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運命的な運命の出会い

隣人

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※文化の違いを演出するため過剰な表現をしている場合がありますがフィクションです。ご注意下さい。

※以下鉤括弧の説明
「」・・・通常の会話(聞こえている音のままの状態。必要に応じて訳文有り)(美華の発音は日本語訛りがひどいためカタカナ。)
『』・・・意志疎通がとれている会話
()・・・訳文
【】・・・日本語以外の言語で会話。美華は聞き取れない。


男性の手脚はとても長くて身長も高い。

徴兵帰りなのか、筋肉が程よく付いていてスタイリッシュ。とにかくいい身体。

ブカブカのマスクから顔が小さいことがわかる。

メガネのから、キレイな二重の眼がこちらを見ている・・・。

「美華?どうした?大丈夫?」

マスクや眼鏡をしていても分かる美しい顔とスタイルの良さに電話していたことを忘れ、見とれてしまう。

「だいじょばない・・・」


「え?どうしたの?」

夏海を電話口で困惑させてしまっていたがつい、隣人の美しさとその気まずい状況に動揺してしまった。

你在通话中啊・・・ニーザイトンファージョン(通話してたのか・・・)」
韓国訛りをあまり感じさせないきれいな中国語を話す方だった。

しかしこのエリアに転校してきたということは、私たちの大学の留学生であろうことは容易に想像できる。

それにしても、色気のある美声・・・。

ほんの少しだけ低く、お腹に響くような安定感。

甘く艶美で女性を惑わせる・・・。

その美声を耳にして、キューと胸が苦しくなり、顔がポカポカと熱くなって来るのが分かる。

私イケメンにドキドキしてしまっているっ!

男性の冷たい目線は気のせいだったのか、マスクをしていても伝わるとびっきりの笑顔で、話しかけてきた見せてきた。

『謝らないで下さい!中国にきたばかりで色々よくわからなくて!僕は韓国人なので、中国の文化と違うことがあったら、すみません。こちらも片付けで騒がしくしますので。では!』


一方的に話を終え、彼はバタンと大きな音を立て、扉を冷たく固く閉ざしてしまった。

最終的には笑顔だったけど、愛想があるような、ないような不思議な人だ・・・。

でもマスク越しでもめちゃくちゃかっこよかった・・・。

隣人がイケメンなんて幸せだなあ。

【騒がしいところだ。何で、俺がこんな所に・・・。】
電話をしているのか、扉の向こうから怒っているような声が聞こえる。

韓国語なので、意味は分からなかったが、彼の声が遠くなりすぐ聞こえなくなった。

やっぱり怒っていたのかな?それにしてもカッコよかった。

そんなことを考えていたため、玄関前でたちすくしていた。

「美華?美華?大丈夫?何で突然中国語で、謝ってきたの?誰かと話てたの?」

電話をしていたことをすっかり忘れていた。

「ごめん・・・。いや、何でもない。あのさ、韓国語で〝シクロ?〝って意味知ってる?」

「はい?突然、何ですか?」






結局、彼女もシクロの意味は知らず他愛もない話をして、通話を終了した。
夏休みが今日で終わり、明日から彼女に会えるのは楽しみだ。

シクロについては、気になったので、日本語がペラペラの韓国人の友人〝ステファー〝に意味を聞くため、メッセージを送った。



近所のスーパーでの買い物を済ませて、帰宅。
ステファーの連絡を待ちながら、以前見たことのある韓国ドラマをテレビにつける。

中国ではそこら辺で、DVDを販売する露店があるのだ・・・。

パンパンのDVDフォルダから一枚のディスクを捜し出しディスクにセットする。

ドラマを流しながら、夏海からの電話の会話を思い出す。

「COSMOSって言ったら韓国だと有名なアイドルグループだよぉ!日本でもライブしたことあるんだょぉ!?美華が昔見てた韓国ドラマにも、キム・テグンは、出てたからっ!」



その俳優をチェックするために久しぶりに昔のドラマをつけたのだ。

有名人がうちの学校に転校してくるなんて、チェックしないわけにはいかないっ!

そういえば、当時見て時は気付かなかったけど、このキム・テグンの雰囲気は、誰か知り合いに似ている気がする。

誰だっけ?クラスの韓国人かな?いや違う!こんなイケメンはクラスにはいないっ!!!

そんなことを考えながら、ドラマの中の彼を見つめる。

「僕はずっと君のことが好きだったんだ!」
テレビの中のキム・テグンは、日本語吹き替えで健気に素直な気持ちを伝えている。

このドラマではかませ犬な脇役だが、主人公が選ばないなら私がもらう。といつも考えながら見ていた。

そんな相手が、まさか同じ学校に来るなんて!!!!

私が本当にもらえちゃうのかしらっ!?!

「ピコン」
バカな妄想を遮るように、スマホがステファーからのメッセージの受信を知らせた。

「え??」
思ってもみない返信内容にドラマそっちのけで、スマホを凝視してしまう・・・。
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