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1章ラギルダンジョン編

クラスメイトのステータス

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「それでは今から御使い様のステータスを一人一人公開してもらおうと思う。」


ラフター王が宣言した。住野さんもそっちの方に意識を傾けていて、俺のステータスが見られなかったことに安堵した。


が、それを全員前の公開だと!?本物の公開処刑じゃないか!?

こいつらの事だ。俺のステータスを見た瞬間笑いだし、ネタにするに違いない。この数で暴力行為をしてきたら間違いなく待っているのは死だ。ど、どうするかなぁ…


なんてことを考えてるうちにどんどんステータスが公表されている。


「次の者、前へ」

「はい!」

そう言って王様の前に出ていったのは大垣翔だ。

ステータスを見るには特殊な水晶玉が必要らしくその上に手を置いたまま「ステータス」と唱えると、ステータスが公開される仕組みになっている。


頼む…あいつにだけは強そうな職業を与えないでくれ…

あいつが強くなったら俺をいじめるに違いない。特に暴力で。


なぜそう言い切れるのかには少し事情がある。俺は実は喧嘩で大垣に勝っているのだ。しかも複数人VS俺一人で。

これには祖父から教わった技術が関係している。

おじいちゃんのことは…正直思い出したくない。毎日辛かったからな。


あいつはその程を未だに根に持っていると思うのでおれが無職と知ると、殴りに来るだろう。


そんなことを思っていると


「ステータス」

大垣がそう呟いた。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

大垣翔

年齢 17歳

性別 男

レベル 1

職業 超拳士

属性 土 火 風

筋力 550

魔法耐性 200

物理耐性 500

敏捷 300

魔力 100/100

体力 500/500


スキル

言語理解 頑丈 火事場の馬鹿力 拳術 雷耐性上昇

水耐性上昇


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


お、終わったぁ…俺の運命はこの世界で死ぬことかもしれない。

唯一の幸運はあいつが拳で戦いそうなことであろうか。それなら今の俺でももしかすると生き残ることが出来るかもしれない。それにギリギリ戦うことも出来るかもな…


剣だったら必ず負ける自信があるから。


「おぉ、超拳士か!拳士の職業の中でも最上位のものじゃないか!素晴らしい!きっと魔王討伐に欠かせぬ存在になるだろう!」


「ありがとうございます!」


そんな元気な声を出して大垣は元の場所に戻ってきた。しかも俺に下卑た笑みを浮かべながら「お前のステータス楽しみにしてるぜ」と周りにも聞こえる声でお礼言ってきた。


俺のステータス見たら早速殴りに来そうだな…


「次の者、前へ」

「はい」


とイケメンスマイルを見せて王角は水晶に手を置く。だいたい予想はついてる。こういうリーダーシップのある常に物語の主人公と言わんばかりのタイプのある人間はだいたい……


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

王角龍騎

年齢 17歳

性別 男

レベル 1

職業 勇者

属性 全

筋力 600

魔法耐性 600

物理耐性 600

敏捷 600

魔力 600/600

体力 600/600


スキル

言語理解 高速詠唱 限界突破 全属性適正上昇

全属性威力上昇 成長促進 物理耐性上昇 物理攻撃上昇

剣術

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

まぁ、そんなところだろうなぁ。職業は予想がついていた。ちょっとばかし予想より斜め上だなぁ。まず俺のステータスの軽く60倍ぐらい強いんだけど?

それにスキルの数が多い上に何このスキルの名前?めっちゃ強そうなんだけど?


こいつとは敵対しないでおこう。


「おぉ~、やはり其方が勇者であられたか。」

「しかし、このステータス……帝国最強の魔法師団団長と騎士団団長ですらレベル60で最も高いステータスの値は2000に届かないというのに…」

「うむ、間違いなく歴代の勇者の中で過去最高の数値であろうな。我々はぜヘム様に感謝せねばなるまい。あぁ、素晴らしい!




まじかァ…そんなに強いんだったらそのステータスの少し俺によこせよなぁ。羨ましい。みんなから黄色い声援や驚きの声が上がっている。ねたましいかぎりだ。


「それでは、次の者」

「はい」

綺麗な声で返事したのは2大美女が1人、清水桃花さんだ。

「ステータス」


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

清水桃花

年齢 17歳

性別 女

レベル 1

職業 聖女

属性 回復 光 闇

筋力 100

魔法耐性 550

物理耐性 450

敏捷 300

魔力 500/500

体力 400/400


スキル

高速詠唱 全属性耐性上昇 言語理解 光魔法適正上昇

回復魔法適正上昇 回復魔法威力上昇

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「おおぉ、聖女まで御使い様の中にはいらっしゃるのか!素晴らしい!とても御使い様方のバランスが整っている!この召喚は今までの中で最も素晴らしい結果では無いのか!?」


「間違いありません!これは魔王討伐も現実的になってきましたな!?」


「あぁ、この召喚の感謝をぜヘム様に捧げよう。」


これに続いて「剣聖」「暗殺者」「錬金術師」など大層素晴らしい職業が出てきた。その度に俺は目の前が真っ暗になり、心臓の音の速度が上がっていた。


そんなショックを受けていると残り3人になった。残っているのは俺、住野さん、りさちゃん先生だ。


「次の者、前へ」

「はい」


そう言って住野さんは自分のステータスを公開した。


「け、賢者までいるのか!?100年に1度くらいしか現れないというのに」

「魔法を扱う職業の最上位に位置する賢者までいらっしゃるのでは魔王の命ものこり僅かと言えるでしょうな!わっはっはっは」


そう言って感動していた。というか住野さんそんなにすごいんだ。王様たちもすごく上機嫌だ。神官に「あまりここで笑うのは失礼ですよ」と注意されているほどである。「いやー、すまん」


住野さんがステータスを公開している時、やはりレオン皇子は住野さんに向けて朗らかな笑顔を浮かべていた。それに気づいたのか住野さんもレオン皇子に向かって微笑み返している。


それなのにクラスのみんなは舌打ちや嫉妬の目線を送らない。むしろ黄色い声援が上がっているレベルである。


俺ってそんなに顔とか悪いのかなぁ…。凹みそうだ。でも、これで俺に舌打ちや嫉妬の目線を送られることはなくなっただろう。そう考えたら少しだけ心が軽くなった。


「んんっ、それでは気を取り直して。次の者、前へ」

そうして、俺が呼ばれた。すごく緊張する。心臓の音が今まで1番速く音を立てている気さえする。冷や汗が出てるし足も緊張で震える。手汗もびっしょりで指先まで震えている。


水晶に向かう時に住野さんに「大丈夫…?」と声をかけられた。きっとひどい顔をしているのだろう。

大垣が大きな声で「どんな職業なんだろうなー?」と煽ってくる。そんな中俺は水晶に手を置き、唱えた。

「ステータス…」

そうして現れたのは



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




司馬太一


年齢 17歳


性別 男


レベル 1


職業 無


属性 無




筋力 50


魔法耐性 30


物理耐性 45


敏捷 40


魔力 10/10


体力 30/30




スキル


言語理解 鑑定




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

少しだけ期待していたが、何も変わらなかった。


そんなステータスを公開すると何も反応がなかった…そう思った次の瞬間


「「「「「「わーはっはっはっ!!!」」」」」」

「「「「「「ひゃーはっはっはっ!!!」」」」」」

次々と新井が沸き起こった。

宰相と神官は唖然としていて、王や皇子たち、皇女様たちも笑っていた。


「だ、大丈夫だよ!し、司馬くん!」


「そ、そうですよ!みんな笑うなんて失礼です!それに私も大したことありませんから!」

そう言って住野さんと先生が励ましてくれるが全然嬉しくない。


みんながまだ笑っている中先生がステータスを公開した。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄名越理沙

年齢 25歳

性別 女

レベル 1

職業 育成士

属性 回復 土 光

筋力 10

魔法耐性 1000

物理耐性 1000

敏捷 20

魔力 100/100

体力 900/900


スキル

全属性耐性上昇 ミマモルもの 成長促進 言語理解


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

そんなステータスを見て俺は気絶した。

「せ、先生それはちょっと…」

「うん、さすがに可愛そうかな…」


「あれ?し、司馬くん!どうしました?!」

先生の声が神殿に響いた。








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