68 / 99
第三章
白の神官ニクラス
しおりを挟む
ヨハンナと市場に来ても、ヨハンナから何かを欲しいとねだられることはないとわかっていた。
だからアランは、近頃ナーバーで人気だという色とりどりの飴を扱う店へとヨハンナを連れてきた。
安価なものだし選びやすいかと思ったが、ヨハンナはなかなか手を出そうとしない。
それでも子龍への土産だと言ってやると、ようやく嬉しそうに飴を選びだした。
一緒に行くと言ったセキとコクには、二人きりで出かけたいのだと言って遠慮してもらった。
絶対一緒に行きたいと喚いていた二人だが、アランがそう言うと、あっさり前言を撤回し、それならばと厨房へかけていったので、甘い菓子でも所望しにいったのだろう。
ヨハンナと共に楽しい時を過ごし広場に戻ると、広場には人だかりができていた。
噴水を背にして立つ人物に大勢の人が群がっている。たくさんの人がいても一際目立つ容姿。何もかもが白い、白の神殿の神官、ニクラスだった。
ニクラスは差し出される人々の手を一人一人、丁寧にしっかりと握り、頭を垂れる人々の頭にそっと手をかざす。
ニクラスと握手し、祝福を受けた人々は歓喜し、中には涙まで流している人もいる。
そばには軍服を着、徽章をつけた兵も立ち警護をしている。
「なんだか物々しいね」
ヨハンナはその光景が珍しいのだろう。
「神殿の布教活動だよ。ニクラス神官はあの通りの容姿だから白龍の化身だって言われてて信者も多いんだ」
アランが説明してやると、ヨハンナは「……そうなんだ」と頷く。
人の流れにはぐれないよう、アランはヨハンナの腰をしっかりと抱き寄せた。
警護兵の中にマシュー・オルブライトの姿がある。
本来なら町中の警護は、一部隊を率いる部隊長の仕事ではない。
兄のブライアンによると彼は熱心な白の神殿の信者であるそうだから、自らかって出たのだろう。
マシューはべったりとニクラスに張り付いている。
周囲に鋭く視線を走らせていたが、自分に向けられているアランの姿に気が付き、敬礼の姿勢をとった。
そのしぐさに横にいたニクラスもアランに気が付き、軽く頭を下げ、こちらに歩いてくる。
それに従ってニクラスを取り囲む群衆も一緒にこちらへ移動してきて、あっという間にアランとヨハンナは群衆に取り囲まれた。
ヨハンナは急に大勢の人の輪に入り驚いたのだろう。不安そうにアランの服の裾を握りしめてくる。
「アラン殿下にヨハンナ様。このようなところでお会いするとは奇遇ですね」
ニクラスは群衆を引き連れていても気にした様子はない。まるで周りに誰もいないかのようにアランとヨハンナへ話しかけてきた。
「大層な人出だな。近頃は白の信者が増えていると聞くぞ」
「ありがとうございます、アラン殿下。お陰様でたくさんの方にこうして白龍の加護を授けることができています。ヨハンナ様へも、白の加護がありますように」
ニクラスがアランにしがみついているヨハンナの頭に手をかざす。
とたん、群衆がどよめいた。
「緑龍さまだ……」
「緑龍さまと白龍さまがご一緒におられる……」
ヨハンナのエメラルドの髪と瞳を見た群衆が、ヨハンナを緑龍の化身だとざわめき出した。
「緑龍さま! 我らにもご加護を!」
群衆の一人が声を上げると、一斉に声は広がり、四方八方からヨハンナに触れようと手が伸びてくる。
ヨハンナは怯えてアランの胸にしがみついたが、手は容赦なく伸びてきてヨハンナの頭や背、腰へと触れてくる。
「やめろ! ヨハンナが怖がっている。よせ!」
アランは両腕にヨハンナを囲ったが防ぎきれるものではない。
アランの制止の声も誰も聞いていない。
アランについて来ていた護衛も、これだけ大勢の群衆に取り囲まれればどうしようもない。危害を加えてくるわけではないので、周囲に視線を配りながらも動けないでいる。
無理に群衆を抜け出そうとするも、それもかなわない。
そのうち、後ろの方にいた群衆が我先にと前へと強引に割り込み、人の波が崩れた。
あっと思ったときには数人の人がアランとヨハンナの方へ倒れこんできた。
アランはなんとか耐えたが、弾みでアランの腕から飛び出したヨハンナが膝をつく。
そこへも人がわっと押し寄せ、またたく間にヨハンナの姿は群衆に埋もれた。
「ヨハンナ! どこだ!」
アランは人をかき分け、ヨハンナの倒れた辺りへと突っ込んだ。
けれどヨハンナがさきほど倒れた場所には見慣れたエメラルドの姿がなく、ただ人だかりがあるだけだ。
「ヨハンナ?」
アランはすばやく周囲に視線を飛ばした。
ヨハンナのエメラルドの色は目立つ。
様々な人種の集まるナーバーでも一際鮮やかな色だ。
アランは群衆を抜けた先に、その髪色を見つけた。
側には白の神官服を着たニクラスがいて、ヨハンナの手を引いている。
あれだけの群衆を一体どうやってひとっ飛びに抜け出したのか。
不思議だった。
ヨハンナはふらふらとした足取りで、ニクラスに引かれるままに広場を横切っていく。
「ヨハンナ!」
アランは声を上げたが、人波のざわめきで届きそうにない。
「どいてくれっ!」
アランは群衆を強引にかけ分けた。ヨハンナを連れていない一人身なら、少々の無茶は慣れている。
群衆をかけ分けかき分け飛び出すと、広場から離れていこうとしているヨハンナの手を掴んだ。
「ヨハンナ、大丈夫か?」
「あ……。……?」
ヨハンナはどこかぼうっとした表情をしていた。
ニクラスはアランの姿を認めると、ヨハンナの手を離した。
「アラン殿下。大変な群衆でしたね。すみません、私のせいでヨハンナ様を危険な目にあわせてしまいました。ひとまず人のいない安全な場所にお連れしようかと思ったのです」
アランはニクラスからヨハンナを取り返すと、ニクラスをにらみつけた。
「こうなることは予測がついたのではないのか? 上手く群衆を先導し、俺からヨハンナを離れさせるつもりだったのか?」
「そんな滅相もない。このようなことになるとは、思いもしませんでした。私はただ、安全な場所へとお連れしようと」
ニクラスはおろおろした様子でアランを見てくる。
他意はなかったのかわからないが、アランは「もうよい」と話を切り上げ、周りを変わらず護衛が取り囲んでいることを確かめ、いまだぼぅっとしたままのヨハンナを抱き上げた。
「屋敷に戻るぞ」
護衛の一人に告げ、馬車を待たせている場所へと向かった。
だからアランは、近頃ナーバーで人気だという色とりどりの飴を扱う店へとヨハンナを連れてきた。
安価なものだし選びやすいかと思ったが、ヨハンナはなかなか手を出そうとしない。
それでも子龍への土産だと言ってやると、ようやく嬉しそうに飴を選びだした。
一緒に行くと言ったセキとコクには、二人きりで出かけたいのだと言って遠慮してもらった。
絶対一緒に行きたいと喚いていた二人だが、アランがそう言うと、あっさり前言を撤回し、それならばと厨房へかけていったので、甘い菓子でも所望しにいったのだろう。
ヨハンナと共に楽しい時を過ごし広場に戻ると、広場には人だかりができていた。
噴水を背にして立つ人物に大勢の人が群がっている。たくさんの人がいても一際目立つ容姿。何もかもが白い、白の神殿の神官、ニクラスだった。
ニクラスは差し出される人々の手を一人一人、丁寧にしっかりと握り、頭を垂れる人々の頭にそっと手をかざす。
ニクラスと握手し、祝福を受けた人々は歓喜し、中には涙まで流している人もいる。
そばには軍服を着、徽章をつけた兵も立ち警護をしている。
「なんだか物々しいね」
ヨハンナはその光景が珍しいのだろう。
「神殿の布教活動だよ。ニクラス神官はあの通りの容姿だから白龍の化身だって言われてて信者も多いんだ」
アランが説明してやると、ヨハンナは「……そうなんだ」と頷く。
人の流れにはぐれないよう、アランはヨハンナの腰をしっかりと抱き寄せた。
警護兵の中にマシュー・オルブライトの姿がある。
本来なら町中の警護は、一部隊を率いる部隊長の仕事ではない。
兄のブライアンによると彼は熱心な白の神殿の信者であるそうだから、自らかって出たのだろう。
マシューはべったりとニクラスに張り付いている。
周囲に鋭く視線を走らせていたが、自分に向けられているアランの姿に気が付き、敬礼の姿勢をとった。
そのしぐさに横にいたニクラスもアランに気が付き、軽く頭を下げ、こちらに歩いてくる。
それに従ってニクラスを取り囲む群衆も一緒にこちらへ移動してきて、あっという間にアランとヨハンナは群衆に取り囲まれた。
ヨハンナは急に大勢の人の輪に入り驚いたのだろう。不安そうにアランの服の裾を握りしめてくる。
「アラン殿下にヨハンナ様。このようなところでお会いするとは奇遇ですね」
ニクラスは群衆を引き連れていても気にした様子はない。まるで周りに誰もいないかのようにアランとヨハンナへ話しかけてきた。
「大層な人出だな。近頃は白の信者が増えていると聞くぞ」
「ありがとうございます、アラン殿下。お陰様でたくさんの方にこうして白龍の加護を授けることができています。ヨハンナ様へも、白の加護がありますように」
ニクラスがアランにしがみついているヨハンナの頭に手をかざす。
とたん、群衆がどよめいた。
「緑龍さまだ……」
「緑龍さまと白龍さまがご一緒におられる……」
ヨハンナのエメラルドの髪と瞳を見た群衆が、ヨハンナを緑龍の化身だとざわめき出した。
「緑龍さま! 我らにもご加護を!」
群衆の一人が声を上げると、一斉に声は広がり、四方八方からヨハンナに触れようと手が伸びてくる。
ヨハンナは怯えてアランの胸にしがみついたが、手は容赦なく伸びてきてヨハンナの頭や背、腰へと触れてくる。
「やめろ! ヨハンナが怖がっている。よせ!」
アランは両腕にヨハンナを囲ったが防ぎきれるものではない。
アランの制止の声も誰も聞いていない。
アランについて来ていた護衛も、これだけ大勢の群衆に取り囲まれればどうしようもない。危害を加えてくるわけではないので、周囲に視線を配りながらも動けないでいる。
無理に群衆を抜け出そうとするも、それもかなわない。
そのうち、後ろの方にいた群衆が我先にと前へと強引に割り込み、人の波が崩れた。
あっと思ったときには数人の人がアランとヨハンナの方へ倒れこんできた。
アランはなんとか耐えたが、弾みでアランの腕から飛び出したヨハンナが膝をつく。
そこへも人がわっと押し寄せ、またたく間にヨハンナの姿は群衆に埋もれた。
「ヨハンナ! どこだ!」
アランは人をかき分け、ヨハンナの倒れた辺りへと突っ込んだ。
けれどヨハンナがさきほど倒れた場所には見慣れたエメラルドの姿がなく、ただ人だかりがあるだけだ。
「ヨハンナ?」
アランはすばやく周囲に視線を飛ばした。
ヨハンナのエメラルドの色は目立つ。
様々な人種の集まるナーバーでも一際鮮やかな色だ。
アランは群衆を抜けた先に、その髪色を見つけた。
側には白の神官服を着たニクラスがいて、ヨハンナの手を引いている。
あれだけの群衆を一体どうやってひとっ飛びに抜け出したのか。
不思議だった。
ヨハンナはふらふらとした足取りで、ニクラスに引かれるままに広場を横切っていく。
「ヨハンナ!」
アランは声を上げたが、人波のざわめきで届きそうにない。
「どいてくれっ!」
アランは群衆を強引にかけ分けた。ヨハンナを連れていない一人身なら、少々の無茶は慣れている。
群衆をかけ分けかき分け飛び出すと、広場から離れていこうとしているヨハンナの手を掴んだ。
「ヨハンナ、大丈夫か?」
「あ……。……?」
ヨハンナはどこかぼうっとした表情をしていた。
ニクラスはアランの姿を認めると、ヨハンナの手を離した。
「アラン殿下。大変な群衆でしたね。すみません、私のせいでヨハンナ様を危険な目にあわせてしまいました。ひとまず人のいない安全な場所にお連れしようかと思ったのです」
アランはニクラスからヨハンナを取り返すと、ニクラスをにらみつけた。
「こうなることは予測がついたのではないのか? 上手く群衆を先導し、俺からヨハンナを離れさせるつもりだったのか?」
「そんな滅相もない。このようなことになるとは、思いもしませんでした。私はただ、安全な場所へとお連れしようと」
ニクラスはおろおろした様子でアランを見てくる。
他意はなかったのかわからないが、アランは「もうよい」と話を切り上げ、周りを変わらず護衛が取り囲んでいることを確かめ、いまだぼぅっとしたままのヨハンナを抱き上げた。
「屋敷に戻るぞ」
護衛の一人に告げ、馬車を待たせている場所へと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
『階段対策会議(※恋愛)――年上騎士団長の健康管理が過剰です』
星乃和花
恋愛
【完結済:全9話】
経理兼給仕のクラリスは、騎士団で働くただの事務員――のはずだった。
なのに、年上で情緒に欠ける騎士団長グラントにある日突然こう言われる。
「君は転倒する可能性がある。――健康管理対象にする」
階段対策会議、動線の変更、手をつなぐのは転倒防止、ストール支給は防寒対策。
全部合理的、全部正しい。……正しいはずなのに!
「頬が赤い。必要だ」
「君を、大事にしたい」
真顔で“強い言葉”を投下してくる団長に、乙女心を隠すクラリスの心拍数は業務超過。
さらに副団長ローレンは胃薬片手に「恋は会議にするな!!」と絶叫中!?
これは健康管理?それとも恋愛?
――答え合わせの前に、まず“階段(概念)“をご確認ください。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~
双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。
なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。
※小説家になろうでも掲載中。
※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる