【完結】妻は知っていた

スコブル

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新たな出会いと悪い噂

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実家に帰ってから一年が経ったころ親戚に紹介されて、レストランの厨房の裏方の仕事に就いた。
 忙しくて大変だったけどそれなりに楽しかった。

 私は、そこである人から告白された。

 副料理長だ。30代前半だという彼は、不慣れな私にもいつも優しかった。

「好きだ 結婚を前提に付き合ってほしい」

 そのストレートな物言いに、胸がトクン…とした。 副料理長を、憎からず思っていた私は久々にときめいた。

 でも、そんな私のときめきはあっけなく崩れ去った。


「君、王都で妻子持ちの男と付き合ってたんだって?悪いけど、俺はそんな女とは真剣に付き合えない」

ああ、知られてしまったのね…
 彼は噂を聞き、噂の「裏どり」もしたようだった。そのことはいずれ打ち明けるつもりだったのに。

「厨房でも、もう俺に話しかけないでくれ」

 冷たく言い放った副料理長の目には、嫌悪と蔑みの色が浮かんでいた。

 私はそのレストランを辞めた。

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お読みいただきまして誠にありがとうございます。新たにざまぁ部分を加筆いたしました。お読みいただいた方、ブクマして下さった方、ありがとうございます。

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