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夢魔は語る④
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※途中で切ろうかとも思ったのですが流れ上、切らずに載せます。文字数が多いです。ご了承下さい。
ーーーーー
長いような短いような時間が、経った…のだろうか?時間の感覚がよく分からん。
今はフランツの目の前で、3人のこどもたちが、実に楽しそうに遊んでいた。それを眺めているのは、とても楽しかった。
エデルが、こちらに駆けてきてフランツに向かい息を弾ませながら
エデル「ぼく、ぼく、ずっと誰かと遊びたかったんだ! ────こんなに、こんなにたのしいの、はじめてだよ!すっごく楽しい…!マチアス、ポリーナー、ありがとう、フランツおにいちゃんにも、ありがとうって言いたくて」
と言ってニッコリ笑った。
それを聞いたポリーナーとマチアスも照れたように頭をかいて笑っている。
「ずっと誰かと遊びたかった」と言うエデルの孤独に胸が痛む。
くっ……エデルも可愛すぎてツラい…!
「肩車するぞー!」「わっ?!」ひょいとエデルを持ち上げ、肩に乗せる。
「あーーー!ずるーい!兄ちゃん、次は僕もー」
「あたしが先よ!」
わいわい言いながら、ふとマチアスがエデルに問いかけた。
「 ────…ねえ、エデルは、いま何がほしい?何がのぞみ?」
「えっ…」
フランツに肩車された小さなエデルが、フランツの髪をギュッと握り、たじろいだのが分かった。
「……よく、わかんない…、で、でも、ぼくね ずっとひとりだったんだ。だからマチアスとポリーナーたちと遊んで、すごく…楽しかった。ぼくはだれかといっしょに居て、おしゃべりして…遊びたかった、のかな…?」
エデルは、そう言うと、その後は押し黙ってしまった。フランツはエデルの足をポンポンと2度やさしく叩く。そっか、と伝えたかった。
フランツは弟と妹に聞く。
「ポリーナーとマチアスは?おまえたちは、何がほしい?何を望む?」
「 ────ぼくたち、もうなんにもいらないよ。…そうだなぁ…望みっていうんなら、そりゃあもちろん兄ちゃんの幸せに決まってる」
「そうそう。それだよ。おにい、最初の奥さんに逃げられたんだって?でも次の奥さんはたぶん大丈夫ってリヒャルトが言ってた!」
幼児の姿で、こまっしゃくれたことを言うポリーナーに、あわあわするフランツ。
(…次の奥さん、って!)
「次の奥さんと、ぜったい幸せになってよ!そんで長生きしてね」
「お墓もいらない。兄ちゃんのことだから、余裕が出来たらお墓を、とか思ってるかもしんないけど」
「おにいがたまに思い出してくれればそれでいい。あの、川で笹舟を作った時みたいに」
( ────!!…前世で、思い出すのが故人の供養、とはよく言ったものだが、あれを実感する時が来ようとは)
「さて ぼくたちそろそろ行くね?」
「え」
エデルを肩から下ろし片膝立ちになったフランツを、マチアスとポリーナーが両側からその小さい手でぎゅーっと抱きしめて、同時にほっぺたにキスをする。
懐かしいあたたかい感触に、じんとしていると
急激に マチアスとポリーナーの姿が薄れていく。半透明になっていく。
さっきまで実体があったのに。いいや、あれは実体では、なかった…か?
「待て」
「おにい、じゃあね」
「兄ちゃん、それじゃあ!」
「おい…」
薄れていく2人が屈託なく笑う。その笑顔に憂いはない。
「フランツおにいちゃん、ありがと」小さなエデルも、フランツの頬に可愛らしいキスをすると
フランツに向かって小さな手を振り、半透明になり ────、3人の姿は消えた。
伸ばした手が、空をつかむ。
「 ────…おい待てよ、行くな、 ────置いて、置いていくな」
頰に残ったのは、彼らの僅かな熱だけ。
⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘
夢魔・リヒャルトが再びすうっとどこからか現れた。さっきの長髪金髪色男が全身黒づくめのスーツに身を包むと魔の異形っぽさがことさら際立つ。
「済んだようだな」
「……」
フランツはすべてに打ちのめされて、うなだれていた。
「お前の前世で言うところのジョウブツ、成仏とかいうアレに似てるか?
────…まあここ、【すべての境目の世界】【時空の緩衝地帯】では、当然のことながら「宗教」とやらの区別など無いがな。「宗教」など、支配層や、搾取側が支配構造を作るために人間が考え出した集金システム、枠組みにすぎん。
弔いとグリーフワークには確かに救いの概念は必要だったろう、しかし、ヒトは当初の役割を忘れ、みずからの欲の為に、「宗教」をいいように使い出して、世は更に地獄に変わったのよ。
宗教で人を救った気になって、宗教の違いを理由にお互いを殺し合うとは……ヒトは実に愚かよのぅ…」
「 ────なぜマチアスとポリーナーの魂を召喚した?なぜ俺に会わせた?」
…弟妹が目の前から消えてしまったことの怒りがリヒャルトに向かう。
「勘違いするな。お前のためだけに喚んだんじゃない」
リヒャルトが空中で脚を組み直す。膝を、長い指でトントンと叩く。
「…会わせなかったほうが良かったか?
お前は、自分だけ生き残った罪悪感をずっと抱えていただろう…なんであの夜に限って隣町に行ってたんだ、だの、自分がいればなにか出来たんじゃないか、だの」
「やめろ ────やめろ ────…」
「すべては運命であり宿命だ。あの晩の空襲は避けられないものだった。お前が家に居なかったこともな。
後悔などクソの役にも立たん。まあ人間と我らの感覚は、違って当然だ。ヒトは、悔いて悔いて人生を終える生き物だよな?
ここでは、時間は伸びたり縮んだりする ────…死んだ者も現れ、また消えていったりもする。
傷付いた者が、ここの世界で望みを叶えることも、ないわけではない。ーーー…エデルは、どうやら【芯】の部分が満たされて、随分満足したようだ」
「?……なあ、アンタ本当は神さまなんだろ?」
「何言ってる、さっきも言っただろう…時々入れ替わると。神であり神じゃない、夢魔であって夢魔じゃない
人間が考え出した存在…【神】なんてもんは、それぐらいあやふやなものだ。だってそうだろう?苦しい時にすがるためのものだ、まとまりのない人々をまとめるための【口実】でもある。
人間は、神が創造したから精緻なデザインなんだとかいう説があるが、それを言ったら生物みな精緻だ。【素晴らしい神が全てを創造したもうた!】…なんてのは、そうやって万能の神を崇め奉ることでその説を唱える人間になんらかの「得」があるんだろうよ。強欲な奴らだからな。
────生物が精緻に出来ているのは、生物それ自体の意思と、全体のバランスに過ぎん。生態系のな。【神】じゃない。大体な、神がヒトをデザインしたというのなら、あんなにめんどくさくて愚かな生き物は作らんぞ?生命維持の仕組みも、群れたら残虐になる性質も、全く美しくないだろ?
────…神でも悪魔でも夢魔でも淫魔でも、ヒトはいつも我々を好き勝手に呼んできた。
例えば、不義密通で子供が腹に出来れば淫魔ーーインキュバスやサキュバスのせい。実際には、浮気や裏切りなのにな!
理不尽な殺人や、群れ維持の為の粛清で人を死なせたら、妖怪や妖精や怪物のせいにする。
恨みを抱いた時には、五寸釘を打ちに行ったり、悪魔を召喚する。困った時だけ神頼み。悪魔頼み。
…全く人間ってのは、勝手なもんだよな。ほめ言葉だぞ?これ。ハハハ。
【すべての境目の世界】【時空の緩衝地帯】であるここに、高次エネルギー体は確かに存在する…それがお前ら人間が【神】と呼ぶものの正体だ。
霊長類には「意識」ってものがあるから、それと交信、解読するために、言葉も得た」」
フランツはもう、考えるのが嫌になった。前世、今世、通して「こうである」と考えたものが根底から覆った感じだ。
リヒャルトは続ける「ここを、集合的無意識と呼んだ者もいたが…」
それはユングのことだろうか、とフランツはぼんやり思う。
「 ────…なんにせよ、お前はあのエデルの傷を癒やし、弟妹にも会えたんだ。悪くはないだろう?お前は子供全般に、弱い。」
(ああ、そうだよ…ポリーナーとマチアスを亡くしたのもあって、俺は子供って存在に強い思い入れがある。さっきエデルに感じたものも、同情や憐憫の情だけじゃない。血縁ではないが、彼を守ってやりたくて、愛おしく思った)
「で、【神さま】はなんでこんなまわりくどいことを?」
フランツはもう、めんどくさいからわざと【神さま】と呼んでやった。
リヒャルトは片方だけ口角を上げてニヤリとしながら
「退屈しのぎさ」
と言ってのけた。
⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘
その時、現実世界の大人のエデルは ────
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長いような短いような時間が、経った…のだろうか?時間の感覚がよく分からん。
今はフランツの目の前で、3人のこどもたちが、実に楽しそうに遊んでいた。それを眺めているのは、とても楽しかった。
エデルが、こちらに駆けてきてフランツに向かい息を弾ませながら
エデル「ぼく、ぼく、ずっと誰かと遊びたかったんだ! ────こんなに、こんなにたのしいの、はじめてだよ!すっごく楽しい…!マチアス、ポリーナー、ありがとう、フランツおにいちゃんにも、ありがとうって言いたくて」
と言ってニッコリ笑った。
それを聞いたポリーナーとマチアスも照れたように頭をかいて笑っている。
「ずっと誰かと遊びたかった」と言うエデルの孤独に胸が痛む。
くっ……エデルも可愛すぎてツラい…!
「肩車するぞー!」「わっ?!」ひょいとエデルを持ち上げ、肩に乗せる。
「あーーー!ずるーい!兄ちゃん、次は僕もー」
「あたしが先よ!」
わいわい言いながら、ふとマチアスがエデルに問いかけた。
「 ────…ねえ、エデルは、いま何がほしい?何がのぞみ?」
「えっ…」
フランツに肩車された小さなエデルが、フランツの髪をギュッと握り、たじろいだのが分かった。
「……よく、わかんない…、で、でも、ぼくね ずっとひとりだったんだ。だからマチアスとポリーナーたちと遊んで、すごく…楽しかった。ぼくはだれかといっしょに居て、おしゃべりして…遊びたかった、のかな…?」
エデルは、そう言うと、その後は押し黙ってしまった。フランツはエデルの足をポンポンと2度やさしく叩く。そっか、と伝えたかった。
フランツは弟と妹に聞く。
「ポリーナーとマチアスは?おまえたちは、何がほしい?何を望む?」
「 ────ぼくたち、もうなんにもいらないよ。…そうだなぁ…望みっていうんなら、そりゃあもちろん兄ちゃんの幸せに決まってる」
「そうそう。それだよ。おにい、最初の奥さんに逃げられたんだって?でも次の奥さんはたぶん大丈夫ってリヒャルトが言ってた!」
幼児の姿で、こまっしゃくれたことを言うポリーナーに、あわあわするフランツ。
(…次の奥さん、って!)
「次の奥さんと、ぜったい幸せになってよ!そんで長生きしてね」
「お墓もいらない。兄ちゃんのことだから、余裕が出来たらお墓を、とか思ってるかもしんないけど」
「おにいがたまに思い出してくれればそれでいい。あの、川で笹舟を作った時みたいに」
( ────!!…前世で、思い出すのが故人の供養、とはよく言ったものだが、あれを実感する時が来ようとは)
「さて ぼくたちそろそろ行くね?」
「え」
エデルを肩から下ろし片膝立ちになったフランツを、マチアスとポリーナーが両側からその小さい手でぎゅーっと抱きしめて、同時にほっぺたにキスをする。
懐かしいあたたかい感触に、じんとしていると
急激に マチアスとポリーナーの姿が薄れていく。半透明になっていく。
さっきまで実体があったのに。いいや、あれは実体では、なかった…か?
「待て」
「おにい、じゃあね」
「兄ちゃん、それじゃあ!」
「おい…」
薄れていく2人が屈託なく笑う。その笑顔に憂いはない。
「フランツおにいちゃん、ありがと」小さなエデルも、フランツの頬に可愛らしいキスをすると
フランツに向かって小さな手を振り、半透明になり ────、3人の姿は消えた。
伸ばした手が、空をつかむ。
「 ────…おい待てよ、行くな、 ────置いて、置いていくな」
頰に残ったのは、彼らの僅かな熱だけ。
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夢魔・リヒャルトが再びすうっとどこからか現れた。さっきの長髪金髪色男が全身黒づくめのスーツに身を包むと魔の異形っぽさがことさら際立つ。
「済んだようだな」
「……」
フランツはすべてに打ちのめされて、うなだれていた。
「お前の前世で言うところのジョウブツ、成仏とかいうアレに似てるか?
────…まあここ、【すべての境目の世界】【時空の緩衝地帯】では、当然のことながら「宗教」とやらの区別など無いがな。「宗教」など、支配層や、搾取側が支配構造を作るために人間が考え出した集金システム、枠組みにすぎん。
弔いとグリーフワークには確かに救いの概念は必要だったろう、しかし、ヒトは当初の役割を忘れ、みずからの欲の為に、「宗教」をいいように使い出して、世は更に地獄に変わったのよ。
宗教で人を救った気になって、宗教の違いを理由にお互いを殺し合うとは……ヒトは実に愚かよのぅ…」
「 ────なぜマチアスとポリーナーの魂を召喚した?なぜ俺に会わせた?」
…弟妹が目の前から消えてしまったことの怒りがリヒャルトに向かう。
「勘違いするな。お前のためだけに喚んだんじゃない」
リヒャルトが空中で脚を組み直す。膝を、長い指でトントンと叩く。
「…会わせなかったほうが良かったか?
お前は、自分だけ生き残った罪悪感をずっと抱えていただろう…なんであの夜に限って隣町に行ってたんだ、だの、自分がいればなにか出来たんじゃないか、だの」
「やめろ ────やめろ ────…」
「すべては運命であり宿命だ。あの晩の空襲は避けられないものだった。お前が家に居なかったこともな。
後悔などクソの役にも立たん。まあ人間と我らの感覚は、違って当然だ。ヒトは、悔いて悔いて人生を終える生き物だよな?
ここでは、時間は伸びたり縮んだりする ────…死んだ者も現れ、また消えていったりもする。
傷付いた者が、ここの世界で望みを叶えることも、ないわけではない。ーーー…エデルは、どうやら【芯】の部分が満たされて、随分満足したようだ」
「?……なあ、アンタ本当は神さまなんだろ?」
「何言ってる、さっきも言っただろう…時々入れ替わると。神であり神じゃない、夢魔であって夢魔じゃない
人間が考え出した存在…【神】なんてもんは、それぐらいあやふやなものだ。だってそうだろう?苦しい時にすがるためのものだ、まとまりのない人々をまとめるための【口実】でもある。
人間は、神が創造したから精緻なデザインなんだとかいう説があるが、それを言ったら生物みな精緻だ。【素晴らしい神が全てを創造したもうた!】…なんてのは、そうやって万能の神を崇め奉ることでその説を唱える人間になんらかの「得」があるんだろうよ。強欲な奴らだからな。
────生物が精緻に出来ているのは、生物それ自体の意思と、全体のバランスに過ぎん。生態系のな。【神】じゃない。大体な、神がヒトをデザインしたというのなら、あんなにめんどくさくて愚かな生き物は作らんぞ?生命維持の仕組みも、群れたら残虐になる性質も、全く美しくないだろ?
────…神でも悪魔でも夢魔でも淫魔でも、ヒトはいつも我々を好き勝手に呼んできた。
例えば、不義密通で子供が腹に出来れば淫魔ーーインキュバスやサキュバスのせい。実際には、浮気や裏切りなのにな!
理不尽な殺人や、群れ維持の為の粛清で人を死なせたら、妖怪や妖精や怪物のせいにする。
恨みを抱いた時には、五寸釘を打ちに行ったり、悪魔を召喚する。困った時だけ神頼み。悪魔頼み。
…全く人間ってのは、勝手なもんだよな。ほめ言葉だぞ?これ。ハハハ。
【すべての境目の世界】【時空の緩衝地帯】であるここに、高次エネルギー体は確かに存在する…それがお前ら人間が【神】と呼ぶものの正体だ。
霊長類には「意識」ってものがあるから、それと交信、解読するために、言葉も得た」」
フランツはもう、考えるのが嫌になった。前世、今世、通して「こうである」と考えたものが根底から覆った感じだ。
リヒャルトは続ける「ここを、集合的無意識と呼んだ者もいたが…」
それはユングのことだろうか、とフランツはぼんやり思う。
「 ────…なんにせよ、お前はあのエデルの傷を癒やし、弟妹にも会えたんだ。悪くはないだろう?お前は子供全般に、弱い。」
(ああ、そうだよ…ポリーナーとマチアスを亡くしたのもあって、俺は子供って存在に強い思い入れがある。さっきエデルに感じたものも、同情や憐憫の情だけじゃない。血縁ではないが、彼を守ってやりたくて、愛おしく思った)
「で、【神さま】はなんでこんなまわりくどいことを?」
フランツはもう、めんどくさいからわざと【神さま】と呼んでやった。
リヒャルトは片方だけ口角を上げてニヤリとしながら
「退屈しのぎさ」
と言ってのけた。
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その時、現実世界の大人のエデルは ────
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2月3日にアルファポリス様連載分を完結致しました。お読みいただいた皆様、お気に入り登録して下さった皆様、本当にありがとうございます!誠に勝手ながら作者都合で感想欄は閉じております。誤字脱字等が一部にあり大変申し訳ございません。随時直していきます。小説家になろう様にも投稿しております。 https://ncode.syosetu.com/n1893ha/アルファポリス様投稿分とは細部で違いがあります。大筋は変わりません。
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