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第3章
戦闘 ―テンネブリス対オーク戦(1)―
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「はぁ…はぁ…はぁ…っ」
薄暗い階段にテンネブリスの呼吸音が響く。少女は、2つ目のバイブオナニー部屋を6回目のチャレンジでやっと抜けることにしていた。最後は千鳥足で倒れ込むように鉄格子を超えた先の階段までたどり着き、そこで足腰が立たなくなってしまっていた。
右手を壁につきながら、前かがみで苦しげな息を整えるテンネブリス。
「はぁ……ふぅ……お尻がひりひりしますの」
鉄格子が開いている30秒の間にビキニを履き直す余裕なく階段へと転がり込んだ彼女は、当然下半身丸出した。
いつまでもこのままではいられないので、左手に掴んでいたビキニを履き直さなければ。
そう思いながら、太ももまで薄い布を引き上げる。
ふと先程まで刺激されすぎて快楽以外にかなりの痛みも感じていた尻穴が気になり、恐る恐る確かめるように触ってみた。
穴がゆるゆるになって、ガバガバで閉じなくなったらどうしようかと不安に思ったが、幸いにも彼女の菊紋は元通り、きれいに閉じていた。
「んっ……はぅ……ん……」
尻穴の周りに残っていたローションを手で拭ってから、人差し指を少しだけ穴の中に挿れると、思った以上にあっさりと、ちゅるりと奥まで入ってしまう。トイレで事の後に触れるときとは明らかに違う身体の変化。開発されてしまった幼い尻穴に違和感を覚えつつも、手持ちの道具と魔法で簡単に身を整え、テンネブリスは先へと進む。
上り階段の終わりが見え、次の部屋の入り口が見えたところで少女は足を止めた。
(部屋の中に、なにか居ますわね)
潜伏スキルを発動することで、生物的、魔力的気配を消しゆっくりと階段を昇っていく。
室内の様子が見える位置までくると、緑色の太い棒のような足が目に入った。
(オーク、ですの…)
そのまま視線を上へと動かすと、お馴染みの人型魔獣の全容が見えてくる。
オーガより一回り小さい、筋肉を鍛え上げた成人男性程度の体躯は緑色の凸凹した肌で覆われている。腰の部分だけをミノで隠し、腕には棍棒。なんというか、まさにオーク。ゲームによく出てくるモンスター、といった見た目をした下級魔獣だ。
討伐難易度はブラッドファングより少し上か、同じ程度。ブラッドファングより素早さは劣るものの、オークのほうが力と耐久力に優れている。乗用車程度の重量ならば簡単に持ち上げる膂力を持ち、軽いキズならばすぐに自己再生してしまう。上位のオークになると、切り飛ばした腕をすぐに再生することもあるくらいだ。
しかし次の部屋にいるのは通常のオーク。その回復力は切れた腕をくっつけていればしばらくすると元に戻る程度だ。人型で道具を使えるくらいには知能があるため、徒党を組まれると厄介な魔獣ではある。また身につけている装備等によって討伐難易度は多少変わるが、単体で相手をする分には普通の魔法少女であれば問題なく対処できるレベルである。
(一匹…だけですの?それなら……!)
室内をウロウロしているオークが、階段に背を向けている時を見計らい、テンネブリスが奇襲をかける。
「……っ、ふっ!!」
オークがこちらを振り向く間もなく、少女のダガーが一閃。首が身体から分かたれる。そのまま2,3歩、歩いた後に緑色の巨体が地面へ沈んだ。
「楽勝ですの」
回復力のあるオークと言えど、首を断たれれば即死だ。
くるくるとダガーを回しながら得意げなテンネブリス。常人の目では追えないほど高速で振り抜かれたその刃には、血一つ付いていない。
「不意打ちさえできれば楽勝で――」
――ドゴーン!!ガシャーン!!
1つ目の部屋で聞いたのと同じ音、壁が崩れ、昇ってきた階段が鉄格子で塞がれる。
セリフを言い終える前に、瞬時に崩れた壁の方を向くと、向かってくる魔獣と目があった。
先ほどと同じオークが2匹、それにブラッドファングが1匹。
3匹は完全にテンネブリスを獲物と定めている。
足の早いブラッドファングが先行して飛びかかってきた。
「予想はっ!してましたわっ!!!」
身体をずらし横に避け、空中で伸び切った魔犬の腹部を蹴り上げる。
「キャウンッ!!」
子犬のような鳴き声をあげ、吹き飛ぶブラッドファングに止めの一撃。
「《エアスラッシュ!!》」
溜めがなく速度重視の一撃だ。先程ブラッドファング2匹を相手にしたときよりは威力の低い魔法だったが、範囲を絞ることで威力を確保した風の刃がブラッドファングを切り刻む。
血肉を撒き散らし絶命する魔犬、その最後を見届ける間もなくテンネブリスに緑の怪人が襲いくる。
「――フッ」
大ぶりのモーションで振り下ろされた棍棒をあっさりと躱し、2匹目の棍棒も避け、オークの横方向へ退避。
動きながらも意識を体内の魔力へ集中し、次の一手を用意。
オークが振り向くと同時にテンネブリスの魔法が発動する。
「《シャドウスナップ!》」
少女の手から闇色の刃が放たれる。
それが二匹のオークの影へと刺ささった瞬間、彼らの動きがピタリと止まる。
きれいに決まった拘束魔法。
後は落ち着いて順に首を跳ねれば終わりだ、と勝利を確信した次の瞬間。
薄暗い階段にテンネブリスの呼吸音が響く。少女は、2つ目のバイブオナニー部屋を6回目のチャレンジでやっと抜けることにしていた。最後は千鳥足で倒れ込むように鉄格子を超えた先の階段までたどり着き、そこで足腰が立たなくなってしまっていた。
右手を壁につきながら、前かがみで苦しげな息を整えるテンネブリス。
「はぁ……ふぅ……お尻がひりひりしますの」
鉄格子が開いている30秒の間にビキニを履き直す余裕なく階段へと転がり込んだ彼女は、当然下半身丸出した。
いつまでもこのままではいられないので、左手に掴んでいたビキニを履き直さなければ。
そう思いながら、太ももまで薄い布を引き上げる。
ふと先程まで刺激されすぎて快楽以外にかなりの痛みも感じていた尻穴が気になり、恐る恐る確かめるように触ってみた。
穴がゆるゆるになって、ガバガバで閉じなくなったらどうしようかと不安に思ったが、幸いにも彼女の菊紋は元通り、きれいに閉じていた。
「んっ……はぅ……ん……」
尻穴の周りに残っていたローションを手で拭ってから、人差し指を少しだけ穴の中に挿れると、思った以上にあっさりと、ちゅるりと奥まで入ってしまう。トイレで事の後に触れるときとは明らかに違う身体の変化。開発されてしまった幼い尻穴に違和感を覚えつつも、手持ちの道具と魔法で簡単に身を整え、テンネブリスは先へと進む。
上り階段の終わりが見え、次の部屋の入り口が見えたところで少女は足を止めた。
(部屋の中に、なにか居ますわね)
潜伏スキルを発動することで、生物的、魔力的気配を消しゆっくりと階段を昇っていく。
室内の様子が見える位置までくると、緑色の太い棒のような足が目に入った。
(オーク、ですの…)
そのまま視線を上へと動かすと、お馴染みの人型魔獣の全容が見えてくる。
オーガより一回り小さい、筋肉を鍛え上げた成人男性程度の体躯は緑色の凸凹した肌で覆われている。腰の部分だけをミノで隠し、腕には棍棒。なんというか、まさにオーク。ゲームによく出てくるモンスター、といった見た目をした下級魔獣だ。
討伐難易度はブラッドファングより少し上か、同じ程度。ブラッドファングより素早さは劣るものの、オークのほうが力と耐久力に優れている。乗用車程度の重量ならば簡単に持ち上げる膂力を持ち、軽いキズならばすぐに自己再生してしまう。上位のオークになると、切り飛ばした腕をすぐに再生することもあるくらいだ。
しかし次の部屋にいるのは通常のオーク。その回復力は切れた腕をくっつけていればしばらくすると元に戻る程度だ。人型で道具を使えるくらいには知能があるため、徒党を組まれると厄介な魔獣ではある。また身につけている装備等によって討伐難易度は多少変わるが、単体で相手をする分には普通の魔法少女であれば問題なく対処できるレベルである。
(一匹…だけですの?それなら……!)
室内をウロウロしているオークが、階段に背を向けている時を見計らい、テンネブリスが奇襲をかける。
「……っ、ふっ!!」
オークがこちらを振り向く間もなく、少女のダガーが一閃。首が身体から分かたれる。そのまま2,3歩、歩いた後に緑色の巨体が地面へ沈んだ。
「楽勝ですの」
回復力のあるオークと言えど、首を断たれれば即死だ。
くるくるとダガーを回しながら得意げなテンネブリス。常人の目では追えないほど高速で振り抜かれたその刃には、血一つ付いていない。
「不意打ちさえできれば楽勝で――」
――ドゴーン!!ガシャーン!!
1つ目の部屋で聞いたのと同じ音、壁が崩れ、昇ってきた階段が鉄格子で塞がれる。
セリフを言い終える前に、瞬時に崩れた壁の方を向くと、向かってくる魔獣と目があった。
先ほどと同じオークが2匹、それにブラッドファングが1匹。
3匹は完全にテンネブリスを獲物と定めている。
足の早いブラッドファングが先行して飛びかかってきた。
「予想はっ!してましたわっ!!!」
身体をずらし横に避け、空中で伸び切った魔犬の腹部を蹴り上げる。
「キャウンッ!!」
子犬のような鳴き声をあげ、吹き飛ぶブラッドファングに止めの一撃。
「《エアスラッシュ!!》」
溜めがなく速度重視の一撃だ。先程ブラッドファング2匹を相手にしたときよりは威力の低い魔法だったが、範囲を絞ることで威力を確保した風の刃がブラッドファングを切り刻む。
血肉を撒き散らし絶命する魔犬、その最後を見届ける間もなくテンネブリスに緑の怪人が襲いくる。
「――フッ」
大ぶりのモーションで振り下ろされた棍棒をあっさりと躱し、2匹目の棍棒も避け、オークの横方向へ退避。
動きながらも意識を体内の魔力へ集中し、次の一手を用意。
オークが振り向くと同時にテンネブリスの魔法が発動する。
「《シャドウスナップ!》」
少女の手から闇色の刃が放たれる。
それが二匹のオークの影へと刺ささった瞬間、彼らの動きがピタリと止まる。
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後は落ち着いて順に首を跳ねれば終わりだ、と勝利を確信した次の瞬間。
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