25 / 52
事件①
しおりを挟む
毒矢騒動でトルーデ達の上官だったエプシュタイン氏が登場する話。
クラウス・エプシュタイン ⇨ 現在は軍犯罪捜査局の現場主任、リーダー。
※軍犯罪捜査局=軍関係の犯罪や事件などを捜査する機関。法執行機関の機能も併せ持つ。犯罪捜査権がある。
※ 一部、残酷表現があります。ご注意下さい。
次回、登場人物紹介を差し込みます。
*******
【◯月□日 二番街で殺人事件発生 2人の男の遺体が発見される】
・被害者その① ゴダード・ジッヒラー (35歳)職業:軍人。
ボサボサに伸ばした肩までの長めの茶色い髪にグレーの目。ヒゲ面。長身でガッチリした体型。
・午前9時ごろ裏路地で遺体が発見される。遺体発見者は、その近くの店舗の開店準備に出勤してきた食料品店の店長。
・ゴダードは、先の戦争が終結し王都に帰還後、新たに補給部隊に所属。1ヶ月前から無断欠勤を繰り返し行方不明になっていた。
=================
・被害者その② ヨアヒム・ユルゲンス (29歳)職業不詳。
明るい金髪、青い目。坊主頭に近い短髪。長身で痩せ細った身体。
・ゴダードの遺体から数メートル離れた場所で死んでいるところを発見される。顔と上半身に強く殴られたような痕が多数見受けられる。
ゴダードと同じく、食料品店の店長がこちらの遺体も発見。
=================
「あいたたた…」
軍犯罪捜査局の特別捜査官、クラウス・エプシュタインは痛む腰をさすりながら、遺体発見現場で唸っていた。
白髪が混じってきたツヤのない灰色の髪は後ろで無造作にひとつ束ねにしてある。
よれよれのスーツに、局の上っ張りを羽織っている。最近、下っ腹だけが出てきているのが悩み。
昨夜は職場で椅子に座ったまま寝入ってしまい首も腰も痛い。
せめて仮眠室のベッドで寝りゃあ良かった、とエプシュタインは後悔した。(仮眠室のベッドは硬いは硬いが机で寝るよりはマシだろう…。)
検死官のバルドリックが遺体を調べている間、エプシュタインは、部下のカスパーとパウリーネに近所の聞き込みに行くよう指示を出す。
被害者情報を確認する。
(さて被害者のゴダードは…っと、
帰還後、補給部隊に転属されて軍務に服して半年ほど、補給物資の仕入れ関係の業務に携わっていた、そして1ヶ月前から出勤せず…かー、居なくなる前は酒で問題、遅刻多数。ありゃりゃ)
検死官のバルドリック「主任、軍人のほうは刺殺の可能性が高いかと。もう1人はタコ殴りにされてたようですからおそらく内臓へのダメージも大きく顔を殴られて脳もーー」
(ゴダードおっさんのほうは出血もひでえな…)
「よっしゃ、調べ終わったらご遺体は氷魔法で凍らせてくれ」
「了解」
この世界、冷凍の代わりが氷魔法である。
死体袋に入れられた遺体が2人分。
(おまえさん達を殺ったのは誰だ?)
死体袋が閉められる。かつて生きていた人間だった肉体は、その問いに答えるはずもなく、もう二度と言葉を発することはない。
唐突ですが、殺人事件です。
ーーーーーー
お読みいただきありがとうございます。
クラウス・エプシュタイン ⇨ 現在は軍犯罪捜査局の現場主任、リーダー。
※軍犯罪捜査局=軍関係の犯罪や事件などを捜査する機関。法執行機関の機能も併せ持つ。犯罪捜査権がある。
※ 一部、残酷表現があります。ご注意下さい。
次回、登場人物紹介を差し込みます。
*******
【◯月□日 二番街で殺人事件発生 2人の男の遺体が発見される】
・被害者その① ゴダード・ジッヒラー (35歳)職業:軍人。
ボサボサに伸ばした肩までの長めの茶色い髪にグレーの目。ヒゲ面。長身でガッチリした体型。
・午前9時ごろ裏路地で遺体が発見される。遺体発見者は、その近くの店舗の開店準備に出勤してきた食料品店の店長。
・ゴダードは、先の戦争が終結し王都に帰還後、新たに補給部隊に所属。1ヶ月前から無断欠勤を繰り返し行方不明になっていた。
=================
・被害者その② ヨアヒム・ユルゲンス (29歳)職業不詳。
明るい金髪、青い目。坊主頭に近い短髪。長身で痩せ細った身体。
・ゴダードの遺体から数メートル離れた場所で死んでいるところを発見される。顔と上半身に強く殴られたような痕が多数見受けられる。
ゴダードと同じく、食料品店の店長がこちらの遺体も発見。
=================
「あいたたた…」
軍犯罪捜査局の特別捜査官、クラウス・エプシュタインは痛む腰をさすりながら、遺体発見現場で唸っていた。
白髪が混じってきたツヤのない灰色の髪は後ろで無造作にひとつ束ねにしてある。
よれよれのスーツに、局の上っ張りを羽織っている。最近、下っ腹だけが出てきているのが悩み。
昨夜は職場で椅子に座ったまま寝入ってしまい首も腰も痛い。
せめて仮眠室のベッドで寝りゃあ良かった、とエプシュタインは後悔した。(仮眠室のベッドは硬いは硬いが机で寝るよりはマシだろう…。)
検死官のバルドリックが遺体を調べている間、エプシュタインは、部下のカスパーとパウリーネに近所の聞き込みに行くよう指示を出す。
被害者情報を確認する。
(さて被害者のゴダードは…っと、
帰還後、補給部隊に転属されて軍務に服して半年ほど、補給物資の仕入れ関係の業務に携わっていた、そして1ヶ月前から出勤せず…かー、居なくなる前は酒で問題、遅刻多数。ありゃりゃ)
検死官のバルドリック「主任、軍人のほうは刺殺の可能性が高いかと。もう1人はタコ殴りにされてたようですからおそらく内臓へのダメージも大きく顔を殴られて脳もーー」
(ゴダードおっさんのほうは出血もひでえな…)
「よっしゃ、調べ終わったらご遺体は氷魔法で凍らせてくれ」
「了解」
この世界、冷凍の代わりが氷魔法である。
死体袋に入れられた遺体が2人分。
(おまえさん達を殺ったのは誰だ?)
死体袋が閉められる。かつて生きていた人間だった肉体は、その問いに答えるはずもなく、もう二度と言葉を発することはない。
唐突ですが、殺人事件です。
ーーーーーー
お読みいただきありがとうございます。
0
2月3日にアルファポリス様連載分を完結致しました。お読みいただいた皆様、お気に入り登録して下さった皆様、本当にありがとうございます!誠に勝手ながら作者都合で感想欄は閉じております。誤字脱字等が一部にあり大変申し訳ございません。随時直していきます。小説家になろう様にも投稿しております。 https://ncode.syosetu.com/n1893ha/アルファポリス様投稿分とは細部で違いがあります。大筋は変わりません。
お気に入りに追加
41
あなたにおすすめの小説

【完結】メンヘラ製造機の侯爵令息様は、愛のない結婚を望んでいる
当麻リコ
恋愛
美しすぎるがゆえに嫉妬で嘘の噂を流され、それを信じた婚約者に婚約を破棄され人間嫌いになっていたシェリル。
過ぎた美貌で近付く女性がメンヘラストーカー化するがゆえに女性不信になっていたエドガー。
恋愛至上の社交界から遠ざかりたい二人は、跡取りを残すためという利害の一致により、愛のない政略結婚をすることに決めた。
◇お互いに「自分を好きにならないから」という理由で結婚した相手を好きになってしまい、夫婦なのに想いを伝えられずにいる両片想いのお話です。
※やや同性愛表現があります。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中

【完結】人生で一番幸せになる日 ~『災い』だと虐げられた少女は、嫁ぎ先で冷血公爵様から溺愛されて強くなる~
八重
恋愛
【全32話+番外編】
「過去を、後ろを見るのはやめます。今を、そして私を大切に思ってくださっている皆さんのことを思いたい!」
伯爵家の長女シャルロッテ・ヴェーデルは、「生まれると災いをもたらす」と一族で信じられている『金色の目』を持つ少女。生まれたその日から、屋敷には入れてもらえず、父、母、妹にも虐げられて、一人ボロボロの「離れ」で暮らす。
ある日、シャルロッテに『冷血公爵』として知られるエルヴィン・アイヒベルク公爵から、なぜか婚約の申し込みがくる。家族は「災い」であるシャルロッテを追い出すのにちょうどいい口実ができたと、彼女を18歳の誕生日に嫁がせた。
しかし、『冷血公爵』とは裏腹なエルヴィンの優しく愛情深い素顔と婚約の理由を知り、シャルロッテは彼に恩返しするため努力していく。
そして、一族の中で信じられている『金色の目』の話には、実は続きがあって……。
マナーも愛も知らないシャルロッテが「夫のために役に立ちたい!」と努力を重ねて、幸せを掴むお話。
※引き下げにより、書籍版1、2巻の内容を一部改稿して投稿しております
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

第一王子は私(醜女姫)と婚姻解消したいらしい
麻竹
恋愛
第一王子は病に倒れた父王の命令で、隣国の第一王女と結婚させられることになっていた。
しかし第一王子には、幼馴染で将来を誓い合った恋人である侯爵令嬢がいた。
しかし父親である国王は、王子に「侯爵令嬢と、どうしても結婚したければ側妃にしろ」と突っぱねられてしまう。
第一王子は渋々この婚姻を承諾するのだが……しかし隣国から来た王女は、そんな王子の決断を後悔させるほどの人物だった。
「あなたの好きなひとを盗るつもりなんてなかった。どうか許して」と親友に謝られたけど、その男性は私の好きなひとではありません。まあいっか。
石河 翠
恋愛
真面目が取り柄のハリエットには、同い年の従姉妹エミリーがいる。母親同士の仲が悪く、二人は何かにつけ比較されてきた。
ある日招待されたお茶会にて、ハリエットは突然エミリーから謝られる。なんとエミリーは、ハリエットの好きなひとを盗ってしまったのだという。エミリーの母親は、ハリエットを出し抜けてご機嫌の様子。
ところが、紹介された男性はハリエットの好きなひととは全くの別人。しかもエミリーは勘違いしているわけではないらしい。そこでハリエットは伯母の誤解を解かないまま、エミリーの結婚式への出席を希望し……。
母親の束縛から逃れて初恋を叶えるしたたかなヒロインと恋人を溺愛する腹黒ヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:23852097)をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる