クラス転移で裏切られた「無」職の俺は世界を変える

ジャック

文字の大きさ
上 下
4 / 66
1章ラギルダンジョン編

クラスメイトのステータス

しおりを挟む
「それでは今から御使い様のステータスを一人一人公開してもらおうと思う。」


ラフター王が宣言した。住野さんもそっちの方に意識を傾けていて、俺のステータスが見られなかったことに安堵した。


が、それを全員前の公開だと!?本物の公開処刑じゃないか!?

こいつらの事だ。俺のステータスを見た瞬間笑いだし、ネタにするに違いない。この数で暴力行為をしてきたら間違いなく待っているのは死だ。ど、どうするかなぁ…


なんてことを考えてるうちにどんどんステータスが公表されている。


「次の者、前へ」

「はい!」

そう言って王様の前に出ていったのは大垣翔だ。

ステータスを見るには特殊な水晶玉が必要らしくその上に手を置いたまま「ステータス」と唱えると、ステータスが公開される仕組みになっている。


頼む…あいつにだけは強そうな職業を与えないでくれ…

あいつが強くなったら俺をいじめるに違いない。特に暴力で。


なぜそう言い切れるのかには少し事情がある。俺は実は喧嘩で大垣に勝っているのだ。しかも複数人VS俺一人で。

これには祖父から教わった技術が関係している。

おじいちゃんのことは…正直思い出したくない。毎日辛かったからな。


あいつはその程を未だに根に持っていると思うのでおれが無職と知ると、殴りに来るだろう。


そんなことを思っていると


「ステータス」

大垣がそう呟いた。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

大垣翔

年齢 17歳

性別 男

レベル 1

職業 超拳士

属性 土 火 風

筋力 550

魔法耐性 200

物理耐性 500

敏捷 300

魔力 100/100

体力 500/500


スキル

言語理解 頑丈 火事場の馬鹿力 拳術 雷耐性上昇

水耐性上昇


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


お、終わったぁ…俺の運命はこの世界で死ぬことかもしれない。

唯一の幸運はあいつが拳で戦いそうなことであろうか。それなら今の俺でももしかすると生き残ることが出来るかもしれない。それにギリギリ戦うことも出来るかもな…


剣だったら必ず負ける自信があるから。


「おぉ、超拳士か!拳士の職業の中でも最上位のものじゃないか!素晴らしい!きっと魔王討伐に欠かせぬ存在になるだろう!」


「ありがとうございます!」


そんな元気な声を出して大垣は元の場所に戻ってきた。しかも俺に下卑た笑みを浮かべながら「お前のステータス楽しみにしてるぜ」と周りにも聞こえる声でお礼言ってきた。


俺のステータス見たら早速殴りに来そうだな…


「次の者、前へ」

「はい」


とイケメンスマイルを見せて王角は水晶に手を置く。だいたい予想はついてる。こういうリーダーシップのある常に物語の主人公と言わんばかりのタイプのある人間はだいたい……


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

王角龍騎

年齢 17歳

性別 男

レベル 1

職業 勇者

属性 全

筋力 600

魔法耐性 600

物理耐性 600

敏捷 600

魔力 600/600

体力 600/600


スキル

言語理解 高速詠唱 限界突破 全属性適正上昇

全属性威力上昇 成長促進 物理耐性上昇 物理攻撃上昇

剣術

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

まぁ、そんなところだろうなぁ。職業は予想がついていた。ちょっとばかし予想より斜め上だなぁ。まず俺のステータスの軽く60倍ぐらい強いんだけど?

それにスキルの数が多い上に何このスキルの名前?めっちゃ強そうなんだけど?


こいつとは敵対しないでおこう。


「おぉ~、やはり其方が勇者であられたか。」

「しかし、このステータス……帝国最強の魔法師団団長と騎士団団長ですらレベル60で最も高いステータスの値は2000に届かないというのに…」

「うむ、間違いなく歴代の勇者の中で過去最高の数値であろうな。我々はぜヘム様に感謝せねばなるまい。あぁ、素晴らしい!




まじかァ…そんなに強いんだったらそのステータスの少し俺によこせよなぁ。羨ましい。みんなから黄色い声援や驚きの声が上がっている。ねたましいかぎりだ。


「それでは、次の者」

「はい」

綺麗な声で返事したのは2大美女が1人、清水桃花さんだ。

「ステータス」


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

清水桃花

年齢 17歳

性別 女

レベル 1

職業 聖女

属性 回復 光 闇

筋力 100

魔法耐性 550

物理耐性 450

敏捷 300

魔力 500/500

体力 400/400


スキル

高速詠唱 全属性耐性上昇 言語理解 光魔法適正上昇

回復魔法適正上昇 回復魔法威力上昇

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「おおぉ、聖女まで御使い様の中にはいらっしゃるのか!素晴らしい!とても御使い様方のバランスが整っている!この召喚は今までの中で最も素晴らしい結果では無いのか!?」


「間違いありません!これは魔王討伐も現実的になってきましたな!?」


「あぁ、この召喚の感謝をぜヘム様に捧げよう。」


これに続いて「剣聖」「暗殺者」「錬金術師」など大層素晴らしい職業が出てきた。その度に俺は目の前が真っ暗になり、心臓の音の速度が上がっていた。


そんなショックを受けていると残り3人になった。残っているのは俺、住野さん、りさちゃん先生だ。


「次の者、前へ」

「はい」


そう言って住野さんは自分のステータスを公開した。


「け、賢者までいるのか!?100年に1度くらいしか現れないというのに」

「魔法を扱う職業の最上位に位置する賢者までいらっしゃるのでは魔王の命ものこり僅かと言えるでしょうな!わっはっはっは」


そう言って感動していた。というか住野さんそんなにすごいんだ。王様たちもすごく上機嫌だ。神官に「あまりここで笑うのは失礼ですよ」と注意されているほどである。「いやー、すまん」


住野さんがステータスを公開している時、やはりレオン皇子は住野さんに向けて朗らかな笑顔を浮かべていた。それに気づいたのか住野さんもレオン皇子に向かって微笑み返している。


それなのにクラスのみんなは舌打ちや嫉妬の目線を送らない。むしろ黄色い声援が上がっているレベルである。


俺ってそんなに顔とか悪いのかなぁ…。凹みそうだ。でも、これで俺に舌打ちや嫉妬の目線を送られることはなくなっただろう。そう考えたら少しだけ心が軽くなった。


「んんっ、それでは気を取り直して。次の者、前へ」

そうして、俺が呼ばれた。すごく緊張する。心臓の音が今まで1番速く音を立てている気さえする。冷や汗が出てるし足も緊張で震える。手汗もびっしょりで指先まで震えている。


水晶に向かう時に住野さんに「大丈夫…?」と声をかけられた。きっとひどい顔をしているのだろう。

大垣が大きな声で「どんな職業なんだろうなー?」と煽ってくる。そんな中俺は水晶に手を置き、唱えた。

「ステータス…」

そうして現れたのは



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




司馬太一


年齢 17歳


性別 男


レベル 1


職業 無


属性 無




筋力 50


魔法耐性 30


物理耐性 45


敏捷 40


魔力 10/10


体力 30/30




スキル


言語理解 鑑定




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

少しだけ期待していたが、何も変わらなかった。


そんなステータスを公開すると何も反応がなかった…そう思った次の瞬間


「「「「「「わーはっはっはっ!!!」」」」」」

「「「「「「ひゃーはっはっはっ!!!」」」」」」

次々と新井が沸き起こった。

宰相と神官は唖然としていて、王や皇子たち、皇女様たちも笑っていた。


「だ、大丈夫だよ!し、司馬くん!」


「そ、そうですよ!みんな笑うなんて失礼です!それに私も大したことありませんから!」

そう言って住野さんと先生が励ましてくれるが全然嬉しくない。


みんながまだ笑っている中先生がステータスを公開した。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄名越理沙

年齢 25歳

性別 女

レベル 1

職業 育成士

属性 回復 土 光

筋力 10

魔法耐性 1000

物理耐性 1000

敏捷 20

魔力 100/100

体力 900/900


スキル

全属性耐性上昇 ミマモルもの 成長促進 言語理解


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

そんなステータスを見て俺は気絶した。

「せ、先生それはちょっと…」

「うん、さすがに可愛そうかな…」


「あれ?し、司馬くん!どうしました?!」

先生の声が神殿に響いた。








しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった

さくらはい
ファンタジー
 主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ―― 【不定期更新】 1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。 性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。 良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。

【祝・追放100回記念】自分を追放した奴らのスキルを全部使えるようになりました! ~いざなわれし魔の手~

高見南純平
ファンタジー
最弱ヒーラーの主人公は、ついに冒険者パーティーを100回も追放されてしまう。しかし、そこで条件を満たしたことによって新スキルが覚醒!そのスキル内容は【今まで追放してきた冒険者のスキルを使えるようになる】というとんでもスキルだった! 主人公は、他人のスキルを組み合わせて超万能最強冒険者へと成り上がっていく! ~いざなわれし魔の手~ かつての仲間を探しに旅をしているララク。そこで天使の村を訪れたのだが、そこには村の面影はなくさら地があるだけだった。消滅したあるはずの村。その謎を追っていくララクの前に、恐るべき魔の手が迫るのだった。

無限の成長 ~虐げられし少年、貴族を蹴散らし頂点へ~

りおまる
ファンタジー
主人公アレクシスは、異世界の中でも最も冷酷な貴族社会で生まれた平民の少年。幼少の頃から、力なき者は搾取される世界で虐げられ、貴族たちにとっては単なる「道具」として扱われていた。ある日、彼は突如として『無限成長』という異世界最強のスキルに目覚める。このスキルは、どんなことにも限界なく成長できる能力であり、戦闘、魔法、知識、そして社会的な地位ですらも無限に高めることが可能だった。 貴族に抑圧され、常に見下されていたアレクシスは、この力を使って社会の底辺から抜け出し、支配層である貴族たちを打ち破ることを決意する。そして、無限の成長力で貴族たちを次々と出し抜き、復讐と成り上がりの道を歩む。やがて彼は、貴族社会の頂点に立つ。

闇属性転移者の冒険録

三日月新
ファンタジー
 異世界に召喚された影山武(タケル)は、素敵な冒険が始まる予感がしていた。ところが、闇属性だからと草原へ強制転移されてしまう。  頼れる者がいない異世界で、タケルは元冒険者に助けられる。生き方と戦い方を教わると、ついに彼の冒険がスタートした。  強力な魔物や敵国と死闘を繰り広げながら、タケルはSランク冒険者を目指していく。 ※週に三話ほど投稿していきます。 (再確認や編集作業で一旦投稿を中断することもあります) ※一話3,000字〜4,000字となっています。

救助者ギルドから追放された俺は、ハズレだと思われていたスキル【思念収集】でやり返す

名無し
ファンタジー
 アセンドラの都で暮らす少年テッドは救助者ギルドに在籍しており、【思念収集】というスキルによって、ダンジョンで亡くなった冒険者の最期の思いを遺族に伝える仕事をしていた。  だが、ある日思わぬ冤罪をかけられ、幼馴染で親友だったはずのギルド長ライルによって除名を言い渡された挙句、最凶最悪と言われる異次元の監獄へと送り込まれてしまう。  それでも、幼馴染の少女シェリアとの面会をきっかけに、ハズレ認定されていた【思念収集】のスキルが本領を発揮する。喧嘩で最も強い者がここから出られることを知ったテッドは、最強の囚人王を目指すとともに、自分を陥れた者たちへの復讐を誓うのであった……。

おっさんでも異世界転生したい。チートを作るスキルで成り上がる

架空の世界を旅する物語
ファンタジー
人生43年生きて彼女いない歴年齢の非モテのおっさんは、何もない日常に飽きてしまい異世界転生したいと願ったら異世界転生してしまった。 イケメンに転生したおっさんは転生特典のチート制作スキルを駆使して成り上がり、モテモテハーレムを築くことを夢見るのだった。

底辺冒険者だけど魔法を極めてみることにした ~無能スキルから神スキルに進化した【魔法創造】と【アイテム作成】で無双する~

蒼乃白兎
ファンタジー
 冒険者のロアはみんなから『無能』と有名な底辺冒険者である。  所持スキルは【アイテム作成】のみ。  能力はレベルと引き換えにアイテムを作成する、というものだった。   ロアはこのスキルのせいで、他の人に比べてレベルが上がった時の恩恵が雀の涙ほどしかない。  それこそロアが『無能』とバカにされている大きな理由だった。  しかし、ロアは少しでも自分の実力を上げようと【アイテム作成】の能力を使うことなくレベルを上げ続けた。  スライムやゴブリンなどの低級モンスターを狩り続けて1年。  50レベルに到達したロアにとんでもない変化が訪れた。 『【アイテム作成】が【魔法創造】に進化しました』  手に入れた【魔法創造】はレベルと引き換えに魔法を創造できるというもの。  つまりレベルを消費すればするほど、レベル上げの効率はドンドン上がる。  更に【アイテム作成】の能力も利用することで、強力な装備でステータスを補ったり、価値の高いアイテムを作成できたり、超便利!  【アイテム作成】と【魔法創造】──二つのスキルが相乗効果を生み、ロアは驚異的な成長を遂げていく。  ※2/27日間総合1位 3/3週間総合1位

4/4ー俺の親が自重しなかった結果チートな身体を得た。

ギン
ファンタジー
病気がちで子供時代の殆どを病院で過ごした黒鉄 倭人《クロガネ ワヒト》は人生の最後をそのまま病院にて終わらせる。 何故か先に異世界転生していた、自重しない親のおかげ?でチートな身体を得た主人公。 今度は多分、丈夫な身体でこの世界を楽しむ予定だ、異世界を異世界らしく生きて行きたい所だが、何せ親が先に来ているから。大体のことはもうお膳立てされている。そんな異世界を、自分のやりたい様に行動して行く。親父もハーレム作ったから。自分も作ろうかなとか思ってるとか、思ってないとか。 学園編、冒険者編、各種族編までは構想があるのでサクサク進める事を目標にしています。 そんなお話です。 2章のエピローグまでは1日1話程度の更新で進もうと思っています。 1日分で3000文字↑の量になります。 小説家になろうでも同じ小説で執筆中です。見やすい方でどうぞ。

処理中です...