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第六章
戻ってきた日常
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ドリカは予定の一週間を超え、二週間ほどフルン家に滞在し、モント領内を去った。
その知らせをコーバスから受け取って更に二週間。夏の盛りを迎える頃、ようやくルカは久しぶりに屋敷の外へ出た。
「やぁ、ルカ。今日から朝の散歩を再開するのかい?」
ユリウスに連れられ、ポポを肩に乗せて屋敷の外へ出るとボブが馬の口を引きながら声をかけてきた。
「うん。もういいだろうって、ユリウスが」
「よかったね。今朝は清々しい朝だ。散歩にはもってこいの朝だよ」
「行ってきます。ボブ。カレル」
見送りに出てきたカレルにも手を振り、ルカはユリウスと久しぶりの林へと踏み入った。
約四週間ぶりの林だ。木々の緑は濃さを増し、射し込んでくる陽光が眩しい。朝とはいえ少し歩くと汗ばむほどだ。しばらく外に出ていなかったからか。川岸につく前にルカの息はあがってきた。
「ほらルカ。来い。疲れたろう」
ユリウスが手を差し出すのでルカは自分の体をくんくん嗅いだ。
「汗くさいよ?」
「構わん。全く気にならんぞ」
ユリウスはルカを抱き上げると首筋に鼻を寄せて言う。ルカはユリウスの顔を引き剥がした。
「だめだよ。ほんとに汗かいてるから。ひゃっ」
ユリウスの顔を剥がしたとたん、バランスを崩した。小さく悲鳴を上げて、ルカは慌ててユリウスの首に抱きついた。ポポが、キュルっと鳴いてユリウスの頭へ飛び移った。
「危ないぞ。ちゃんとつかまってろ。全く気にならんから安心しろ」
「……うん」
ルカはいつものようにユリウスの首に抱きついた。体勢が安定したのを見計らったように、ポポがルカの肩へ戻ってくる。
川岸にはクライドがいて、ルカの姿に目を細めた。
「お久しぶりにございます、ルカ殿。体調はもうよろしいのですか?」
朝の散歩に来なくなったルカは、体調不良ということになっていた。
「はい。もう大丈夫です」
話を合わせて答えると、クライドは心底安心したように息をついた。
クライドとエミーが婚約の果てに別れたことはリサから聞いていた。あの日、エミーが屋敷に来てからまもなくのことだ。なぜ婚約を破棄するに至ったか。詳しい経緯をルカは知らないが、未来を描いていたものがついえることは寂しいことだ。でもクライドは元気そうで、ルカはよかったと思った。いつもにこやかに話しかけてくれるこの青年が、もし心を痛めているならかわいそうだ。
せめて元気が出るようにと、ルカはにこりと笑みを返した。
ユリウスはそのあと足を伸ばし、ディック達の小屋にも連れて行ってくれた。フォリス以外の者は、ユリウスの屋敷の出入りを禁止されていたので、希少種のみんなに会うのは久しぶりだ。
「よお! ルカ」
ディックは小屋の外で何やら製作中で、ルカとユリウスの姿を見つけると片手をあげた。
「久しぶりだな、ルカ」
ディックは木片を集めて釘で打ち付けている。以前よりも日に焼けている。
「何作ってるの?」
聞くとディックは、肩までまくった袖口で額の汗を拭って答えた。
「生まれてくる赤ん坊の椅子だよ。フォリスはまだ早いって言うんだけどな。ほら。生まれたら忙しくなるだろう? だから今のうちにな」
ディックは嬉しさを隠しきれない様子だ。
「フォリスは? 小屋にいるの?」
「ああ。あんま体調がよくなくてな。昨日から吐いてばっかなんだ」
「つわりか?」
つわりというのが、子供のできた者に起こる吐き気などの症状を言う言葉だということはリサから聞いた。
ユリウスがディックに尋ねると、ディックは「たぶんな」と心配そうに小屋を見上げた。
「昨日から特にひどくてな。俺はどうしてやることもできないから」
「気になるようならフォリスを屋敷に連れてこい。しばらく屋敷で預かってもいいしな。ノルデンがいるから、フォリスも心強いだろう」
ユリウスの提案に、ディックは「そうさせてもらうよ」と頷いた。
肩のポポが、注意をうながすようにキキっと鳴いた。後ろを振り返ると金髪のラウがいて、こちらを見ていた。
「ラウ! 元気だった?」
ルカが声をかけると、ラウは茂みをかき分けこちらに歩いてくると、ルカに笑いかけた。
「やぁ、ルカ。今日から散歩を再開したのかい?」
「うん。ユリウスがもういいだろうって」
「それはよかった。あのさ、ルカ。ちょっと僕の小屋に来ない? ルカのためにエルセの実をとってあるんだ」
「わぁ。うれしい。ユリウス、行ってきていい?」
ユリウスにお伺いを立てると、ユリウスはルカをおろしてくれた。
「ああ。行っといで。ここで待ってる」
「うん」
ラウの小屋は、ディック達の小屋の裏手にある。他の小屋より二回りほど小さな小屋だ。ラウはどうしても一人小屋がいいと主張して、他よりも小さな小屋を建てて一人で暮らしている。
中はベッド以外、何もない。ディック達の小屋に溢れていた生活用品が全く無く、一体どうやって生活しているのかと疑問に思うほどだ。部屋の奥に扉が二つあり、何気なくルカが視線を向けると、収蔵庫とトイレだよとラウは言った。
ラウはベッドの上に、無造作に放り出してあった小袋をまるごとルカにくれた。
「中にたっぷり入ってるよ。そいつにもやってくれ。久しぶりだろう?」
ラウは肩のポポも指差す。ディックとフォリスは酸っぱいと顔をしかめたけれど、ポポもいつもおいしそうに食べる。
「全部くれるの? ラウの分がなくなっちゃうよ」
「僕のはいいんだ。林にはたくさんあるからね。またとってくるさ。そうだ。今度一緒にとりにいこうよ、ルカ」
「そうだね」
以前も一度誘われたが、ポポに邪魔をされた。今もポポは尻尾をぴんと立てて警戒したままだ。
ポポはもしかしたらラウが嫌いなのかもしれない。
「ユリウスに聞いてみる。たぶんいいって言うと思うけど」
ドリカは無事去った。それに林ならば人目にもつきにくい。
アントンの料理は最高においしいけれど、たまに食べたくなるのがエルセの実だ。これからはラウも、林での仕事もあるし、ラウばかり頼るわけにもいかない。
自生場所を教えてもらっておけば、自分でとりに行くこともできるようになる。
そんなルカの心情を読んだかのように、ポポが諌めるようにキキっと鋭く鳴いた。
その知らせをコーバスから受け取って更に二週間。夏の盛りを迎える頃、ようやくルカは久しぶりに屋敷の外へ出た。
「やぁ、ルカ。今日から朝の散歩を再開するのかい?」
ユリウスに連れられ、ポポを肩に乗せて屋敷の外へ出るとボブが馬の口を引きながら声をかけてきた。
「うん。もういいだろうって、ユリウスが」
「よかったね。今朝は清々しい朝だ。散歩にはもってこいの朝だよ」
「行ってきます。ボブ。カレル」
見送りに出てきたカレルにも手を振り、ルカはユリウスと久しぶりの林へと踏み入った。
約四週間ぶりの林だ。木々の緑は濃さを増し、射し込んでくる陽光が眩しい。朝とはいえ少し歩くと汗ばむほどだ。しばらく外に出ていなかったからか。川岸につく前にルカの息はあがってきた。
「ほらルカ。来い。疲れたろう」
ユリウスが手を差し出すのでルカは自分の体をくんくん嗅いだ。
「汗くさいよ?」
「構わん。全く気にならんぞ」
ユリウスはルカを抱き上げると首筋に鼻を寄せて言う。ルカはユリウスの顔を引き剥がした。
「だめだよ。ほんとに汗かいてるから。ひゃっ」
ユリウスの顔を剥がしたとたん、バランスを崩した。小さく悲鳴を上げて、ルカは慌ててユリウスの首に抱きついた。ポポが、キュルっと鳴いてユリウスの頭へ飛び移った。
「危ないぞ。ちゃんとつかまってろ。全く気にならんから安心しろ」
「……うん」
ルカはいつものようにユリウスの首に抱きついた。体勢が安定したのを見計らったように、ポポがルカの肩へ戻ってくる。
川岸にはクライドがいて、ルカの姿に目を細めた。
「お久しぶりにございます、ルカ殿。体調はもうよろしいのですか?」
朝の散歩に来なくなったルカは、体調不良ということになっていた。
「はい。もう大丈夫です」
話を合わせて答えると、クライドは心底安心したように息をついた。
クライドとエミーが婚約の果てに別れたことはリサから聞いていた。あの日、エミーが屋敷に来てからまもなくのことだ。なぜ婚約を破棄するに至ったか。詳しい経緯をルカは知らないが、未来を描いていたものがついえることは寂しいことだ。でもクライドは元気そうで、ルカはよかったと思った。いつもにこやかに話しかけてくれるこの青年が、もし心を痛めているならかわいそうだ。
せめて元気が出るようにと、ルカはにこりと笑みを返した。
ユリウスはそのあと足を伸ばし、ディック達の小屋にも連れて行ってくれた。フォリス以外の者は、ユリウスの屋敷の出入りを禁止されていたので、希少種のみんなに会うのは久しぶりだ。
「よお! ルカ」
ディックは小屋の外で何やら製作中で、ルカとユリウスの姿を見つけると片手をあげた。
「久しぶりだな、ルカ」
ディックは木片を集めて釘で打ち付けている。以前よりも日に焼けている。
「何作ってるの?」
聞くとディックは、肩までまくった袖口で額の汗を拭って答えた。
「生まれてくる赤ん坊の椅子だよ。フォリスはまだ早いって言うんだけどな。ほら。生まれたら忙しくなるだろう? だから今のうちにな」
ディックは嬉しさを隠しきれない様子だ。
「フォリスは? 小屋にいるの?」
「ああ。あんま体調がよくなくてな。昨日から吐いてばっかなんだ」
「つわりか?」
つわりというのが、子供のできた者に起こる吐き気などの症状を言う言葉だということはリサから聞いた。
ユリウスがディックに尋ねると、ディックは「たぶんな」と心配そうに小屋を見上げた。
「昨日から特にひどくてな。俺はどうしてやることもできないから」
「気になるようならフォリスを屋敷に連れてこい。しばらく屋敷で預かってもいいしな。ノルデンがいるから、フォリスも心強いだろう」
ユリウスの提案に、ディックは「そうさせてもらうよ」と頷いた。
肩のポポが、注意をうながすようにキキっと鳴いた。後ろを振り返ると金髪のラウがいて、こちらを見ていた。
「ラウ! 元気だった?」
ルカが声をかけると、ラウは茂みをかき分けこちらに歩いてくると、ルカに笑いかけた。
「やぁ、ルカ。今日から散歩を再開したのかい?」
「うん。ユリウスがもういいだろうって」
「それはよかった。あのさ、ルカ。ちょっと僕の小屋に来ない? ルカのためにエルセの実をとってあるんだ」
「わぁ。うれしい。ユリウス、行ってきていい?」
ユリウスにお伺いを立てると、ユリウスはルカをおろしてくれた。
「ああ。行っといで。ここで待ってる」
「うん」
ラウの小屋は、ディック達の小屋の裏手にある。他の小屋より二回りほど小さな小屋だ。ラウはどうしても一人小屋がいいと主張して、他よりも小さな小屋を建てて一人で暮らしている。
中はベッド以外、何もない。ディック達の小屋に溢れていた生活用品が全く無く、一体どうやって生活しているのかと疑問に思うほどだ。部屋の奥に扉が二つあり、何気なくルカが視線を向けると、収蔵庫とトイレだよとラウは言った。
ラウはベッドの上に、無造作に放り出してあった小袋をまるごとルカにくれた。
「中にたっぷり入ってるよ。そいつにもやってくれ。久しぶりだろう?」
ラウは肩のポポも指差す。ディックとフォリスは酸っぱいと顔をしかめたけれど、ポポもいつもおいしそうに食べる。
「全部くれるの? ラウの分がなくなっちゃうよ」
「僕のはいいんだ。林にはたくさんあるからね。またとってくるさ。そうだ。今度一緒にとりにいこうよ、ルカ」
「そうだね」
以前も一度誘われたが、ポポに邪魔をされた。今もポポは尻尾をぴんと立てて警戒したままだ。
ポポはもしかしたらラウが嫌いなのかもしれない。
「ユリウスに聞いてみる。たぶんいいって言うと思うけど」
ドリカは無事去った。それに林ならば人目にもつきにくい。
アントンの料理は最高においしいけれど、たまに食べたくなるのがエルセの実だ。これからはラウも、林での仕事もあるし、ラウばかり頼るわけにもいかない。
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そんなルカの心情を読んだかのように、ポポが諌めるようにキキっと鋭く鳴いた。
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