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ヤンデレ執着娘
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消えた男。探す関係者。解決篇です。
◆
結論から言うと。
ケストナー家の面々が大活躍して、事態は収束した。
ルディ坊の父親ガベーレは、婚約者のリオニー・ヴィーネの家に監禁されていた。
裕福な商家の大きな屋敷。奇跡的に、戦争中の爆撃を受けなかったというその屋敷の半地下のような場所に、色男ガベーレは監禁されていた。鉄格子こそないが、覗き窓付きの頑丈な扉に窓なし。
簡素なベッドのみ。
半地下牢、とでも言おうか。
エトムント、トルーデ、フランツ、ペーター、他『影』の数人とで一団になって
商談のテイで正体を隠して屋敷を訪問。
話をしてる間に、屋敷内を捜索。
=======
【救助の時】
※フランツ視点
◆
フランツ (うーん、なにか違うような… なんだろうこの違和感)
トルーデの無双ぶりがスゲ~カッコいいけどさ…。
半地下の仕置き部屋の頑丈な扉を、トルーデは腕に身体強化の魔法をかけて素手で開ける。バキッ
「中にいる人は危ないから後ろに下がっとけー」(いや聞こえないんじゃ…)
そのドアを脚で蹴って開ける(破壊する)。
あーあ… ヨソのおうちで暴れちゃいけませんってガッコで教わらなかったか?お嬢様…?
ここって言わば座敷牢みたいな監禁部屋みたいだし、まあ壊れても請求が来ない、か…??来ないことを祈る。
まるで勇者のごとく、救助に華麗に登場。うーむ なんだこの図…囚われのイケメンを、男装の美貌伯爵令嬢が助けに行く図ってのは。
しかもその両者に、なんの関係もないという…いや、関係はあるか。
【トルーデの内心(さあこれで解決だ そして二度と私達の前に ──…フランツの前に姿を現さないでくれ)】
トルーデは、ガベーレの襟首の後ろ部分をぐいと掴みまるで犬猫をつまみ上げるように持ち上げ気味に監禁部屋から引きずり出す。
首が服で締まるのが苦しいのか、色男ガベーレが喚く。
「痛い痛い!痛いですって!ぐえっ…」
「いいから さっさと出ろ」
あ、トルーデめっちゃ怒ってる。うん、アレは怒ってる…
=====
※ フランツ視点 (ケストナー家が調べた内容を教えてもらった後)
◆
監禁してたその婚約者のわがまま娘リオニー・ヴィーネってのがこれまたヤバそうな子でさ。
「ガベーレは返さない、ずっとここにいるの!私達愛し合ってるんだから!」だとよ。監禁しておきながら愛ですと。
まあ、要するに、貧乏男爵家の男が、カネで買われるようにして金持ち娘の婚約者になったはいいけど
戦争中に、その婚約者は人妻に手を出して行方をくらませた……と。
ラウターバッハ男爵家ってのは財政的に厳しくて、どうやら借金の肩代わりの代償に息子を差し出した形みたいなんだよな。
リオニーは跡取り娘じゃないから婿入りってわけでもなくて、ふたりが結婚した後はリオニーの父親の援助で外に家を構えてガベーレには商会の仕事をさせるつもりだったとか。
戦争のさなか、ヴィーネ一家で辺境のほうに疎開しなきゃならん都合もあって、父親のほうは正直、逃げた婚約者どころじゃなかったらしい。
だが娘はガベーレを諦めておらず、男爵家には「見つかったら2人を元通り結婚させたい」と伝えてあった。
そもそもガベーレが徴兵逃れ出来たのも、リオニーの父親のノルベルト・ヴィーネの尽力あってのことだったらしい。
あちこちに袖の下を掴ませて。
そして、今になって行方知れずだったガベーレから連絡が来た。「結婚したい女性がいる」と。
ガベーレが消えたことで、ヴィーネ家からの援助は望めず、ラウターバッハ家の借金問題は相変わらずだった。
男爵家は、息子には「許す」とかなんとか言ってとにかく家に来るように言い
その情報をヴィーネ家に知らせたってわけ。
リオニーは、婚約者が行方不明になってから、なんつーか、だいぶ不安定になってたっていうんだな。
リオニーはそれまで何度も恋愛もしてたみたいだが、そのどれもがうまくいかずに、病んでた。
ガベーレは、そんなわがまま娘が見初めた男だった。執着してたわけだ。
===============
で、久々に実家に現れたガベーレを待ち構えていたのが、リオニーと、従者とヴィーネ家の馬車。
「戻ってきてくれたのね!」←(人の話を聞いてない)…と、そりゃあもう強引に自分ちへ連れていった。
もう拉致だね。それは。そんであんな部屋に監禁してたんだから。なんであんな部屋が造られたかは、まあ知らぬが仏…。
父親としちゃ、可愛い娘の好きな男なら…ってんで、監禁もまあ黙認してた…?最悪な父親だな。
(『影』調べ)
◆
結論から言うと。
ケストナー家の面々が大活躍して、事態は収束した。
ルディ坊の父親ガベーレは、婚約者のリオニー・ヴィーネの家に監禁されていた。
裕福な商家の大きな屋敷。奇跡的に、戦争中の爆撃を受けなかったというその屋敷の半地下のような場所に、色男ガベーレは監禁されていた。鉄格子こそないが、覗き窓付きの頑丈な扉に窓なし。
簡素なベッドのみ。
半地下牢、とでも言おうか。
エトムント、トルーデ、フランツ、ペーター、他『影』の数人とで一団になって
商談のテイで正体を隠して屋敷を訪問。
話をしてる間に、屋敷内を捜索。
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【救助の時】
※フランツ視点
◆
フランツ (うーん、なにか違うような… なんだろうこの違和感)
トルーデの無双ぶりがスゲ~カッコいいけどさ…。
半地下の仕置き部屋の頑丈な扉を、トルーデは腕に身体強化の魔法をかけて素手で開ける。バキッ
「中にいる人は危ないから後ろに下がっとけー」(いや聞こえないんじゃ…)
そのドアを脚で蹴って開ける(破壊する)。
あーあ… ヨソのおうちで暴れちゃいけませんってガッコで教わらなかったか?お嬢様…?
ここって言わば座敷牢みたいな監禁部屋みたいだし、まあ壊れても請求が来ない、か…??来ないことを祈る。
まるで勇者のごとく、救助に華麗に登場。うーむ なんだこの図…囚われのイケメンを、男装の美貌伯爵令嬢が助けに行く図ってのは。
しかもその両者に、なんの関係もないという…いや、関係はあるか。
【トルーデの内心(さあこれで解決だ そして二度と私達の前に ──…フランツの前に姿を現さないでくれ)】
トルーデは、ガベーレの襟首の後ろ部分をぐいと掴みまるで犬猫をつまみ上げるように持ち上げ気味に監禁部屋から引きずり出す。
首が服で締まるのが苦しいのか、色男ガベーレが喚く。
「痛い痛い!痛いですって!ぐえっ…」
「いいから さっさと出ろ」
あ、トルーデめっちゃ怒ってる。うん、アレは怒ってる…
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※ フランツ視点 (ケストナー家が調べた内容を教えてもらった後)
◆
監禁してたその婚約者のわがまま娘リオニー・ヴィーネってのがこれまたヤバそうな子でさ。
「ガベーレは返さない、ずっとここにいるの!私達愛し合ってるんだから!」だとよ。監禁しておきながら愛ですと。
まあ、要するに、貧乏男爵家の男が、カネで買われるようにして金持ち娘の婚約者になったはいいけど
戦争中に、その婚約者は人妻に手を出して行方をくらませた……と。
ラウターバッハ男爵家ってのは財政的に厳しくて、どうやら借金の肩代わりの代償に息子を差し出した形みたいなんだよな。
リオニーは跡取り娘じゃないから婿入りってわけでもなくて、ふたりが結婚した後はリオニーの父親の援助で外に家を構えてガベーレには商会の仕事をさせるつもりだったとか。
戦争のさなか、ヴィーネ一家で辺境のほうに疎開しなきゃならん都合もあって、父親のほうは正直、逃げた婚約者どころじゃなかったらしい。
だが娘はガベーレを諦めておらず、男爵家には「見つかったら2人を元通り結婚させたい」と伝えてあった。
そもそもガベーレが徴兵逃れ出来たのも、リオニーの父親のノルベルト・ヴィーネの尽力あってのことだったらしい。
あちこちに袖の下を掴ませて。
そして、今になって行方知れずだったガベーレから連絡が来た。「結婚したい女性がいる」と。
ガベーレが消えたことで、ヴィーネ家からの援助は望めず、ラウターバッハ家の借金問題は相変わらずだった。
男爵家は、息子には「許す」とかなんとか言ってとにかく家に来るように言い
その情報をヴィーネ家に知らせたってわけ。
リオニーは、婚約者が行方不明になってから、なんつーか、だいぶ不安定になってたっていうんだな。
リオニーはそれまで何度も恋愛もしてたみたいだが、そのどれもがうまくいかずに、病んでた。
ガベーレは、そんなわがまま娘が見初めた男だった。執着してたわけだ。
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で、久々に実家に現れたガベーレを待ち構えていたのが、リオニーと、従者とヴィーネ家の馬車。
「戻ってきてくれたのね!」←(人の話を聞いてない)…と、そりゃあもう強引に自分ちへ連れていった。
もう拉致だね。それは。そんであんな部屋に監禁してたんだから。なんであんな部屋が造られたかは、まあ知らぬが仏…。
父親としちゃ、可愛い娘の好きな男なら…ってんで、監禁もまあ黙認してた…?最悪な父親だな。
(『影』調べ)
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