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第2章-耐久テスト編-

第35話:酸耐久試験(7)

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「はぁーーっ、はぁーーっ、ぜはぁ……はぁッ!あぁ……ふぁぁ……かひゅぅ……かひゅうぅ……!」

 叶海はX字に拘束されたまま下を向き、荒い息を吐いている。
 何度腸内と膣内を焼かれただろうか。
 敏感な粘膜が酸によって休み無く溶かされ、10回を超えた先はもう記憶がない。

 激痛から変換された快楽に、ひたすらイキ狂った。
 助けを求めようとも、絶頂の連続でまともに意味のある言葉は発せられず、脳内で叫んだところでスーツのAIには耐えろと言われるのみ。
 スーツのおかげで肉体的な限界は全く来ないが、精神的にはかなりきつい。

 もう一生分イッたのではないかと思うほどの連続絶頂で、時間の感覚もなくなってきた。
 十数分しか経っていないような気もするし、もう何十時間も責められ続けているような感覚もある。
 拷問実験を思い返せばとにかくイッた記憶しかなく、終わりの見えない絶頂地獄に絶望感を覚え叶海の心が折れかける。
 これも既に3度目。その都度、叶海の精神異常を感知したスーツが少女の精神を安定させる。

 タンクの中の酸が無くなれば終わるだろうか。
 どれくらい残っているのかと視線を向けようとするが、未だ余韻にイキ続けていて顔を動かすのも億劫だ。
 辛うじて眼球を動かして視界の端にタンクを捉えると、まだ半分以上が残っていた。

「データ収集はこれくらいで十分かのう」

 叶海を責めるのを止め、様子を見ながらメモをとっていたガイアスがつぶやく。
 彼は途中から面倒な機器操作は手下のゴブリン達に任せて調査、観察に集中していた。

 廊下を走る慌ただしい音と、ガタンッと部屋のドアを開ける音。
 機器操作を行っているゴブリン達とは別の、一回り大きな個体がノックもせずに部屋に入ってきた。

「なんじゃ、伝令用ホブゴブリンか?」

 やけに足が太く強化されたゴブリンは、ガイアスに1枚の紙を手渡す。
 それに目を通したガイアスは、めんどくさそうな、少し苛立ち混じりの声を漏らした。

「査問…じゃと、それも今すぐに!?四天王と枢機卿、お上方のお呼び出しか。こやつのスーツの件が広まったのじゃな。性能の程を早急に説明せよとは…思った以上に上も脅威に感じておるということかのお」

「あぁん?アイツら、こんな雑魚になにビビってやがるんだ!?」

 話を聞いていたイービルガイがチンピラじみた威嚇混じりに吠える。

「まぁ仕方あるまい、他の四天王方々には部下もおる。彼らにとっては十分すぎるほどの驚異じゃ、気にもなるのも仕方なかろう。イービルガイ殿も呼ばれておるようじゃぞ」

「はぁん?なんで俺まで行かなきゃならねぇんだよ。そもそも、性能を確かめる実験中なんだろ?終わってからにさせろよ」

「概要だけでも説明せよとのことじゃ。まぁ行けばネチネチと根掘り葉掘り聞かれてしばらくは戻ってこれぬじゃろうがな」

 ケッと吐き捨てるイービルガイをなだめながら、ガイアスは思案する。

「残った酸もその間の時間も、もったいないのぉ」

 ブツブツ言いながら、ガイアスは手下のゴブリンに指示を出す。
 透明な水槽、酸を貯めていたタンクよりも小さいが、人が入っても余裕なほどの大きさのものが持ってこられる。
 水槽がタンクの横に置かれた。

 タンクの蓋が開けられ、複数のゴブリンによって持ち上げられ、バケツから注ぐように一気にタンク内の酸が水槽に移し替えられる。
 注ぎ終わり、タンクの傾きを戻した時に、フチについていた酸が数滴溢れ真下にいたゴブリンの頭上に降り注ぐ。
 不運にも酸を浴びたゴブリンは、断末魔のような絶叫を上げ、頭蓋を溶かされ絶命した。

「うげっ、エゲツねぇな…」

 その様子を見てイービルガイから感想が漏れる。
 最弱に近い怪人とはいえ、たった数滴で一瞬のうちに絶命するほど強烈な酸。
 それをこぼして浴びた、知性の低いゴブリンに思うところは無い。
 だがそれを何度も体内に注がれ、生きている少女の強靭さを、二人の怪人は改めて認識した。

「なぁおい、こんなもんに移し替えてどうするつもりだ?」

 イービルガイがガイアスに問う。

「だいぶ酸を使ってしまったからのう、このサイズならばちょうど良いのじゃ。観察用にも透明容器のほうが良いしのぉ」

 意味深な答えを返すガイアス。彼の命令によって叶海の拘束が緩められる。
 回復中でぐったりした様子の叶海。彼女の両足の拘束が外され、自由になる。
 両手の手錠は見慣れない素材の縄に変えられ、バンザイ状態で吊り上げられていたものが、両手を合わせられI字状態になるように変更された。

(ぐうぅ…ぁ、両足が自由に…!でも、両手の縄が、何これ…ぶよぶよしてて、力を込めても破れない)

 回復し、正常な意識を取り戻した叶海が、反射的に拘束を逃れようと両手を開くように力を込めるがびくともしない。

(今度は何をされるの?)

 混濁した意識の中で耳に入っていた情報を必死に引き出す。

(あの怪人二人がどこかに呼ばれたみたいな話をしていたような…私も連れて行かれるのかな)

 状況が変わったことで、叶海は必死に頭を巡らせる。

(でも、もしこのままここに捕まったままで、あいつらがいなくなれば逃げ出すチャンスかも!?)

 千載一遇の好機到来か、と叶海の瞳に力が戻る。

 《肯定。本スーツの発揮しうる膂力では両腕の拘束を解くことは不可能ですが、短距離テレポートにより拘束を脱することが可能です。個体名イービルガイに再拘束される恐れが無くなれば、脱出が推奨されます》

 よしっ、と叶海は心の中でガッツポーズ。その後すぐに、表情や仕草に現れないようにと、気を引き締め怪人二人を睨みつける。
 そうこうしている間にも準備が進められ、スーツの修復が終わらずむき出しのままの叶海の二穴に2本の筒が突きこまれた。

「うぐっ、いや…あぎっ、くほっ…ンン!!いたっ、いたぁ…やめ、ぐううぅ!」

 筒は2本とも然程長くはない。だが、500mlペットボトル以上の太さで叶海の二穴を広げ、媚肉をぎっちりとくわえ込み、押しても引いても動かなくなってしまった。
 回復されキツキツの新品状態に戻された叶海の二穴にこんな物を無理やり突きこまれれば激痛は必死。初めは苦痛緩和機能が働かなかったが、すぐにスーツが対応し痛みが快感へ変換される。

「あひいっ、くうぅ…やだ、なにこれ!お尻と、オマンコが…すぅすぅする!?」

 叶海は絶頂する前に、なんとか快感を抑え込む。
 筒がバイブのように振動したり、抜き差しされなかったのは幸いだがこれまでに無い違和感を覚える。
 無理やり広げられた叶海の体内に、筒の間を通って空気が流れ込んできたのだ。
 微かにモーター音、小さなファンが回っているような音が聞こえてくる。
 それを見てなるほどな、と得心顔のイービルガイ。一方の叶海はまだわけがわかっていない。

「準備も整った、説明しようかのぅ」

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