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第十三話 近付いた理由
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「いいか、エイミー。君は何か勘違いしているようだから、よく聞いてくれ。俺は別にクロディーヌと第二王子の邪魔をしたいが為に結婚したわけじゃない。俺は俺の目的のためにクロディーヌと結婚したんだ。だから、彼女と離縁する気はない」
エイミーの両肩に手を添え、俺は彼女に言い聞かせるかのように言う。
最初の頃は純粋に俺の恋路を応援してくれていたのに、一体いつからエイミーはクロディーヌと第二王子へ嫌がらせしようなどと考えるようになってしまったんだ?
俺はそんなこと望んでもいないのに。
「でも……このままだとアストルは不幸なままじゃない。だったら少しでもやり返して離縁した方が幸せになれるんじゃないの?」
俺に言われた言葉が不服だったのか、エイミーは唇を尖らせる。
おいおい、離縁した方が幸せとか、なんでそんなこと言い切れるんだ。
そもそも俺はクロディーヌのことが好きだから結婚したんだぞ。なのに、やり返して離縁するとか……自分から嫌われに行って終わりってことじゃないか。
そんなのは嫌だ。絶対に嫌だ!
できれば俺は婚約者だった頃のようにクロディーヌと仲睦まじく暮らしたいんだ。
愛し合って、二人の子供を育てて……そんな風に暮らしていきたい。離縁なんて以ての外だ!
そう思うも、そのまま言ったところでエイミーには伝わらないんだろうなぁ……と、なんとなく分かってしまう。
彼女には以前のように俺とクロディーヌが上手くやっていくためのアドバイスだけをしてもらいたいが、どうやったらその方向へ話を持っていくことができるだろうか?
考え考え、俺はなんとかエイミーを説得しようと口を開く。
「……エイミー、とにかく俺はクロディーヌと離縁する気はない。だから、別の方法を考えてもらいたいんだが……できるか?」
彼女の顔を覗き込むようにして尋ねると、不本意そうにしながらも、エイミーはなんとか頷いてくれた。
が、継いで彼女の口から飛び出した言葉に、俺は息を呑む。
「だったら最初の予定通り、先ずは私が愛妾として邸の中に入り込むわ」
「え、ちょ、待て待て! あれはクロディーヌとの初夜を拒否するための言い訳であって、本当に君を愛妾として迎えるわけじゃ──」
「何言ってるのよ。言いっ放しでそのまま何日も愛妾を迎えなかったらすぐに嘘だとバレて白い結婚なんて貫けなくなるわよ?」
エイミーの言い分に、俺は口を噤むしかない。
何故なら俺は、結婚初日にきっちり初夜を済ませてしまった。だから結婚二日目にして既に白い結婚などという幻想は成り立たなくなっている。
だがついさっきエイミーには、初夜を拒否したと嘘を吐いたばかりだ。
それについて彼女にどう説明すれば良いだろう?
こんなことなら、くだらない嘘を吐かなければ良かったと今更思うが、一度口から出た言葉は、どう足掻いてもなかったことにはできない。
かといって、「さっきは嘘を吐いたんだ」と言うのも憚られる。
答えに窮した俺は、取り敢えずエイミーとの会話を終わらせることにした。
要するに、どうにもならない案件から逃げることにしたのだ。
我ながら最低だと思うが、エイミーを愛妾として迎え入れるつもりはないし、初夜の件は嘘だったと素直に告げる勇気もない。そして当然、この場を誤魔化す言い訳なども思い付かなくて。
「そ、その件については、また後日な……」
それだけを言って、俺は足早に門の中へ入るだけで精一杯だった。
「ちょっとアストル! 待ってよ、まだ話は終わってないわ!」
背後から、エイミーの叫び声が聞こえる。
貴族家の邸の前で叫ぶなんて、どれだけ非常識なんだ。これだから平民は困るんだよな。
自分にもその原因の一端があるにも関わらず、俺はそれを棚に上げ、彼女のことだけを心の中で貶す。
あんな礼儀も何もない女性を、いくら形だけとはいえ、愛妾などにできる筈がない。
しかもそんなことをしたら、『夫に愛されない妻』として、クロディーヌが社交界で恥をかく可能性だってある。
俺はクロディーヌに自分だけを見てほしいと願っているだけで、彼女の立場を悪くしたいわけじゃない。
クロディーヌが第二王子との関係を切ってくれたら、それだけで満足なんだ。
未だ背後から微かに聞こえる叫び声に俺はやれやれとため息を吐くと、初夜明けで置き去りにしたクロディーヌが気に掛かり、すぐさま彼女の部屋へと足を向けた──というのが、先程までのエイミーと俺との門前でのやり取りだ。
こうして考えてみると、特に怪しいところはないような?
クロディーヌの寝顔を見つめながら、俺は悶々と考える。
エイミーと話している間に甘い雰囲気にもならなかったし──というかそもそも、彼女とそんな雰囲気になったことはないのだが──口付けと疑われるようなことをした覚えも……ん?
そこで、何かが一瞬俺の脳裏に引っ掛かかった。
なんだ? 今なんとなく、何かが……。
引っ掛かったことを思い出そうと、懸命に記憶を辿る。
門の前での出来事を、脳内で早送りのように再生して、それから……──。
「あ!」
思い当たる出来事を思い出した瞬間、つい大声を出してしまい、咄嗟に俺は自分で自分の口を塞いだ。
大丈夫か? 今の声でクロディーヌは起きなかっただろうか?
恐る恐るクロディーヌの様子を窺い、目覚めていないことに安堵の息を吐く。
良かった。幸いにも起こさずに済んだようだ。だが……どうやって言い訳しよう?
俺とエイミーが口付けしていたと誤解された場面は恐らく、俺がクロディーヌと離婚はしないと説明をしていた時だ。
あの時はしっかりと話を聞いてもらおうと、エイミーの瞳を見ながら話していたため、若干距離が近かったかもしれない。そしてあのアングルは、見ようによっては口付けをしていたように見えただろう。
だから俺は、クロディーヌに誤解されたのは絶対あそこだ! と自信を持って言えるのだが、如何せん、それをどう説明するかが問題だった。
会話の内容は万が一にも知られるわけにはいかないし、そうなると、あそこまで顔を近付けて話す必要がある話題を、どうにかして捻り出す必要がある。
「けど、なぁ……」
そんな都合の良い話が、そう簡単に思いつくわけもなく。
未だ眠り続けるクロディーヌを抱きしめながら、俺は内心で頭を抱えた──。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次話ではとうとう待ってましたのエイミー視点です!
え? 誰も待ってない? いやいや、そう言わずに……。
エイミー視点の後は、満を持して第二王子の登場です!
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エイミーの両肩に手を添え、俺は彼女に言い聞かせるかのように言う。
最初の頃は純粋に俺の恋路を応援してくれていたのに、一体いつからエイミーはクロディーヌと第二王子へ嫌がらせしようなどと考えるようになってしまったんだ?
俺はそんなこと望んでもいないのに。
「でも……このままだとアストルは不幸なままじゃない。だったら少しでもやり返して離縁した方が幸せになれるんじゃないの?」
俺に言われた言葉が不服だったのか、エイミーは唇を尖らせる。
おいおい、離縁した方が幸せとか、なんでそんなこと言い切れるんだ。
そもそも俺はクロディーヌのことが好きだから結婚したんだぞ。なのに、やり返して離縁するとか……自分から嫌われに行って終わりってことじゃないか。
そんなのは嫌だ。絶対に嫌だ!
できれば俺は婚約者だった頃のようにクロディーヌと仲睦まじく暮らしたいんだ。
愛し合って、二人の子供を育てて……そんな風に暮らしていきたい。離縁なんて以ての外だ!
そう思うも、そのまま言ったところでエイミーには伝わらないんだろうなぁ……と、なんとなく分かってしまう。
彼女には以前のように俺とクロディーヌが上手くやっていくためのアドバイスだけをしてもらいたいが、どうやったらその方向へ話を持っていくことができるだろうか?
考え考え、俺はなんとかエイミーを説得しようと口を開く。
「……エイミー、とにかく俺はクロディーヌと離縁する気はない。だから、別の方法を考えてもらいたいんだが……できるか?」
彼女の顔を覗き込むようにして尋ねると、不本意そうにしながらも、エイミーはなんとか頷いてくれた。
が、継いで彼女の口から飛び出した言葉に、俺は息を呑む。
「だったら最初の予定通り、先ずは私が愛妾として邸の中に入り込むわ」
「え、ちょ、待て待て! あれはクロディーヌとの初夜を拒否するための言い訳であって、本当に君を愛妾として迎えるわけじゃ──」
「何言ってるのよ。言いっ放しでそのまま何日も愛妾を迎えなかったらすぐに嘘だとバレて白い結婚なんて貫けなくなるわよ?」
エイミーの言い分に、俺は口を噤むしかない。
何故なら俺は、結婚初日にきっちり初夜を済ませてしまった。だから結婚二日目にして既に白い結婚などという幻想は成り立たなくなっている。
だがついさっきエイミーには、初夜を拒否したと嘘を吐いたばかりだ。
それについて彼女にどう説明すれば良いだろう?
こんなことなら、くだらない嘘を吐かなければ良かったと今更思うが、一度口から出た言葉は、どう足掻いてもなかったことにはできない。
かといって、「さっきは嘘を吐いたんだ」と言うのも憚られる。
答えに窮した俺は、取り敢えずエイミーとの会話を終わらせることにした。
要するに、どうにもならない案件から逃げることにしたのだ。
我ながら最低だと思うが、エイミーを愛妾として迎え入れるつもりはないし、初夜の件は嘘だったと素直に告げる勇気もない。そして当然、この場を誤魔化す言い訳なども思い付かなくて。
「そ、その件については、また後日な……」
それだけを言って、俺は足早に門の中へ入るだけで精一杯だった。
「ちょっとアストル! 待ってよ、まだ話は終わってないわ!」
背後から、エイミーの叫び声が聞こえる。
貴族家の邸の前で叫ぶなんて、どれだけ非常識なんだ。これだから平民は困るんだよな。
自分にもその原因の一端があるにも関わらず、俺はそれを棚に上げ、彼女のことだけを心の中で貶す。
あんな礼儀も何もない女性を、いくら形だけとはいえ、愛妾などにできる筈がない。
しかもそんなことをしたら、『夫に愛されない妻』として、クロディーヌが社交界で恥をかく可能性だってある。
俺はクロディーヌに自分だけを見てほしいと願っているだけで、彼女の立場を悪くしたいわけじゃない。
クロディーヌが第二王子との関係を切ってくれたら、それだけで満足なんだ。
未だ背後から微かに聞こえる叫び声に俺はやれやれとため息を吐くと、初夜明けで置き去りにしたクロディーヌが気に掛かり、すぐさま彼女の部屋へと足を向けた──というのが、先程までのエイミーと俺との門前でのやり取りだ。
こうして考えてみると、特に怪しいところはないような?
クロディーヌの寝顔を見つめながら、俺は悶々と考える。
エイミーと話している間に甘い雰囲気にもならなかったし──というかそもそも、彼女とそんな雰囲気になったことはないのだが──口付けと疑われるようなことをした覚えも……ん?
そこで、何かが一瞬俺の脳裏に引っ掛かかった。
なんだ? 今なんとなく、何かが……。
引っ掛かったことを思い出そうと、懸命に記憶を辿る。
門の前での出来事を、脳内で早送りのように再生して、それから……──。
「あ!」
思い当たる出来事を思い出した瞬間、つい大声を出してしまい、咄嗟に俺は自分で自分の口を塞いだ。
大丈夫か? 今の声でクロディーヌは起きなかっただろうか?
恐る恐るクロディーヌの様子を窺い、目覚めていないことに安堵の息を吐く。
良かった。幸いにも起こさずに済んだようだ。だが……どうやって言い訳しよう?
俺とエイミーが口付けしていたと誤解された場面は恐らく、俺がクロディーヌと離婚はしないと説明をしていた時だ。
あの時はしっかりと話を聞いてもらおうと、エイミーの瞳を見ながら話していたため、若干距離が近かったかもしれない。そしてあのアングルは、見ようによっては口付けをしていたように見えただろう。
だから俺は、クロディーヌに誤解されたのは絶対あそこだ! と自信を持って言えるのだが、如何せん、それをどう説明するかが問題だった。
会話の内容は万が一にも知られるわけにはいかないし、そうなると、あそこまで顔を近付けて話す必要がある話題を、どうにかして捻り出す必要がある。
「けど、なぁ……」
そんな都合の良い話が、そう簡単に思いつくわけもなく。
未だ眠り続けるクロディーヌを抱きしめながら、俺は内心で頭を抱えた──。
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