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第3章
戦闘 ―テンネブリス対オーク戦(3)―
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シャドウスナップでオークを止められたと、テンネブリスが安堵した次の瞬間。
――ドゴン!!
止まった巨体を押しのけ、もう一つの緑色の巨体が少女の視界を覆い尽くす。
「ぷげええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!!!」
部屋中に響き渡る絶叫。
突進を仕掛けていたのとは別の個体がテンネブリスへ向かってストレートパンチを繰り出したのだ。
巨大なオークの体重をのせた、容赦のない一撃がテンネブリスのむき出しの柔らかいお腹に直撃する。
魔法が当たっていたのは一匹だけ、もう一匹は自由の身だった。突如動きを止めた相方に、状況を理解するまでの数秒動きを止めていただけ。
硬直が溶けたオークは、抵抗する魔法少女を更に痛めつけるべく攻撃を再開していた。
「げぇぇっ!!ごおおぉぉぉっ!!おごっ!!やめっ!!ぎぎぎぎっ!!ぶげっ、おげぇぇっ!があああっ!」
ラッシュラッシュラッシュ。
「ひぎぎいいぃぃぃぃぃ!!おげぇっ!おげげえええぇぇっ!!びげぇぇぇぇっ!!ぶげぇぇぇぇぇぇっ!!!ぢづづああぁっ!!」
腰を入れたパンチを、間髪入れずに何度も何度も少女の腹部へ叩き込む。
先程までの突進に比べれば一撃一撃の威力は落ちるものの、比べ物にならない速さで少女の腹部が抉られる。
「えぐっ、ぶっ、げげぇぇぇっ、とめっ、やっがああぁぁ!!ひぎっ、いぇやめぇ…おおぅぐぅぅ!!!おねがっ、があああああ!やめっ、てえぇぇ!やめてくださいましいいぃぃぃっ!!!おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、んごおおおおぉ!!!!」
視界が歪み、光が弾ける。
度重なる攻撃に、テンネブリスの身体も限界を迎えていた。
「ひぎっ…おぶげぇぇっ!!おえぇっ、げげえぇっ……んおっ、ぎゃあぁぁぁっ!!ひっ―ぐぎゃぁぁあぁぁぁああ!!おぐっ、ひぐっ、うげぇぇっ、ぴうっ、ぢぅが……ぶぼおおぉっ!!!」
「フシューー!ブシューー!!」
テンネブリスの顔面に迫るオークの顔。くさい息を吹きかけ呼吸を乱し、連打が止む。
その間にもう一方の先程まで魔法で拘束されていたオークの拘束が解け動き出す。息を吐くオークを押しのけテンネブリスの両腕を掴んだ。
「ひっ――ガッ!!」
思い切り引っ張られ、めり込んだ壁から引き抜かれる。
だらりと垂れた少女の四肢。
両手首を捕まれ、少女は腕を一文字に広げられる。
――メリメリメリメリ
肉の軋む音がテンネブリスから響く。
掴まれた部分に、万力のように締め付ける力がかけられた。
「グッ、ギッ…やめっ…あぁぁぁ、離し…てぇ、離しなさい……!離してくださいましぃ!!」
突進に次ぐ腹パンで、傷ついた身体には力が入らない。抵抗しようと試みるが、ほとんど何もできずオークのなすがまま拘束される。
(痛い痛い痛いっ、このままでは、折れ…てっ!!)
ぴきぴきと骨の軋む音が、身体の中から響いてくる。激痛が走り、圧倒的な暴力に対する恐怖がテンネブリスの心に広がっていく。
「うっ、ぐああああああぁ!いやっ、いやっ、痛いっ、離し…てぇぇ!お願い、手を離してぇぇぇ!!」
(ほんとうに、いけませんのっ!手首が折れてしまいますわっ!あぁっ、もう…ぐぐううぅ!!)
魔獣相手に懇願する魔法少女。言葉でコミュニケーションが取れるような相手ではなく、無駄だとわかっていても止められない。
「あああああああっ、折れっ、折れますのおぉっ、やめてぇぇ!あがああぁぁ、腕が、折れっ――」
――ボキボキボキ
「ぎっ、イィィャアアァァァアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
左右の手首から、崩壊の音が響く。
「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーーッ!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ーーーーーーーッ゛ッ゛!!!!!」
体を支える芯が折れ、両手を焼くような激痛が少女を襲う。
――ポキポキッ!ボキッ!!
「ぐぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎいいいいいいいいいいいいぃぃいぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!゛ア゛ア゛ア゛ア゛――――――――――――――――ッ!!」
単に2つに折るのではなく、すり潰すようにメキメキと力が加えられ続け、幾度となく骨が砕かれる。
両手首の複雑骨折。あまりの痛みに意識が飛ぶが、すぐに次の骨が折れる激痛で叩き起こされる。
「…………アガガァァァァッ!!痛イッ!痛い痛い痛イッ!ひぎゃあああぁぁぁぁあ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!―――――ッ!?あぎっ…助けっ、お゛お゛お゛ぎぎぎぎぎッ、イギャアアァァァァァァァァァァァァァ!!!」
少女の思考は激痛と恐怖に支配された。
1秒が長い。
満足に気を失うこともできずに嬲られ続け、この激痛が無限に続くのではないかとすら錯覚する。
「おおぉ………お……っ………ぉ………へ……………ぁぁ……」
オークが満足したのか、手首にかかる力が抜ける。
テンネブリスの意識は気絶する寸前で留められ、舌を突き出しもはや叫ぶ気力もない。
――ドゴン!!
止まった巨体を押しのけ、もう一つの緑色の巨体が少女の視界を覆い尽くす。
「ぷげええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!!!」
部屋中に響き渡る絶叫。
突進を仕掛けていたのとは別の個体がテンネブリスへ向かってストレートパンチを繰り出したのだ。
巨大なオークの体重をのせた、容赦のない一撃がテンネブリスのむき出しの柔らかいお腹に直撃する。
魔法が当たっていたのは一匹だけ、もう一匹は自由の身だった。突如動きを止めた相方に、状況を理解するまでの数秒動きを止めていただけ。
硬直が溶けたオークは、抵抗する魔法少女を更に痛めつけるべく攻撃を再開していた。
「げぇぇっ!!ごおおぉぉぉっ!!おごっ!!やめっ!!ぎぎぎぎっ!!ぶげっ、おげぇぇっ!があああっ!」
ラッシュラッシュラッシュ。
「ひぎぎいいぃぃぃぃぃ!!おげぇっ!おげげえええぇぇっ!!びげぇぇぇぇっ!!ぶげぇぇぇぇぇぇっ!!!ぢづづああぁっ!!」
腰を入れたパンチを、間髪入れずに何度も何度も少女の腹部へ叩き込む。
先程までの突進に比べれば一撃一撃の威力は落ちるものの、比べ物にならない速さで少女の腹部が抉られる。
「えぐっ、ぶっ、げげぇぇぇっ、とめっ、やっがああぁぁ!!ひぎっ、いぇやめぇ…おおぅぐぅぅ!!!おねがっ、があああああ!やめっ、てえぇぇ!やめてくださいましいいぃぃぃっ!!!おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、んごおおおおぉ!!!!」
視界が歪み、光が弾ける。
度重なる攻撃に、テンネブリスの身体も限界を迎えていた。
「ひぎっ…おぶげぇぇっ!!おえぇっ、げげえぇっ……んおっ、ぎゃあぁぁぁっ!!ひっ―ぐぎゃぁぁあぁぁぁああ!!おぐっ、ひぐっ、うげぇぇっ、ぴうっ、ぢぅが……ぶぼおおぉっ!!!」
「フシューー!ブシューー!!」
テンネブリスの顔面に迫るオークの顔。くさい息を吹きかけ呼吸を乱し、連打が止む。
その間にもう一方の先程まで魔法で拘束されていたオークの拘束が解け動き出す。息を吐くオークを押しのけテンネブリスの両腕を掴んだ。
「ひっ――ガッ!!」
思い切り引っ張られ、めり込んだ壁から引き抜かれる。
だらりと垂れた少女の四肢。
両手首を捕まれ、少女は腕を一文字に広げられる。
――メリメリメリメリ
肉の軋む音がテンネブリスから響く。
掴まれた部分に、万力のように締め付ける力がかけられた。
「グッ、ギッ…やめっ…あぁぁぁ、離し…てぇ、離しなさい……!離してくださいましぃ!!」
突進に次ぐ腹パンで、傷ついた身体には力が入らない。抵抗しようと試みるが、ほとんど何もできずオークのなすがまま拘束される。
(痛い痛い痛いっ、このままでは、折れ…てっ!!)
ぴきぴきと骨の軋む音が、身体の中から響いてくる。激痛が走り、圧倒的な暴力に対する恐怖がテンネブリスの心に広がっていく。
「うっ、ぐああああああぁ!いやっ、いやっ、痛いっ、離し…てぇぇ!お願い、手を離してぇぇぇ!!」
(ほんとうに、いけませんのっ!手首が折れてしまいますわっ!あぁっ、もう…ぐぐううぅ!!)
魔獣相手に懇願する魔法少女。言葉でコミュニケーションが取れるような相手ではなく、無駄だとわかっていても止められない。
「あああああああっ、折れっ、折れますのおぉっ、やめてぇぇ!あがああぁぁ、腕が、折れっ――」
――ボキボキボキ
「ぎっ、イィィャアアァァァアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
左右の手首から、崩壊の音が響く。
「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーーッ!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ーーーーーーーッ゛ッ゛!!!!!」
体を支える芯が折れ、両手を焼くような激痛が少女を襲う。
――ポキポキッ!ボキッ!!
「ぐぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎいいいいいいいいいいいいぃぃいぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!゛ア゛ア゛ア゛ア゛――――――――――――――――ッ!!」
単に2つに折るのではなく、すり潰すようにメキメキと力が加えられ続け、幾度となく骨が砕かれる。
両手首の複雑骨折。あまりの痛みに意識が飛ぶが、すぐに次の骨が折れる激痛で叩き起こされる。
「…………アガガァァァァッ!!痛イッ!痛い痛い痛イッ!ひぎゃあああぁぁぁぁあ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!―――――ッ!?あぎっ…助けっ、お゛お゛お゛ぎぎぎぎぎッ、イギャアアァァァァァァァァァァァァァ!!!」
少女の思考は激痛と恐怖に支配された。
1秒が長い。
満足に気を失うこともできずに嬲られ続け、この激痛が無限に続くのではないかとすら錯覚する。
「おおぉ………お……っ………ぉ………へ……………ぁぁ……」
オークが満足したのか、手首にかかる力が抜ける。
テンネブリスの意識は気絶する寸前で留められ、舌を突き出しもはや叫ぶ気力もない。
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