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第三章 好きなのかもしれない
誤解
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オリンド国王長男負傷の報は、魔事室にも時を同じくしてもたらされた。ペアーノ室長は血相変えて飛び出していき、しばらくして戻ると、王子の傷は深く、失明されたようだとロザリア達に伝えた。
「そんな……」
ロザリアは言葉を失った。同僚達も仕事の手を止め、言葉もなく立ち尽くした。
オリンドの第一子である王子は弓の名手で聡明なことでも知られている。次期国王として申し分ないと評され、国民の期待も高い人物だ。
王位継承権を継ぐ直前での出来事だ。何か仄暗いものを感じたのはロザリアだけではなかっただろう。
「王位継承はどうなるんでしょうか、室長」
同僚の一人が聞いた。それはロザリアも他の同僚も皆がまっ先に考えたことだった。ペアーノ室長は、わからないけれどねと前置きし、
「過去にそのような方が王位についたことはないからね。憶測だけれど、王位を継ぐのは難しくなるかもしれない」
「そんな……」
痛ましい現実に、ロザリアは思わず声を上げた。
「そんな、……怪我くらいで、王位継承権を失うなんておかしいです」
「私もそう思うけれどね。今後のことは協議の末に決められるだろう。―――こんな状況だ。仕事の気分ではなくなっただろう。今日はもう終業にしよう」
ペアーノ室長はそう言うと再び慌ただしく魔事室を出ていった。
同僚達も仕事が手につかなくなり、三々五々帰途についた。
ロザリアも、まだ未分類の書類があったが机上を片付けると席を立った。今日はおそらく父のリベリオは対応のため家には帰らないだろう。
この先この国はどうなるのだろうか。
一介の男爵家の娘が憂えてもどうにもならないが、不穏な空気が燻っているような気がしてならない。
黒妖犬の襲撃、魔石の暴発、次は王子の失明……。
これらの向かう先に、ウバルド王弟殿下がちらつく。
ロザリアなりに、これまでの出来事で一番得をするのは誰なのだろうと考えた時、朧げながらウバルドの姿が浮かび上がった。
度重なる魔石の暴発で、王宮の魔石の管理体制に不安を抱く者が出てくること、一角獣狩りの大切な乙女が損なわれるようなことがあればそれを主導するオリンド国王への不満が出てくるだろうこと。
セストの言った、行き着く先が問題だという話。
これらを総合してみると、ウバルド王弟の姿が浮かんだ。
そしてまた王子が狙われた。
ウバルドの関与は確定的なのではないだろうか。
ただロザリアがいくら憶測したところでどうすることもできない。
魔事室の建物を出、中庭を横切った。美しく咲き乱れる花々も、今ばかりは悲しい色に見える。
先を急ぎかけて、ロザリアは足を止めた。ベンチにはベネデッタが腰掛けて、やって来たロザリアを待ち構えていた。目元が赤い。泣いていただろうことは容易に想像がついた。兄の失明に相当なショックを受けたのだろう。
ロザリアはなんと言葉をかければいいのかわからなかった。深く一礼して通り過ぎようとした。
が、「待ちなさいよ」と腕をつかまれた。ロザリアは逆らわず足を止めた。するといきなり頬を平手打ちされた。
突然のことにロザリアが呆然と頬を押さえてベネデッタを見ると、ベネデッタは「あなたの仕業ね」と吐き捨てた。
「え?」
一体何の話をしているのだろう。訳が分からない。打たれた頬がジンジンと痛む。
「あの、何のことでしょうか……」
「とぼけないで! お兄様のことよ。魔鳥を操って襲わせたでしょう!」
「え?」
一体全体どうしてそのような話になるのだろう。ロザリアは「違います!」と強く否定した。
「わたしにはそんな力ありません。第一魔力もないのに、魔鳥を操るだなんてできるはずありません」
「嘘おっしゃい! 神殿であなたを見た黒妖犬が大人しくなったのを、わたしこの目で見たのよ。あなたには、魔獣を操る何か特別な力があるのでしょう。とぼけても無駄よ。白状なさい!」
「そんな…、誤解です。わたしにはそんな力はありません」
「だったらどうしてあなたを見た黒妖犬が大人しくなったのよ。まるで、そう。あなたが黒妖犬を従えているように見えたわ。あの神殿の黒妖犬も、あなたが手引したんでしょう」
ロザリアは大きく頭を振った。
「まさか、違います。本当にわたしには何にも。神殿でのことだって、どうして黒妖犬が大人しくなったのかなんて、わたしにはわかりません」
ベネデッタのとんでもない誤解を、ロザリアは全力で否定した。王女の憶測一つでロザリアが糾弾されるとは思わないが、妙な勘繰りをされたままでは、そのうち家族にも迷惑が及ぶかもしれない。それは何としても避けたかった。
「信じてください。わたしには魔獣を操るだなんてことはできません。それに何より、王子殿下を傷つけるだなんてそんなこと、するはずがありません。乙女達だって、黒妖犬に襲わせて、わたしに何の得があるっていうんですか」
ロザリアが必死に言い募ると、ベネデッタは口元に薄ら笑いを浮かべた。
「だったら証明して見せなさいな。王宮に置かれた魔の森監視局の庁舎には、魔の森で捕らえた魔獣が飼われているのは知ってるわよね」
「……はい」
魔の森監視局の拠点は魔の森にある砦が中心だが、王宮にも出先機関として庁舎が置かれている。そこでは、生態や弱点などを調べるため魔獣が飼われている。ロザリアはもちろん見たことはないが、話では知っていた。
嫌な予感しかしない。
ベネデッタは更にロザリアの腕を引いた。
「あなたを魔獣の檻に放り込んでやる。そうすれば、わたしの言っていることが正しいとわかるはずだわ。来なさい!」
ロザリアは息をのんだ。魔獣を従える力などないことは、ロザリア自身が一番よく知っている。魔獣の檻になど放り込まれたら、生きては帰れない。
「……そんな。お許しください…。わたし、わたしにはそんなことできません…。信じてください…」
「それを身をもって証明すればいいだけのことよ。死にたくなければ魔獣を抑え込んでみせなさい。ああ、でもそうね―――」
ベネデッタはくるりと振り返り、薄っすらと笑った。
「あなたに魔獣を従える力がなければ、魔獣にやられちゃうわね。大丈夫。そんな顔しなくてもよくてよ。ちゃんと腕の立つ魔法士に見張らせて、致命傷を与えられる前に助けてあげるから。でもちょーっとは体とか顔とか、傷が残るかもね。セストが醜いって思うくらいのね。―――ほらさっさと歩きなさい。王女の命令よ」
「……はい」
ベネデッタに再び強く腕を引かれ、ロザリアは絶望的な気分で足を踏み出した。王女だからといってとんでもない横暴だが、身分下のロザリアには歯向かう術がない。何かいい策はないかと考えを巡らせようとしたが、黒妖犬のよだれ滴る赤黒い口に鋭い牙を間近で見、腕を裂かれた記憶が蘇り、恐怖が先に立って上手い案は思い浮かばない。
魔の森監視局の庁舎は、魔事室とは正反対の場所にあり、かなりの距離があったはずだが、なんの解決策も見いだせぬまま、あっという間に着いた。
話を通していたのか、ベネデッタは魔法士の一人に声をかけ、ロザリアを引っ張ったままさっさと建物の地下へと降りていく。
階段を降りるに従い、鎖のかちゃかちゃ鳴る音、檻にぶつかる激しい音、ウーっと獣の唸る声が聞こえてくる。先導していた魔法士は、「この檻です」といくつも並んだ檻の一つの前で立ち止まった。そこにいたのは禍々しいほど黒い毛並みをした一頭の黒妖犬だった。
魔法士は一旦は檻の鍵に手をかけたが、恐る恐る振り返った。
「しかしあの、ベネデッタ王女……。本当になさるおつもりなのですか? こいつは黒妖犬の中でも特に凶暴で、気性の荒い奴なんですが…」
そしてちらりとロザリアを見下ろす。その顔には、どう見てもロザリアには魔獣を従える能力などなく、噛み裂かれるだけだろうと顔に書いてある。
哀れなものを見るようにロザリアを見ている。
実際の黒妖犬を見てベネデッタが考えを変えてくれないか。ロザリアは僅かな期待を抱いたがベネデッタは、
「確かめてみないとわたしの気がすまないの。それにもしかしたら本当に魔獣を抑え込むかもしれないわよ、その子」
「そんなまさか……。こう申しては何ですが、とてもそんな力のある方には見受けられません。魔力も全く感じませんし、何かの間違いなのでは?」
「間違いだったらそれでいいじゃない。それを確かめるのよ」
「ですがそれなら何も檻の中に入らずとも、外から黒妖犬に見せればそれでいいのでは?」
「くどいわ。危機感を感じなければ、力を発揮しないかもしれないじゃない。さっさとなさい」
「……はぁ」
魔法士は渋々といった感で頷いた。気は進まないが、それ以上は逆らえなかったのだろう。ベネデッタに促されるままに檻の鍵に手をかけた。
「そんな……」
ロザリアは言葉を失った。同僚達も仕事の手を止め、言葉もなく立ち尽くした。
オリンドの第一子である王子は弓の名手で聡明なことでも知られている。次期国王として申し分ないと評され、国民の期待も高い人物だ。
王位継承権を継ぐ直前での出来事だ。何か仄暗いものを感じたのはロザリアだけではなかっただろう。
「王位継承はどうなるんでしょうか、室長」
同僚の一人が聞いた。それはロザリアも他の同僚も皆がまっ先に考えたことだった。ペアーノ室長は、わからないけれどねと前置きし、
「過去にそのような方が王位についたことはないからね。憶測だけれど、王位を継ぐのは難しくなるかもしれない」
「そんな……」
痛ましい現実に、ロザリアは思わず声を上げた。
「そんな、……怪我くらいで、王位継承権を失うなんておかしいです」
「私もそう思うけれどね。今後のことは協議の末に決められるだろう。―――こんな状況だ。仕事の気分ではなくなっただろう。今日はもう終業にしよう」
ペアーノ室長はそう言うと再び慌ただしく魔事室を出ていった。
同僚達も仕事が手につかなくなり、三々五々帰途についた。
ロザリアも、まだ未分類の書類があったが机上を片付けると席を立った。今日はおそらく父のリベリオは対応のため家には帰らないだろう。
この先この国はどうなるのだろうか。
一介の男爵家の娘が憂えてもどうにもならないが、不穏な空気が燻っているような気がしてならない。
黒妖犬の襲撃、魔石の暴発、次は王子の失明……。
これらの向かう先に、ウバルド王弟殿下がちらつく。
ロザリアなりに、これまでの出来事で一番得をするのは誰なのだろうと考えた時、朧げながらウバルドの姿が浮かび上がった。
度重なる魔石の暴発で、王宮の魔石の管理体制に不安を抱く者が出てくること、一角獣狩りの大切な乙女が損なわれるようなことがあればそれを主導するオリンド国王への不満が出てくるだろうこと。
セストの言った、行き着く先が問題だという話。
これらを総合してみると、ウバルド王弟の姿が浮かんだ。
そしてまた王子が狙われた。
ウバルドの関与は確定的なのではないだろうか。
ただロザリアがいくら憶測したところでどうすることもできない。
魔事室の建物を出、中庭を横切った。美しく咲き乱れる花々も、今ばかりは悲しい色に見える。
先を急ぎかけて、ロザリアは足を止めた。ベンチにはベネデッタが腰掛けて、やって来たロザリアを待ち構えていた。目元が赤い。泣いていただろうことは容易に想像がついた。兄の失明に相当なショックを受けたのだろう。
ロザリアはなんと言葉をかければいいのかわからなかった。深く一礼して通り過ぎようとした。
が、「待ちなさいよ」と腕をつかまれた。ロザリアは逆らわず足を止めた。するといきなり頬を平手打ちされた。
突然のことにロザリアが呆然と頬を押さえてベネデッタを見ると、ベネデッタは「あなたの仕業ね」と吐き捨てた。
「え?」
一体何の話をしているのだろう。訳が分からない。打たれた頬がジンジンと痛む。
「あの、何のことでしょうか……」
「とぼけないで! お兄様のことよ。魔鳥を操って襲わせたでしょう!」
「え?」
一体全体どうしてそのような話になるのだろう。ロザリアは「違います!」と強く否定した。
「わたしにはそんな力ありません。第一魔力もないのに、魔鳥を操るだなんてできるはずありません」
「嘘おっしゃい! 神殿であなたを見た黒妖犬が大人しくなったのを、わたしこの目で見たのよ。あなたには、魔獣を操る何か特別な力があるのでしょう。とぼけても無駄よ。白状なさい!」
「そんな…、誤解です。わたしにはそんな力はありません」
「だったらどうしてあなたを見た黒妖犬が大人しくなったのよ。まるで、そう。あなたが黒妖犬を従えているように見えたわ。あの神殿の黒妖犬も、あなたが手引したんでしょう」
ロザリアは大きく頭を振った。
「まさか、違います。本当にわたしには何にも。神殿でのことだって、どうして黒妖犬が大人しくなったのかなんて、わたしにはわかりません」
ベネデッタのとんでもない誤解を、ロザリアは全力で否定した。王女の憶測一つでロザリアが糾弾されるとは思わないが、妙な勘繰りをされたままでは、そのうち家族にも迷惑が及ぶかもしれない。それは何としても避けたかった。
「信じてください。わたしには魔獣を操るだなんてことはできません。それに何より、王子殿下を傷つけるだなんてそんなこと、するはずがありません。乙女達だって、黒妖犬に襲わせて、わたしに何の得があるっていうんですか」
ロザリアが必死に言い募ると、ベネデッタは口元に薄ら笑いを浮かべた。
「だったら証明して見せなさいな。王宮に置かれた魔の森監視局の庁舎には、魔の森で捕らえた魔獣が飼われているのは知ってるわよね」
「……はい」
魔の森監視局の拠点は魔の森にある砦が中心だが、王宮にも出先機関として庁舎が置かれている。そこでは、生態や弱点などを調べるため魔獣が飼われている。ロザリアはもちろん見たことはないが、話では知っていた。
嫌な予感しかしない。
ベネデッタは更にロザリアの腕を引いた。
「あなたを魔獣の檻に放り込んでやる。そうすれば、わたしの言っていることが正しいとわかるはずだわ。来なさい!」
ロザリアは息をのんだ。魔獣を従える力などないことは、ロザリア自身が一番よく知っている。魔獣の檻になど放り込まれたら、生きては帰れない。
「……そんな。お許しください…。わたし、わたしにはそんなことできません…。信じてください…」
「それを身をもって証明すればいいだけのことよ。死にたくなければ魔獣を抑え込んでみせなさい。ああ、でもそうね―――」
ベネデッタはくるりと振り返り、薄っすらと笑った。
「あなたに魔獣を従える力がなければ、魔獣にやられちゃうわね。大丈夫。そんな顔しなくてもよくてよ。ちゃんと腕の立つ魔法士に見張らせて、致命傷を与えられる前に助けてあげるから。でもちょーっとは体とか顔とか、傷が残るかもね。セストが醜いって思うくらいのね。―――ほらさっさと歩きなさい。王女の命令よ」
「……はい」
ベネデッタに再び強く腕を引かれ、ロザリアは絶望的な気分で足を踏み出した。王女だからといってとんでもない横暴だが、身分下のロザリアには歯向かう術がない。何かいい策はないかと考えを巡らせようとしたが、黒妖犬のよだれ滴る赤黒い口に鋭い牙を間近で見、腕を裂かれた記憶が蘇り、恐怖が先に立って上手い案は思い浮かばない。
魔の森監視局の庁舎は、魔事室とは正反対の場所にあり、かなりの距離があったはずだが、なんの解決策も見いだせぬまま、あっという間に着いた。
話を通していたのか、ベネデッタは魔法士の一人に声をかけ、ロザリアを引っ張ったままさっさと建物の地下へと降りていく。
階段を降りるに従い、鎖のかちゃかちゃ鳴る音、檻にぶつかる激しい音、ウーっと獣の唸る声が聞こえてくる。先導していた魔法士は、「この檻です」といくつも並んだ檻の一つの前で立ち止まった。そこにいたのは禍々しいほど黒い毛並みをした一頭の黒妖犬だった。
魔法士は一旦は檻の鍵に手をかけたが、恐る恐る振り返った。
「しかしあの、ベネデッタ王女……。本当になさるおつもりなのですか? こいつは黒妖犬の中でも特に凶暴で、気性の荒い奴なんですが…」
そしてちらりとロザリアを見下ろす。その顔には、どう見てもロザリアには魔獣を従える能力などなく、噛み裂かれるだけだろうと顔に書いてある。
哀れなものを見るようにロザリアを見ている。
実際の黒妖犬を見てベネデッタが考えを変えてくれないか。ロザリアは僅かな期待を抱いたがベネデッタは、
「確かめてみないとわたしの気がすまないの。それにもしかしたら本当に魔獣を抑え込むかもしれないわよ、その子」
「そんなまさか……。こう申しては何ですが、とてもそんな力のある方には見受けられません。魔力も全く感じませんし、何かの間違いなのでは?」
「間違いだったらそれでいいじゃない。それを確かめるのよ」
「ですがそれなら何も檻の中に入らずとも、外から黒妖犬に見せればそれでいいのでは?」
「くどいわ。危機感を感じなければ、力を発揮しないかもしれないじゃない。さっさとなさい」
「……はぁ」
魔法士は渋々といった感で頷いた。気は進まないが、それ以上は逆らえなかったのだろう。ベネデッタに促されるままに檻の鍵に手をかけた。
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