32 / 52
事件⑥ sideゴダード(被害者その1)
しおりを挟む
被害者であるゴダード視点の回です。
※暴力的な描写、残酷な描写が出てきます。一部グロ注意。苦手な方はご注意下さい。
※依存症及びPTSDの描写があります。筆者には、それらの疾病等を貶める意図は全くありません。
ーーー
(ゴダードの心の中)
────どんなに軍務で疲れていても、夜は眠れない。少しウトウトして後は悪夢。
夢には決まって大きくて真っ黒な靄(もや)が出てくる。それがまた恐ろしくて恐ろしくて。
その靄が追いかけてくる ────…靄に追いつかれると…追いつかれちゃダメだ…靄の中に誰かの顔が見える。
戦場で死んだ友か、戦場で初めて殺した帝国人か、それともクソ親父か、俺をずっと支配してきた魔女みたいな母親か。
その全部かもしれないし、そうじゃなかったかもしれなかった。俺が自分で生み出した幻なのだとも考えたが、どんなふうに考えようと、靄と彼らが出てくることには違いなかった。
悪夢の中の靄は、どこまでもどこまでも俺を追ってきた。
帝国と戦った5年戦争の戦地が、いつも夢に出てきた。
心は戦場をさまよい、夢の中で、感じる恐怖ゆえに叫び、自分の叫び声で飛び起きることもあった。
起きるといつも嫌な汗をぐっしょりと全身にかいていた。
────眠れなくなったのはいつからだった?身体に疲労があれば眠れる、と人は言うが、タチの悪い不眠は身体疲労のあるなしは関係ない。身体が疲れてるのに眠れない、という最悪のケース。一睡も出来なかったのに朝、仕事に行く日の気分ってのはそりゃ最悪に決まってる。
いつしか俺は酒の力を借りるようになった。酒を飲むと眠れると言うのは実は嘘で、酒を飲むと眠りは浅くなる。だが全く眠れないよりは少しはマシで、俺の酒量は次第に増えていった。
深酒をする習慣のせいか、頻繁に遅刻するようになった。朝、なかなか起きられないからだ。
戦地から戻ってきて新たに配属されて働いていたのは補給部隊。事務だけでなく、あちこち行って調整したり買い付けに行ったり、在庫のチェックをしたり。
そんな仕事の合間にも俺はサボってばかりいた。酒が抜け切らないうちにこっそり持ち込んだ瓶で飲むようになっていた俺はある日、上司に呼び出された。いいかげんに真面目に仕事しろと。そういえばこないだ勤務時間中に倉庫で横になっていたところを同僚に見つかったんだった。
俺は「はい、申し訳ありません」と一応頭は下げたが、上司は苦々しい顔をしたまま、顎をしゃくって早く出ていけとばかりに俺を促した。
その後、俺は3日ばかり何とか酒を飲まずに仕事に行ったが、4日目に何もかもどうでもよくなって仕事に行くのをやめた。
有り金を持って酒を買いに行き、すぐ飲みたくて道端で飲み、貧民街の空き家に入り込んで眠りまた酒を飲み、何日経ったのだろう?日にちの感覚がもう無い。官舎にもずっと帰っていない。
靄もやの中の人達は、今や眠っていても起きていても俺から見えるところにいる。そして語りかけてくる。気が狂いそうだ ────いいや、もう狂ってるか。
初めて殺した敵国の帝国人は、武器を持っていなかった。(いや分からんぞ、非戦闘員のフリをした兵士かも…)戦争が終わってからも、その最初の帝国人の血まみれの姿が脳裏にこびりついて離れなかった。
木こりのような服装をした40代くらいの男だった。同じ隊の奴は『気にすんな』と言った。
だが、その時はフタをした感情も、後からこうやって生き返ってまた俺を苛む。
◆
ああ、多分俺は今日も酔っ払っている。有り金が無くなってきたから腕時計やブレスレットを売って現金に換えた。酒を買う為だ。
シラフでいることには耐えられない。酒の酩酊状態でいることに救いを求めていたのかもしれない。
俺は、肩でぶつかってきやがった金髪の坊主頭の兄ちゃんに難癖を付けて殴りかかった。
気に食わねえ。なにもかもが。ずっと俺から離れない靄も、目の前のこの兄ちゃんも。
「…靄がよ…追いかけてくんだよ…靄に追いつかれると…追いつかれちゃダメなんだよ…」
そいつを殴る。殴る。理由なんか無い。遥か昔に受けた軍事教練の時の教官の言葉が蘇る。
《お前たちは何者だ?答えろ!声が小さい!お前たちのしたい事はなんだ? 俺たちは答える、殺す! 聞こえんぞ! 殺す! 》
軍という組織におけるイカれた煽りの言葉の数々が今でも耳の奥に残っているような気がした。
そんなわけで俺はこの哀れな野郎をボコボコにタコ殴りしていた。
「うあああああーーーーっっ…!」
その時 突然、誰かの叫ぶ声がした。その声の主は俺に近づいてきて
「やめろ」と言った。
肩をぐいと掴まれる。そして俺に殴られていた男を無理に俺から引き剥がそうとする。なんだコイツ、邪魔すんなよ。
「あぁ?なんだてめえ…」
その男は、俺を見て驚き、目を見開いた。
「ーーーーオヤジ…?オヤジ、なの…か?」
へっ?いや俺たぶんすげえ酔っ払ってるとは思うけどよ、俺にはこんなデかい息子はいねえぞ。結婚して製造した覚えも、女から「あなたの息子よ認めて」って言われた覚えもねえ。
「はあ?なんだおめえ…知らねえよ 離せよ」
俺ははもじゃもじゃ男を振り払い、また目の前の金髪男を殴りつける。
「やめろ!いくらなんでもそんな小さな子を…」
────ん?「小さな子」?おかしなことを言いやがる…コイツは誰のことを言ってるんだ?なんだこのもじゃもじゃ野郎。
「やめろっつってんだろ!!!」
もじゃもじゃ男は叫ぶと、ショボいナイフを取り出した。刃がギラリと光る。ナリはショボいがすげえ研いでるナイフだな。そんな細かいことが妙に気になった。
しかし腰が引けてる。ふん。度胸はあるが実戦経験はねえか。
「…はっ そんなもん屁でもねえーーーー…随分とチャチなシロモンだなあ?おにーさんよぉ…」
「その子を殴るのを今すぐやめろ」
「ーーーそんな持ち方で刺せっかよ…へっぴり腰だなあ~ いいか、教えてやらあ、実戦じゃな、お前みたいな弱っちいやつが真っ先に敵に殺されるんだ」
ナイフを、どんな角度で突き立てると確実に殺やれるのか、教えてやろうか?ああ?このクソガキが……!
殴るのを中断された怒りが俺の全身を駆け巡る。
俺は金髪男の胸ぐらを掴んでいた手を離した。男は地面にドサリと倒れこむ。
そいつはもう起き上がれずぐったりしていた。
さて、このお子様のお相手をしようか。
「やめろ やめないと…」
「おーおー 刺してみろよ?ホラ、度胸があるならな?」
俺は両手を広げ、もじゃもじゃ野郎を挑発した。
一瞬だけ、ためらいがあった。しかしその後ナイフごと男が向かってきた。
「ぐうッッ…」
────っってええなおい…血管のドク、ドク、という音が耳の中で響く。刃物で刺されるとは、こういうことなのか。
もじゃもじゃ野郎と目が合う。感情の抜け落ちたような目。自分の感情を、凍らせた目。
──良くできました。坊や。上出来上出来。 ハハッ!不覚…こーんなに酔っ払っててよう……自分が軍人だった頃みてえに動けるなんて思ってなかったけど……アッサリ刺されてバカだな俺も。
眠れなくて、やっと眠れても黒い靄が追いかけてきて俺にくっついてきて…ああ、それももう終わるのか。
まあいいや…もうなにもかもどうでもいい…。
やっと眠れ…る…
◆
【ゴダードの命は尽きようとしていた。
その時ゴダードは見た。
黒い靄の中の人達が出てきて、ゴダードの周りを取り囲み、ただ静かに笑っていた。
ゴダードが殺したあの名も知らぬ帝国人のあの男も。ゴダードの両親も、戦争で死んでいった友も。
みな穏やかな顔でゴダードのそばにいた。彼の命が尽きるまで。】
◆
ゴダードが殺した帝国人までもが静かに笑っているのは変、というご意見もあろうかと思いますが
そもそもゴダードが『自分を恨んでいるに違いない』という罪悪感にさいなまれた末に見ていた幻影だったので、その幻影からやっと解放されたという描写です。
ーーーーー
お読みいただきありがとうございます。一応この作品は作者的には恋愛カテゴリー作品なのです…( ・∇・)
※暴力的な描写、残酷な描写が出てきます。一部グロ注意。苦手な方はご注意下さい。
※依存症及びPTSDの描写があります。筆者には、それらの疾病等を貶める意図は全くありません。
ーーー
(ゴダードの心の中)
────どんなに軍務で疲れていても、夜は眠れない。少しウトウトして後は悪夢。
夢には決まって大きくて真っ黒な靄(もや)が出てくる。それがまた恐ろしくて恐ろしくて。
その靄が追いかけてくる ────…靄に追いつかれると…追いつかれちゃダメだ…靄の中に誰かの顔が見える。
戦場で死んだ友か、戦場で初めて殺した帝国人か、それともクソ親父か、俺をずっと支配してきた魔女みたいな母親か。
その全部かもしれないし、そうじゃなかったかもしれなかった。俺が自分で生み出した幻なのだとも考えたが、どんなふうに考えようと、靄と彼らが出てくることには違いなかった。
悪夢の中の靄は、どこまでもどこまでも俺を追ってきた。
帝国と戦った5年戦争の戦地が、いつも夢に出てきた。
心は戦場をさまよい、夢の中で、感じる恐怖ゆえに叫び、自分の叫び声で飛び起きることもあった。
起きるといつも嫌な汗をぐっしょりと全身にかいていた。
────眠れなくなったのはいつからだった?身体に疲労があれば眠れる、と人は言うが、タチの悪い不眠は身体疲労のあるなしは関係ない。身体が疲れてるのに眠れない、という最悪のケース。一睡も出来なかったのに朝、仕事に行く日の気分ってのはそりゃ最悪に決まってる。
いつしか俺は酒の力を借りるようになった。酒を飲むと眠れると言うのは実は嘘で、酒を飲むと眠りは浅くなる。だが全く眠れないよりは少しはマシで、俺の酒量は次第に増えていった。
深酒をする習慣のせいか、頻繁に遅刻するようになった。朝、なかなか起きられないからだ。
戦地から戻ってきて新たに配属されて働いていたのは補給部隊。事務だけでなく、あちこち行って調整したり買い付けに行ったり、在庫のチェックをしたり。
そんな仕事の合間にも俺はサボってばかりいた。酒が抜け切らないうちにこっそり持ち込んだ瓶で飲むようになっていた俺はある日、上司に呼び出された。いいかげんに真面目に仕事しろと。そういえばこないだ勤務時間中に倉庫で横になっていたところを同僚に見つかったんだった。
俺は「はい、申し訳ありません」と一応頭は下げたが、上司は苦々しい顔をしたまま、顎をしゃくって早く出ていけとばかりに俺を促した。
その後、俺は3日ばかり何とか酒を飲まずに仕事に行ったが、4日目に何もかもどうでもよくなって仕事に行くのをやめた。
有り金を持って酒を買いに行き、すぐ飲みたくて道端で飲み、貧民街の空き家に入り込んで眠りまた酒を飲み、何日経ったのだろう?日にちの感覚がもう無い。官舎にもずっと帰っていない。
靄もやの中の人達は、今や眠っていても起きていても俺から見えるところにいる。そして語りかけてくる。気が狂いそうだ ────いいや、もう狂ってるか。
初めて殺した敵国の帝国人は、武器を持っていなかった。(いや分からんぞ、非戦闘員のフリをした兵士かも…)戦争が終わってからも、その最初の帝国人の血まみれの姿が脳裏にこびりついて離れなかった。
木こりのような服装をした40代くらいの男だった。同じ隊の奴は『気にすんな』と言った。
だが、その時はフタをした感情も、後からこうやって生き返ってまた俺を苛む。
◆
ああ、多分俺は今日も酔っ払っている。有り金が無くなってきたから腕時計やブレスレットを売って現金に換えた。酒を買う為だ。
シラフでいることには耐えられない。酒の酩酊状態でいることに救いを求めていたのかもしれない。
俺は、肩でぶつかってきやがった金髪の坊主頭の兄ちゃんに難癖を付けて殴りかかった。
気に食わねえ。なにもかもが。ずっと俺から離れない靄も、目の前のこの兄ちゃんも。
「…靄がよ…追いかけてくんだよ…靄に追いつかれると…追いつかれちゃダメなんだよ…」
そいつを殴る。殴る。理由なんか無い。遥か昔に受けた軍事教練の時の教官の言葉が蘇る。
《お前たちは何者だ?答えろ!声が小さい!お前たちのしたい事はなんだ? 俺たちは答える、殺す! 聞こえんぞ! 殺す! 》
軍という組織におけるイカれた煽りの言葉の数々が今でも耳の奥に残っているような気がした。
そんなわけで俺はこの哀れな野郎をボコボコにタコ殴りしていた。
「うあああああーーーーっっ…!」
その時 突然、誰かの叫ぶ声がした。その声の主は俺に近づいてきて
「やめろ」と言った。
肩をぐいと掴まれる。そして俺に殴られていた男を無理に俺から引き剥がそうとする。なんだコイツ、邪魔すんなよ。
「あぁ?なんだてめえ…」
その男は、俺を見て驚き、目を見開いた。
「ーーーーオヤジ…?オヤジ、なの…か?」
へっ?いや俺たぶんすげえ酔っ払ってるとは思うけどよ、俺にはこんなデかい息子はいねえぞ。結婚して製造した覚えも、女から「あなたの息子よ認めて」って言われた覚えもねえ。
「はあ?なんだおめえ…知らねえよ 離せよ」
俺ははもじゃもじゃ男を振り払い、また目の前の金髪男を殴りつける。
「やめろ!いくらなんでもそんな小さな子を…」
────ん?「小さな子」?おかしなことを言いやがる…コイツは誰のことを言ってるんだ?なんだこのもじゃもじゃ野郎。
「やめろっつってんだろ!!!」
もじゃもじゃ男は叫ぶと、ショボいナイフを取り出した。刃がギラリと光る。ナリはショボいがすげえ研いでるナイフだな。そんな細かいことが妙に気になった。
しかし腰が引けてる。ふん。度胸はあるが実戦経験はねえか。
「…はっ そんなもん屁でもねえーーーー…随分とチャチなシロモンだなあ?おにーさんよぉ…」
「その子を殴るのを今すぐやめろ」
「ーーーそんな持ち方で刺せっかよ…へっぴり腰だなあ~ いいか、教えてやらあ、実戦じゃな、お前みたいな弱っちいやつが真っ先に敵に殺されるんだ」
ナイフを、どんな角度で突き立てると確実に殺やれるのか、教えてやろうか?ああ?このクソガキが……!
殴るのを中断された怒りが俺の全身を駆け巡る。
俺は金髪男の胸ぐらを掴んでいた手を離した。男は地面にドサリと倒れこむ。
そいつはもう起き上がれずぐったりしていた。
さて、このお子様のお相手をしようか。
「やめろ やめないと…」
「おーおー 刺してみろよ?ホラ、度胸があるならな?」
俺は両手を広げ、もじゃもじゃ野郎を挑発した。
一瞬だけ、ためらいがあった。しかしその後ナイフごと男が向かってきた。
「ぐうッッ…」
────っってええなおい…血管のドク、ドク、という音が耳の中で響く。刃物で刺されるとは、こういうことなのか。
もじゃもじゃ野郎と目が合う。感情の抜け落ちたような目。自分の感情を、凍らせた目。
──良くできました。坊や。上出来上出来。 ハハッ!不覚…こーんなに酔っ払っててよう……自分が軍人だった頃みてえに動けるなんて思ってなかったけど……アッサリ刺されてバカだな俺も。
眠れなくて、やっと眠れても黒い靄が追いかけてきて俺にくっついてきて…ああ、それももう終わるのか。
まあいいや…もうなにもかもどうでもいい…。
やっと眠れ…る…
◆
【ゴダードの命は尽きようとしていた。
その時ゴダードは見た。
黒い靄の中の人達が出てきて、ゴダードの周りを取り囲み、ただ静かに笑っていた。
ゴダードが殺したあの名も知らぬ帝国人のあの男も。ゴダードの両親も、戦争で死んでいった友も。
みな穏やかな顔でゴダードのそばにいた。彼の命が尽きるまで。】
◆
ゴダードが殺した帝国人までもが静かに笑っているのは変、というご意見もあろうかと思いますが
そもそもゴダードが『自分を恨んでいるに違いない』という罪悪感にさいなまれた末に見ていた幻影だったので、その幻影からやっと解放されたという描写です。
ーーーーー
お読みいただきありがとうございます。一応この作品は作者的には恋愛カテゴリー作品なのです…( ・∇・)
0
2月3日にアルファポリス様連載分を完結致しました。お読みいただいた皆様、お気に入り登録して下さった皆様、本当にありがとうございます!誠に勝手ながら作者都合で感想欄は閉じております。誤字脱字等が一部にあり大変申し訳ございません。随時直していきます。小説家になろう様にも投稿しております。 https://ncode.syosetu.com/n1893ha/アルファポリス様投稿分とは細部で違いがあります。大筋は変わりません。
お気に入りに追加
41
あなたにおすすめの小説
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中

【完結】人生で一番幸せになる日 ~『災い』だと虐げられた少女は、嫁ぎ先で冷血公爵様から溺愛されて強くなる~
八重
恋愛
【全32話+番外編】
「過去を、後ろを見るのはやめます。今を、そして私を大切に思ってくださっている皆さんのことを思いたい!」
伯爵家の長女シャルロッテ・ヴェーデルは、「生まれると災いをもたらす」と一族で信じられている『金色の目』を持つ少女。生まれたその日から、屋敷には入れてもらえず、父、母、妹にも虐げられて、一人ボロボロの「離れ」で暮らす。
ある日、シャルロッテに『冷血公爵』として知られるエルヴィン・アイヒベルク公爵から、なぜか婚約の申し込みがくる。家族は「災い」であるシャルロッテを追い出すのにちょうどいい口実ができたと、彼女を18歳の誕生日に嫁がせた。
しかし、『冷血公爵』とは裏腹なエルヴィンの優しく愛情深い素顔と婚約の理由を知り、シャルロッテは彼に恩返しするため努力していく。
そして、一族の中で信じられている『金色の目』の話には、実は続きがあって……。
マナーも愛も知らないシャルロッテが「夫のために役に立ちたい!」と努力を重ねて、幸せを掴むお話。
※引き下げにより、書籍版1、2巻の内容を一部改稿して投稿しております
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

第一王子は私(醜女姫)と婚姻解消したいらしい
麻竹
恋愛
第一王子は病に倒れた父王の命令で、隣国の第一王女と結婚させられることになっていた。
しかし第一王子には、幼馴染で将来を誓い合った恋人である侯爵令嬢がいた。
しかし父親である国王は、王子に「侯爵令嬢と、どうしても結婚したければ側妃にしろ」と突っぱねられてしまう。
第一王子は渋々この婚姻を承諾するのだが……しかし隣国から来た王女は、そんな王子の決断を後悔させるほどの人物だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる