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第13章 光と闇
第13章-② 斜陽の王都
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オユトルゴイ王国の都トゥムルは、かつて人口100万人に迫り、大陸一の殷賑を誇る大都市であったが、特にスミンの治世になってからは、その活気にも斜陽の趣がある。
スミンの治世、と人は言う。スミンは実のところ皇妃でしかないが、人々にとっては明瞭にこの国の主であった。皇帝はまだ15歳の少年であるが、この頃にはその名を記憶する者さえ少ない。誰が見ても、少年皇帝はスミンの傀儡に過ぎず、誰もが皇帝よりもその妃を恐れた。
皇妃スミンは、反対者を容赦なく粛清もしくは弾圧し、旧ブリストル公国を植民地化して本国へ莫大な貢ぎ物を献上させ、民衆からは酷烈なほどの重税を搾り取り、自らはこの世の安楽と富貴をほしいままにして暮らした。
またその性欲たるや奔放そのもので、我が夫たる皇帝は無論、その弟らを自らの道具のように扱って寝所に連れ込んでいる。
近頃はそれにさえ飽きたのか、文武を兼ね備えた若い精力漢を選んできては愛人とし、彼らを宮殿に住まわせ、籠の中の鳥のように扱っているという。愛人となった男はみな、人変わりしたようにスミンとの愛欲に溺れ、その忠実な僕となった。
「傾国の美女」
とスミンは称される。百年に一人の美貌を持ち、見る者を虜にして、その心を狂わせる。国も乱れるはずだ。
さて、王都トゥムルに一方の術者であるサミュエル・ドゥシャンが到着したのは、4月2日のことである。
当初、彼はナジュラーン宮殿の馬場から盗み出した馬で王国領へ向かおうとしたが、これが病弱で使い物にならない駄馬で、日に10kmほどしか進めない上に、数日もすると疲労と脱水のため泡を吹いて卒倒してしまった。活きのいい馬はすべて軍馬として戦線に駆り出されているため、宮殿に残っているのはいずれも弱りはてた馬ばかりだったのであろう。
だが世の中には拾う神というものがあって、サミュエルはそうした者によく出会う運に恵まれているらしい。
盲人が、とぼとぼと長大極まるヌーナ街道を歩いているのがよほど不憫な光景だったのか、通りかかった隊商が彼を馬車に乗せてくれたのである。おおよそ国家による福祉という概念が希薄な時代にあって、盲人などは生きていくのさえ難しい世の中だが、だからこそ一方で大衆レベルでの公共の福祉のようなものがある程度機能していて、人間同士の好意による扶助が存在する。加えてサミュエルには、人の関心や保護欲を呼ぶ何かがあるのかもしれない。目を隠してはいるが、爽やかで人懐っこい印象の口元やその人柄には、余人とは少々異なる、特別な愛嬌と魅力が確かにあった。
隊商はヌーナ街道を、ンジャイ王の根拠地であるンゼレコレ、イシャーン王の首府であるクリシュナ、さらにヨーク川を渡り王国の都トゥムル、そして大陸南東部に位置する南方三角貿易の一角グイリンまで向かうという。
王都トゥムルまで行きたいのです、と言うと、隊商のリーダーは驚いた。
「目が見えんのに、トゥムルまで行こうってのかい。これァ快挙だ」
なるほどこの試み自体が快挙かもしれない。盲人がナジュラーンからトゥムルまで、直線距離にして1,200km以上を横断しようというのである。それが成功したら、彼は歴史上最も長い距離を移動した盲人になるであろう。
隊商団は休むこともなく、ひたすらヌーナ街道を東へ東へと向かった。
このヌーナ街道は、記録に残る限りでは大陸最古の街道で、この時代ではロンバルディア教国の国都アルジャントゥイユからイシャーン領クリシュナまでを結んでいる。教国領ではピレネー街道と名前を変えるが、いずれにしても大陸南部を東西に走る大動脈と言っていい。軍事行動は無論、各国の経済活動を支える極めて重要な道路であり、その戦略的経済的価値は計り知れない。
途中、隊商はンジャイ王の治めるンゼレコレに2日間ほど滞在した。広大な亜熱帯性ジャングルに囲まれつつ、ドワングワ湖へと注ぐキナ川の畔に築かれたこの都市を含む一帯は、世界最古の文明が栄えた地域であると伝えられ、水、木材、銅、鉄、あるいは植物の果実や動物の肉や革など、およそ古代人が求める資源すべてを豊富に有している。ジャングル地帯という土地柄で拡張性がないため、中世期における文明の発展が遅れ、大陸における最も貧しい地方とされているが、唯一無二の象兵部隊を持ち、さらにジャングルのなかに位置していることから、大陸で最も攻めにくい地域であるとも言われている。
もっとも、単なる旅人に過ぎないサミュエルにとってはさしあたり、通過地点でしかない。
治安部隊による幾度かの厳しい取り調べを経て次にたどり着いたのが、イシャーン王統治下のクリシュナである。この街は防壁に囲まれた旧市街のさらに外側に新市街が築かれた半要塞都市で、王国との国境線であるヨーク川に近い。つまりこの街から船でヨーク川を渡れば、王国領ということになる。
サミュエルは隊商団とともに海のように巨大なヨーク川河口を船に揺られ、さらに馬車で王都トゥムルまでを送ってもらった。
トゥムルの大市場で別れたあと、サミュエルはやや緊張しながら、初めて訪れる異国の街をたった一人で彷徨した。彼の知る大都市は、まず教国の国都であるアルジャントゥイユであったが、その市場といえばまるで十七年ゼミが洪水のように発生し群がり鳴いているような活況で、その賑やかしさに対抗しうるのは、クイーン出征時の市民の歓送や、大軍の鬨の声くらいのもので、要するに平時ではほかに類がない。
だが人口100万人と謳われるトゥムルの市場は、それらしい活気がまるで感じられず、しかもひどく治安が悪い。サミュエルが歩き過ぎているだけで、かっぱらいや喧嘩がそちこちで発生している気配である。サミュエルの形は旅塵にまみれ、ひどくみすぼらしかったが、身ぎれいにしていたら彼も危険な目に遭っていたかもしれない。
それにしても、街全体が発するこの不穏な妖気といえばどうであろう。まさに百鬼夜行と言っていいような世間の有り様で、人の心は大いに乱れ、道徳は失われ、誰もが他者を貶め、自らの小利を得ようと騙し合いを繰り広げている。
スミンが国の実権を握って以来というもの、政道は歪み、国は天災や飢饉に苦しむ人々を見捨て、さらに重税を課した。人々から倫理観が失われ、堕落と退廃の道を歩むのは必然の結果とも言える。
王権が民を慈しみ、彼らを守ろうとする国がある。一方で、この国は王権そのものが一種の盗賊集団と化して民を迫害し、民から奪う主体となり果てている。
サミュエルは殺伐とした人々のあいだを震えるほどの心細さを抱きつつ縫うように王宮の方へと進んだ。
そして王宮の正門前まで行き、周囲の気配をじっと確かめた。術者の気配を、である。
小一時間ほどもそうしていると、不審に思ったのか、門番が寄ってきて、
「おい盲、何を呆けている」
サミュエルは不用意に黙り込んだ。実際、彼はまったく不用意と言うべきで、誰何された際に名乗る名前や身分について考えていなかった。しかも生来、嘘が苦手ときている。
「なんだ、盲でしかも聾か」
「い、いえ」
「では名と身分を名乗れ。肌の色からして、この国の者ではあるまい。ここで何をしている」
サミュエルがやはり返答できずにいると、門番は軽侮されていると感じたのか、途端に怒り出し、彼を捕らえて宮殿内の牢獄に放り込もうとした。
牢に入れられたら、術を使わずに脱出するのは至難の業である。
大変なことになった、と今さら戸惑いながら、サミュエルは意を決し、門番の喉を杖で突き、怯んだところを逃げ出した。そして牢獄近くの倉庫に忍んで、衛兵らの追及を避けようとした。
サミュエルは当人の意志とは無関係ながら、王都トゥムルの宮殿に潜入することとなったのである。
宮殿には無論、スミンがいる。
光の術者と、闇の術者。
彼らは今、わずか数分の距離にいる。
そして相手の存在、つまり術者の存在により早く気づいたのは、スミンの方であった。
スミンの治世、と人は言う。スミンは実のところ皇妃でしかないが、人々にとっては明瞭にこの国の主であった。皇帝はまだ15歳の少年であるが、この頃にはその名を記憶する者さえ少ない。誰が見ても、少年皇帝はスミンの傀儡に過ぎず、誰もが皇帝よりもその妃を恐れた。
皇妃スミンは、反対者を容赦なく粛清もしくは弾圧し、旧ブリストル公国を植民地化して本国へ莫大な貢ぎ物を献上させ、民衆からは酷烈なほどの重税を搾り取り、自らはこの世の安楽と富貴をほしいままにして暮らした。
またその性欲たるや奔放そのもので、我が夫たる皇帝は無論、その弟らを自らの道具のように扱って寝所に連れ込んでいる。
近頃はそれにさえ飽きたのか、文武を兼ね備えた若い精力漢を選んできては愛人とし、彼らを宮殿に住まわせ、籠の中の鳥のように扱っているという。愛人となった男はみな、人変わりしたようにスミンとの愛欲に溺れ、その忠実な僕となった。
「傾国の美女」
とスミンは称される。百年に一人の美貌を持ち、見る者を虜にして、その心を狂わせる。国も乱れるはずだ。
さて、王都トゥムルに一方の術者であるサミュエル・ドゥシャンが到着したのは、4月2日のことである。
当初、彼はナジュラーン宮殿の馬場から盗み出した馬で王国領へ向かおうとしたが、これが病弱で使い物にならない駄馬で、日に10kmほどしか進めない上に、数日もすると疲労と脱水のため泡を吹いて卒倒してしまった。活きのいい馬はすべて軍馬として戦線に駆り出されているため、宮殿に残っているのはいずれも弱りはてた馬ばかりだったのであろう。
だが世の中には拾う神というものがあって、サミュエルはそうした者によく出会う運に恵まれているらしい。
盲人が、とぼとぼと長大極まるヌーナ街道を歩いているのがよほど不憫な光景だったのか、通りかかった隊商が彼を馬車に乗せてくれたのである。おおよそ国家による福祉という概念が希薄な時代にあって、盲人などは生きていくのさえ難しい世の中だが、だからこそ一方で大衆レベルでの公共の福祉のようなものがある程度機能していて、人間同士の好意による扶助が存在する。加えてサミュエルには、人の関心や保護欲を呼ぶ何かがあるのかもしれない。目を隠してはいるが、爽やかで人懐っこい印象の口元やその人柄には、余人とは少々異なる、特別な愛嬌と魅力が確かにあった。
隊商はヌーナ街道を、ンジャイ王の根拠地であるンゼレコレ、イシャーン王の首府であるクリシュナ、さらにヨーク川を渡り王国の都トゥムル、そして大陸南東部に位置する南方三角貿易の一角グイリンまで向かうという。
王都トゥムルまで行きたいのです、と言うと、隊商のリーダーは驚いた。
「目が見えんのに、トゥムルまで行こうってのかい。これァ快挙だ」
なるほどこの試み自体が快挙かもしれない。盲人がナジュラーンからトゥムルまで、直線距離にして1,200km以上を横断しようというのである。それが成功したら、彼は歴史上最も長い距離を移動した盲人になるであろう。
隊商団は休むこともなく、ひたすらヌーナ街道を東へ東へと向かった。
このヌーナ街道は、記録に残る限りでは大陸最古の街道で、この時代ではロンバルディア教国の国都アルジャントゥイユからイシャーン領クリシュナまでを結んでいる。教国領ではピレネー街道と名前を変えるが、いずれにしても大陸南部を東西に走る大動脈と言っていい。軍事行動は無論、各国の経済活動を支える極めて重要な道路であり、その戦略的経済的価値は計り知れない。
途中、隊商はンジャイ王の治めるンゼレコレに2日間ほど滞在した。広大な亜熱帯性ジャングルに囲まれつつ、ドワングワ湖へと注ぐキナ川の畔に築かれたこの都市を含む一帯は、世界最古の文明が栄えた地域であると伝えられ、水、木材、銅、鉄、あるいは植物の果実や動物の肉や革など、およそ古代人が求める資源すべてを豊富に有している。ジャングル地帯という土地柄で拡張性がないため、中世期における文明の発展が遅れ、大陸における最も貧しい地方とされているが、唯一無二の象兵部隊を持ち、さらにジャングルのなかに位置していることから、大陸で最も攻めにくい地域であるとも言われている。
もっとも、単なる旅人に過ぎないサミュエルにとってはさしあたり、通過地点でしかない。
治安部隊による幾度かの厳しい取り調べを経て次にたどり着いたのが、イシャーン王統治下のクリシュナである。この街は防壁に囲まれた旧市街のさらに外側に新市街が築かれた半要塞都市で、王国との国境線であるヨーク川に近い。つまりこの街から船でヨーク川を渡れば、王国領ということになる。
サミュエルは隊商団とともに海のように巨大なヨーク川河口を船に揺られ、さらに馬車で王都トゥムルまでを送ってもらった。
トゥムルの大市場で別れたあと、サミュエルはやや緊張しながら、初めて訪れる異国の街をたった一人で彷徨した。彼の知る大都市は、まず教国の国都であるアルジャントゥイユであったが、その市場といえばまるで十七年ゼミが洪水のように発生し群がり鳴いているような活況で、その賑やかしさに対抗しうるのは、クイーン出征時の市民の歓送や、大軍の鬨の声くらいのもので、要するに平時ではほかに類がない。
だが人口100万人と謳われるトゥムルの市場は、それらしい活気がまるで感じられず、しかもひどく治安が悪い。サミュエルが歩き過ぎているだけで、かっぱらいや喧嘩がそちこちで発生している気配である。サミュエルの形は旅塵にまみれ、ひどくみすぼらしかったが、身ぎれいにしていたら彼も危険な目に遭っていたかもしれない。
それにしても、街全体が発するこの不穏な妖気といえばどうであろう。まさに百鬼夜行と言っていいような世間の有り様で、人の心は大いに乱れ、道徳は失われ、誰もが他者を貶め、自らの小利を得ようと騙し合いを繰り広げている。
スミンが国の実権を握って以来というもの、政道は歪み、国は天災や飢饉に苦しむ人々を見捨て、さらに重税を課した。人々から倫理観が失われ、堕落と退廃の道を歩むのは必然の結果とも言える。
王権が民を慈しみ、彼らを守ろうとする国がある。一方で、この国は王権そのものが一種の盗賊集団と化して民を迫害し、民から奪う主体となり果てている。
サミュエルは殺伐とした人々のあいだを震えるほどの心細さを抱きつつ縫うように王宮の方へと進んだ。
そして王宮の正門前まで行き、周囲の気配をじっと確かめた。術者の気配を、である。
小一時間ほどもそうしていると、不審に思ったのか、門番が寄ってきて、
「おい盲、何を呆けている」
サミュエルは不用意に黙り込んだ。実際、彼はまったく不用意と言うべきで、誰何された際に名乗る名前や身分について考えていなかった。しかも生来、嘘が苦手ときている。
「なんだ、盲でしかも聾か」
「い、いえ」
「では名と身分を名乗れ。肌の色からして、この国の者ではあるまい。ここで何をしている」
サミュエルがやはり返答できずにいると、門番は軽侮されていると感じたのか、途端に怒り出し、彼を捕らえて宮殿内の牢獄に放り込もうとした。
牢に入れられたら、術を使わずに脱出するのは至難の業である。
大変なことになった、と今さら戸惑いながら、サミュエルは意を決し、門番の喉を杖で突き、怯んだところを逃げ出した。そして牢獄近くの倉庫に忍んで、衛兵らの追及を避けようとした。
サミュエルは当人の意志とは無関係ながら、王都トゥムルの宮殿に潜入することとなったのである。
宮殿には無論、スミンがいる。
光の術者と、闇の術者。
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