兵が発生し、その数はざっと200人を超えた。
当然のことだが、この段階で、この現象を体調不良者の偶発的な増加であると考える者はなかった。まるで湧くように、高熱を発する兵が激増しつつある状況は、天然痘の急激な感染の広まりを示唆している。それを裏付けるように、症状が出ている将兵はカタパルトで投射された死体袋の確認と処理にあたった者が多い。
ラドワーンは、前線に帯同している五人の弟を再び緊急召集した。
「直ちに、撤退を」
ヤアクーブの強い進言に、ラフィークが同調した。一方、末弟のアーディルはなおも血気盛んに撤退の不可を説いた。それどころか、敵の作戦を逆手にとって、敵が送りつけてきた感染死体をこちらもカタパルト部隊を動員して投げ返してやればよいとまで息巻いた。
「敵と味方で死体の投げ合いか。こりゃあ、砂合戦より楽しそうだ」
お調子者のアッバースが口を挟んだ。同盟領は砂漠が多く、そのような土地柄で育った子供は、よく砂に湿気を含ませ、それを固めてぶつけ合い遊んだりする、それを例えに持ち出したのである。
しかし兄弟たちは、アッバースの軽口を無視、というよりは拾い上げる余裕さえないほどに議論を白熱させていった。その中心は参謀のヤアクーブと末弟のアーディルである。
「アーディルよ、我々は本国にほとんど兵を残しておらず、この前線部隊が全滅すれば本拠のナジュラーンまで遮る者はない。本国防衛のため、一兵でも温存することを考え、危険があれば直ちに撤退するのは定石と言えようぞ」
「二兄も三兄も慎重に過ぎる。帝国軍は弱腰で、その弱腰の証が、病死体を用いて疫病をばらまくなどという蛮行に顕著に示されている。断固、退却すべからず」
ラフィークとヤアクーブは撤退派、継戦派のアーディルにフィラースが賛同し、アッバースは意見なしと、検討はまとまらず、むしろ対立を深めて、ラドワーン王も頭を抱え、結局、結論は先送りとなった。
翌日、高熱で寝込む兵は600名を超えた。病人は加速度的に増えている。
「もはや戦線の維持は不可能な状態です。単に病気のため戦えぬ兵が増えているだけではなく、部隊全体に、恐怖心が広がっている。次は自分が発病するのではないかと。すでに逃亡兵も出ているのですぞ」
ヤアクーブの切迫した報告に、剛胆で知られるラドワーンも太い眉に不安をにじませた。
陣営内を巡察すると、顔や腕に尋常とは思えぬ発疹を生じた兵を多く見かける。患者はひとかたまりにされた上で隔離され、食事も睡眠も、ありとあらゆる行動範囲を切り分けて過ごしている。
わずか数日のあいだに、兵卒レベルでは天然痘という未知なる疫病への恐怖が広まっていたのである。
このような状態では、とても帝国軍と戦えない。
ラドワーン自身、そう思った。兵たる者、いつ死病を発するかもしれない状況下で、勇を鼓して敵と戦うなどできるであろうか。
帝国軍に増援部隊が合流したとの報告が入ったのは、ちょうどこのような情勢においてであった。第一軍に加え、その両翼につく格好で、第四軍と第五軍が戦場に到着したのである。合流後の総兵力はざっと4万程度。
4万、というと、ラドワーン軍の倍ほどの規模である。いくら強固な陣営を築いているといっても、士気が致命的に低下している現在のラドワーン軍では、とても対抗できない。
「撤退する。直ちに撤退だ」
だが、ラドワーンのこの指令は遅きに失した。帝国軍は、ラドワーン軍が撤退準備を始めたと見るや、まるで嫌がらせのように、カタパルトや長弓兵の射程にまで近づいて遠距離攻撃を仕掛けてくる。撤退の邪魔をし、その後背に食らいついて、出血を強いる魂胆であろう。
ラドワーンはようやく己の判断を悔いた。今や、彼の軍には無事に撤退を完遂するだけの力すらない。
(完敗だ。我が軍は野の屍となり、鳥の餌になるだけであろう)
心中、絶望しているうち、二弟のラフィークが単身で本営を訪れた。
「王よ、私が殿軍を務めましょう。罹患兵もお任せを」
「ラフィーク、何を言い出すのだ」
「我が部隊は幸い、感染者も少ない。ここは我が一手で防ぎ止めます。そのあいだに、王は主力部隊をナジュラーンまでお戻しあるように。ここで全滅すれば、我が王朝は滅亡を免れませんぞ」
「ラフィークよ」
王の返事も待たず、ラフィークは去った。その黒衣の後ろ姿に、悲壮な死の影を感じる。それも当然であろう。ラフィークの手勢はせいぜい4,000から5,000といった程度である。10倍近い帝国軍を、どう防ぐというのか。時間稼ぎさえかなわずに、粉砕されるのが落ちというものであろう。
しかし、ラフィークがその気でいる以上、まごまごしていればそれこそ無駄死にさせることになる。
ラドワーン軍の主力は、ディーキルヒ地方にもうけた陣営を放棄し、その根拠地であるナジュラーンへ向け、撤退を開始した。
陣営には、ラフィークの手勢と、2,000人にまで膨れ上がった発病者だけが残された。
前ミネルヴァ暦300年頃、つまり術士奇譚の世界からおよそ300年前、大陸中央部で覇を唱えるガイア帝国と、隣接する都市国家ガニメデの抗争の際、ガイア帝国が戦況の不利に窮し、ガニメデ軍が水源としていた川に猛毒を混入し、病人が多数出たところを襲撃して勝利したという記録が残っている。これが生物兵器の起源と言えるだろうが、その後、軍隊規模が大きくなり、それだけの大集団を衰弱せしめるほどの毒を抽出あるいは培養することが技術的に困難であることもあり、実戦例は絶えて久しい。
「ディーキルヒの衝撃」は、その稀少な二例目ということになろう。すなわちレガリア帝国軍がスンダルバンス同盟ラドワーン軍に対し、天然痘患者の死体を詰めた遺体袋をカタパルトから投擲して、重篤な疫病を敵陣内に広めようとしたのである。
ラドワーン王の弟で参謀でもあるヤアクーブは、撤退はともかく、せめて死体に接触した兵の隔離措置だけでもとるべきだと、執拗に進言した。
「だが、未だに発病した兵はおらん。死体に直接、触れた兵も、みなすこぶる健康だという。杞憂ではないかな」
「いやいや、伝染病には潜伏期間というものがあり、しばらくは症状がないものです。今の時点で杞憂と断じるのは危険ではないかと」
「どうであろう」
ラドワーン王ともあろう者が、キティホークでの戦勝に驕ったのか、この件に関しては妙に楽観的に過ぎるように、ヤアクーブには思われた。遠征軍が敵地で疫病に侵されれば、場合によっては全滅もありうる。憂慮すべき事態であるのに、王は耳を貸さない。
ヤアクーブは悩み、深夜、密かに次兄のラフィークの寝所を訪ねた。同じ撤退論者として、ラフィークの胸中を探るとともに、状況に対する危機感を共有することで自らの憂いの正しさを確認したかったのである。
「王は、君のように知識人ではない」
ラフィークは、兄であり、君主でもあるラドワーンをそのように評した。
「政道にかけても、あるいは戦場の駆け引きについても、王は自らの経験と直感のみによって判断される。君のように豊富な知識や学識を有する者を過小評価される所以だ」
「いや、王は優れたお方だ。だが今度ばかりはあの方の聡明さに曇りが生じているように思われてならない」
「君の心配には私も共感している。私が言ってもとりつく島がないから、ひとまず我が部隊だけでも、君の言うような隔離措置をやってみよう」
帝国軍は、カタパルト部隊で天然痘患者の死体を一斉投射して以来、戦線を下げ、距離をとって見晴らしの利く丘の上に駐留している。戦いを仕掛けるわけでもなく、撤退するわけでもなく、ただ一途に生物攻撃の効果を見極めようとしているようであった。
果たして、4月20日には早くも初めての発病者が確認された。だが、天然痘の初期症状は高熱であるため、感冒に過ぎぬであろうとされた。
しかし翌日には陣営の各所で同時多発的に同様の症状を訴える兵が発生し、その数はざっと200人を超えた。
当然のことだが、この段階で、この現象を体調不良者の偶発的な増加であると考える者はなかった。まるで湧くように、高熱を発する兵が激増しつつある状況は、天然痘の急激な感染の広まりを示唆している。それを裏付けるように、症状が出ている将兵はカタパルトで投射された死体袋の確認と処理にあたった者が多い。
ラドワーンは、前線に帯同している五人の弟を再び緊急召集した。
「直ちに、撤退を」
ヤアクーブの強い進言に、ラフィークが同調した。一方、末弟のアーディルはなおも血気盛んに撤退の不可を説いた。それどころか、敵の作戦を逆手にとって、敵が送りつけてきた感染死体をこちらもカタパルト部隊を動員して投げ返してやればよいとまで息巻いた。
「敵と味方で死体の投げ合いか。こりゃあ、砂合戦より楽しそうだ」
お調子者のアッバースが口を挟んだ。同盟領は砂漠が多く、そのような土地柄で育った子供は、よく砂に湿気を含ませ、それを固めてぶつけ合い遊んだりする、それを例えに持ち出したのである。
しかし兄弟たちは、アッバースの軽口を無視、というよりは拾い上げる余裕さえないほどに議論を白熱させていった。その中心は参謀のヤアクーブと末弟のアーディルである。
「アーディルよ、我々は本国にほとんど兵を残しておらず、この前線部隊が全滅すれば本拠のナジュラーンまで遮る者はない。本国防衛のため、一兵でも温存することを考え、危険があれば直ちに撤退するのは定石と言えようぞ」
「二兄も三兄も慎重に過ぎる。帝国軍は弱腰で、その弱腰の証が、病死体を用いて疫病をばらまくなどという蛮行に顕著に示されている。断固、退却すべからず」
ラフィークとヤアクーブは撤退派、継戦派のアーディルにフィラースが賛同し、アッバースは意見なしと、検討はまとまらず、むしろ対立を深めて、ラドワーン王も頭を抱え、結局、結論は先送りとなった。
翌日、高熱で寝込む兵は600名を超えた。病人は加速度的に増えている。
「もはや戦線の維持は不可能な状態です。単に病気のため戦えぬ兵が増えているだけではなく、部隊全体に、恐怖心が広がっている。次は自分が発病するのではないかと。すでに逃亡兵も出ているのですぞ」
ヤアクーブの切迫した報告に、剛胆で知られるラドワーンも太い眉に不安をにじませた。
陣営内を巡察すると、顔や腕に尋常とは思えぬ発疹を生じた兵を多く見かける。患者はひとかたまりにされた上で隔離され、食事も睡眠も、ありとあらゆる行動範囲を切り分けて過ごしている。
わずか数日のあいだに、兵卒レベルでは天然痘という未知なる疫病への恐怖が広まっていたのである。
このような状態では、とても帝国軍と戦えない。
ラドワーン自身、そう思った。兵たる者、いつ死病を発するかもしれない状況下で、勇を鼓して敵と戦うなどできるであろうか。
帝国軍に増援部隊が合流したとの報告が入ったのは、ちょうどこのような情勢においてであった。第一軍に加え、その両翼につく格好で、第四軍と第五軍が戦場に到着したのである。合流後の総兵力はざっと4万程度。
4万、というと、ラドワーン軍の倍ほどの規模である。いくら強固な陣営を築いているといっても、士気が致命的に低下している現在のラドワーン軍では、とても対抗できない。
「撤退する。直ちに撤退だ」
だが、ラドワーンのこの指令は遅きに失した。帝国軍は、ラドワーン軍が撤退準備を始めたと見るや、まるで嫌がらせのように、カタパルトや長弓兵の射程にまで近づいて遠距離攻撃を仕掛けてくる。撤退の邪魔をし、その後背に食らいついて、出血を強いる魂胆であろう。
ラドワーンはようやく己の判断を悔いた。今や、彼の軍には無事に撤退を完遂するだけの力すらない。
(完敗だ。我が軍は野の屍となり、鳥の餌になるだけであろう)
心中、絶望しているうち、二弟のラフィークが単身で本営を訪れた。
「王よ、私が殿軍を務めましょう。罹患兵もお任せを」
「ラフィーク、何を言い出すのだ」
「我が部隊は幸い、感染者も少ない。ここは我が一手で防ぎ止めます。そのあいだに、王は主力部隊をナジュラーンまでお戻しあるように。ここで全滅すれば、我が王朝は滅亡を免れませんぞ」
「ラフィークよ」
王の返事も待たず、ラフィークは去った。その黒衣の後ろ姿に、悲壮な死の影を感じる。それも当然であろう。ラフィークの手勢はせいぜい4,000から5,000といった程度である。10倍近い帝国軍を、どう防ぐというのか。時間稼ぎさえかなわずに、粉砕されるのが落ちというものであろう。
しかし、ラフィークがその気でいる以上、まごまごしていればそれこそ無駄死にさせることになる。
ラドワーン軍の主力は、ディーキルヒ地方にもうけた陣営を放棄し、その根拠地であるナジュラーンへ向け、撤退を開始した。
陣営には、ラフィークの手勢と、2,000人にまで膨れ上がった発病者だけが残された。
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