加護なし少年の魔王譚

ジャック

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1章

第9話 英雄と無加護①

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ゼノンが入学してから1ヶ月がたった。その間も嫌がらせは容赦なく続いている。もはや嫌がらせというレベルを超えていて魔法を打たれて怪我をするなんて日常茶飯事だ。最近ではレイシェレム学院のサンドバッグ状態である。

ゼノンの現在のあだ名は『無能』『奴隷』のどちらかである。

(先生からもそう仕向けられている以上助けを求めるのは無駄か…。まぁ元から学校には期待していないし、無加護の俺が入学したらこうなることは分かっていた。だが、想像以上に加護の差による差別が激しいんだな……。俺だって無加護が良くて選ばれたわけじゃないんだけど)

制服は既にボロボロである。1か月前のようなピカピカな姿はどこにもない。破れた箇所には糸で縫い合わせられていて王国有数の教育機関であるレイシェレム学院には似つかわしくない服装となっている。

それでも鍛錬を続け、学校では真面目に授業を受けている。しかしどれだけ努力を積み重ねても認めてもらえるということはない。最近ではどの授業でも先生からも基本的にゼノンはいないものとして扱われる。

時折、ミオと出会い話すことがあるがそうなる度に憎しみの目を向けられいじめはグレードアップしていく。ちなみにミオにはバレないようにイジメられている。ゼノンもそのことをミオに報告するなんてことは無い。

入学式の日以来ラルクとも話すことは無い。

(孤独だなぁ……。昔から孤独ってことは感じてたけどこれはまた違う孤独だなぁ)

「今日の授業は対戦形式の授業を行う!」

今はレイシェレム学院が保有している大きな運動場にEクラス全員が移動している。服装はそれぞれ自由となっている。騎士の鎧をつけるものもいればローブを纏い、魔導師のような格好をする人もいる。ちなみにゼノンは制服である。武器は村長から貰ったナイフのみ。理由は純粋に金がなく、買う暇もなかったからだ。なので今も他のクラスメイトから笑われている。

 Eクラスの生徒は他の生徒からは落ちこぼれと言われ続け、目に宿るやる気も削がれていた。それでも無加護よりは強いというのが彼らのモチベーションとなっていた。

結果としてファナが言っていた通りになったのだ。

「今から2人組を組んでもらい、簡単な模擬戦を行う。編入生は編入試験の時のようなものだと思って貰えればいい。できる限り自分と似た戦闘スタイルのものと組むように。それでははじめ!」

教師の号令により、ペアを組み始めるがもちろんゼノンと組んでくれる人なんていない。無加護より強いということが自分たちのプライドである以上、偶然とはいえ貴族に勝ったゼノンとは相手をしたくないのだ。ゼノンもそれをわかっているから自らグラウンドの端へと移動し、筋トレを開始する。

すると突然グラウンドがザワつくのを感じた。ゼノンは筋トレをやめてクラスメイトのいる方を見る。そこには……

「ファ、ファナ先生!?どうしてここに!?」
「いえ、この時間帯は暇でしたので。グラウンドを見て少し見学でもしようかと思いまして……。もしかしてお邪魔でしたか?」
「い、いえいえとんでもない!私の授業などを見学していただけるだなんて…。生徒たちもやる気に満ちてありがたいです!」
「そう謙遜なさらないでください。ルーム先生の授業は生徒からも好評なんですよ」

ルーム先生やEクラスの男子生徒だけでなく同性まで魅惑するような笑みを浮かべながら銀髪を揺らすファナをゼノンは遠くから見ていた。

(あれがミオ、アルスたちのSクラス担任…、そして"英雄"…人間の中でトップに位置するファナ=ディアナ先生…か……。入学式ん時に見たけどこんなに近くで見たのは初めてだな。凄いな。隙がない。さすがは英雄…か…)

何故かゼノンは自分の血が騒ぐ感覚に陥った。

ゼノンはその瞳を見開き、彼女を見学する。ただ脱力して楽しげに同僚と話を弾ませているがゼノンが不意打ちを仕掛けても成功しないということを瞬時に悟った。

(魔王になるならいずれ超えなきゃならない壁であり、そして──………)

ゼノンの目には彼女がどういう存在に写っているのか─。

憧憬か嫉妬か羨望か色欲か敵か………。

それは誰にも分からない。

観察が終わればいつも通り(?)の筋トレに戻る。それしか今のゼノンにできることはない。

「298…299…300…!!うっし!スクワット3セット目終わり!次は素振りだな!」

村長から貰ったナイフを片手に「1、2…」と数を数えながら丁寧に素振りを始める。時々、蹴りのモーションやフェイントを入れたりしながら。

その瞬間の出来事だった。

Eクラスの全員は授業の疲労で休憩していた。その時にびゅうと大きな風が吹いた。

「13、14……」

(ッ!?)

ゼノンはすぐに気づいた。何かが迫っていることに。そして持っていたナイフを構えて迎撃した。

「貴様ッ!!をどこで手に入れた!!?誰から奪った!!!?」

「……15…。なんのことですか?


ガッキィィン!!

ファナ先生の剣とゼノンのナイフが火花を散らしながら衝突する!

「何だ!?」「何が起きたの!?」「お、おいあそこ!!」

Eクラスは何が起きたのか理解することが出来なかった。唯一ゼノンだけは自分に向けられた殺気に反応することで迎撃することが出来たのだ。

Eクラスはゼノンとファナが激突していることに気づき、休憩をやめてそちらに注目する。

「グッ!?くっ!!」

2人の競り合いは続く…ように見えたがすぐに決着がつく。

「質問に答えろ!!」「うおっ!!」

ゼノンが競り負け、後ろへ飛ばされる。

(マジかよ……。力で競り負けた……。お互い魔法は使ってないというのに!!くそっ!8年も鍛えたんだぞ!?筋肉だけならこの学院でも負ける気がしねぇって言うのに!)

内心舌打ちをしながら愚痴るゼノン。

(これが英雄……。これ程とは……)

「最近は教師から生徒への体罰も激しいですね……」

「質問に答えてもらいましょうか」

「なんのことを言ってるのか分かりません。少なくとも俺があなたの敵ではないことは本当です。なのでその剣を収めてください」

そう言ってゼノンは自分のナイフを収める。

(本当になんのこと言ってるのか分からねぇ。間違いなくファナ先生と俺はでは初めてのはずなんだよな)

「舐めた真似をッ!!!」

ファナ先生は怒りで震えながらゼノンの方へ斬り掛かる。

「ふぅッ!!」

ファナ先生の突きを横に飛ぶことで避けるゼノン。

(クソっ!こっちは武器収めたって言うのに!!最近の体罰は物騒すぎるだろ!!?)

「逃がすはずがないでしょ!!」

「ウソだろ!?」

ファナ先生はそのまま剣を横薙ぎに払う。それをゼノンは避けきることが出来ず、左腕を掠ってしまう。そこから血が流れ出す。

(技と技の間のタイムラグがほとんどなかった。だからといってあの突きは本物だ。フェイントのようには見えない)

つまり技術のレベルが違うのだ。通常なら攻撃から攻撃に移るのに僅かなタイムラグが生じる。どうしても重心の移動などに時間がかかる。それは体幹を鍛え上げてるゼノンでも同じ。だと言うのにファナ先生はそれを感じさせなかった。ゼノンとの…差は歴然としていた。

(それにしてもなんで"英雄"が無加護の俺を襲う?)

まさか無加護だからという理由か?と考えるゼノンだが、ゼノンが無加護なのを学校側が知らないはずはないと棄却する。実際にその通りだった。なぜならゼノンが入学できたのは間違いなくファナ先生の言葉があったからだ。

なら他に"英雄"がゼノンを襲う理由は?ゼノンはファナ先生の攻撃を観察し、避けながら考える。

(クッソ!この人の攻撃速すぎる!あぁ!考えることができねぇ!!会長と修行してて良かった!!!)

少し前までのゼノンなら目で追うのが精一杯だっただろう。しかし、会長との修行でゼノンの動体視力と身体能力はかなり上昇していた。

「さっさと答えなさい!!」

「何の話をしているんですか!?」

「その力のことよ!!!!ハァ!!」

「グッ!!」

ブシュゥ!

と斬られた箇所から血が吹きでる。勢いよく飛び出てファナ先生にも付着する。

ファナ先生はゼノンの血のついた剣を止まることなくゼノンに振るい続ける。

(力……奪う……どうやって……)

ファナ先生の言葉の節々を思い出し、ゼノンの中でひとつの仮説が生まれた。

(……………)

もし仮にファナ先生が言っていることが血液魔法なら何となく納得出来る。

"人間"の"英雄"がゼノンを何らかの方法でゼノンのステータスを見た……。そして"魔族"の王"魔王"が保持していたと言われる力─血液魔法─を持っていた。ならば殺そうとするのも納得できた。加えてゼノン自身もどうやってこの力を手に入れたのかうまく説明できないことを加味すると、血液魔法が関係しているんだと思った。

(これ以上考えても意味ないな!それ以上に考えてる暇がねぇ!!)

ゼノンは1度考えることを放棄して後ろに飛ぶことで、攻撃を回避する。

Eクラスの生徒はただそれを見ていることしか出来なかった。

「ファナ先生ってSクラスの勇者でも傷つけられなかったんだろ……?」
「うん……。」
「Sクラス全員でかかっても勝てなかったって聞いたぜ……」
「なんでその攻撃を避けれてんだよ……。あのクソ無加護」
「ふ、ふん!避けるだけなら簡単なんだろ!それと運がいいだけだ!」

(いや、無理だ……。あんなの俺なら避けれない……)

父が騎士団に所属しているラルクはゼノンとファナ先生の攻防を見ただけですぐに分かる。父に修行をつけてもらっている自分でも不可能だと。

(ゼノンのやつ……何者なんだ!?)

「逃げ足は早いのね……デモンストレーションだったとはいえ、こんなに避けられるなんて思わなかったわ」

「まぁそれだけが取り柄なんで」

そうは言いながら身体中切り傷だらけで息を切らしながら虚勢をはるゼノン。

(あれがデモンストレーションだと!?冗談よせよ……。俺は全力だって言うのに!労働中毒ワーカーホリックもいいところだぜ。休みやがれ!!)



「……は?」

何を?と言う言葉が出そうになるがファナ先生の構えが変わって、魔力の濃さを見てゼノンの警戒をあげる。ファナ先生は剣を地面と水平に構えその切っ先をゼノンに向ける。

「剣を抜きなさい…。ここからは本気よ……」

この言葉が嘘でないことはすぐに理解させられた。ビリビリと感じるファナ先生の魔力ほんき…。それは遠く離れていたEクラスの生徒や教師のルーム先生ですら顔を青ざめさせる。

「……抜きません……」

しかし、ゼノンはその殺気をその身に浴びてなお真っ直ぐな瞳をファナ先生に向けてナイフに手をかけなかった。

「……舐めてるの?」

「まさかそんな余裕ないですよ。ただあなたは俺の敵じゃない。それだけです……」

「……そう……。としてせめてもの慈悲をあげたつもりなんだけど……。…命は取らないであげるわ」

「……そうですか……。それは優しいですね……」

「えぇ。殺してしまったら拷問出来ないもの。死より苦痛な拷問をしなきゃならないって言うのに……」

(……怖すぎだろ……)

心の中で恐怖するゼノン。しかしそれ以上は油断することは許されずただじっとファナ先生の動きに注視する。

「……スキル:死突」

その瞬間今日2度目の暴風が学院を襲った。

「「「「「ウォッ!!!」」」」
「「「「「キャァァ!!」」」」」」

その風は1回目と同じくファナ先生がゼノンへの突撃により起こったものだが規模が違った。一回目は広いグラウンドを覆うぐらい。しかし2回目は学院中に届き、その校舎を揺らすほどだった。

グラウンドではスカートがめくれる……などというものでは無い。人ひとりぐらいなら飛ばせそうなぐらいの風だった。

その衝撃でグラウンド辺り一面は砂煙に襲われる。スカートがめくれていたとしても見ることは決して出来ないほどだ。

そして徐々に目を開けれるほどには景色が回復していく。

そこには……

「冗談だろ………?」

その一撃をギリギリ体を傾けることで避けていたゼノンと剣でゼノンを貫こうとしていたファナ先生がいた。

(あと一歩身体能力強化が間に合わなかったら確実に死んでした。正直避けられたのはラッキー……)

ゼノンの貫こうとしたその一撃は一直線にその先に存在するものを綺麗に貫いていた。

「ハァッ!!」

「しまッ!!グッ!!」

先程と同じように剣を横ナギにすることでゼノンに斬り掛かる!先程の一撃で動揺していたゼノンはその一撃に反応が遅れ、ザシュッ!と横一文字に切られてしまう!

「余所見してる場合ですか?」

しかし、ファナ先生の攻撃は決して止まらない。むしろスピードはどんどん上がっていく。その度に避けきれず傷を増やしていくゼノン。

(どこが『命は取らない』だよ!!!!殺る気満々じゃねぇか!!!!)

ゼノンは何度も襲ってくる脅威に傷を負わされても決して止まることなく、立ち向かい続けた。

「いけぇ!ファナ先生!!そんな無加護なんてやっちまえ!!!」
「ファナ先生!すごい!無加護なんてやっちゃえ!!」

Eクラスの生徒も思わずファナ先生を応援していた。……ただ1人を除いて……。

ファナ先生のそのとんでもない速さで襲ってくる猛撃にたまらず距離を取ろうとするゼノン。

「それは悪手ですよ。精霊よ!我が魔力を糧に!!業火球!!風斬りリーフスラッシュ!!」

「うわぁぁ!!!」

ファナ先生によって生み出された炎がゼノンを襲い、風がその体を切り裂く。ゼノンはそれに反応することが出来ず、無加護のゼノンは抵抗することも出来ずモロに食らってしまう。

炎の中級魔法と風の初級魔法だが、そこらの魔道士とは全てが違った。詠唱速度が違う。早すぎる。魔力の質が違う。流れる魔力落ち着いてる。そのおかげでスムーズに魔力を移動、そして1度に多くの魔力を込めることが出来る。威力が違う。

「終わりです」

ファナ先生は隙を許すこと無くゼノンに向けて追撃する。

(その構えは!!)

すぐにわかった。先程の突き技だと。既に足と腕に力を溜めているのが分かる。

「フッ!!」

既に全身を切り傷で襲われて意識が途切れる寸前のゼノンは地面の砂を思いっきり蹴りあげファナ先生の視界を砂で埋め尽くす。

(あの突きは強力だけど、範囲は狭い!これなら避けれる!)

ゼノンはそのまま横っ飛びをしてスキル:死突を回避しようとするが……

「それも悪手です」

「なっ!!!?」

飛んだ方向からファナ先生の細剣が現れ、そのまま反対側へと吹き飛ばされ、体育倉庫へと激突してしまう。

(まさかの…フェイントかよ……。ここでそれは反則だろ……)

ゼノンは既に意識を失う寸前だった。立つことはおろか、体を動かすことも難しい。そのからだは自分の血で塗られており、所々火傷しているようにも見える。

ファナ先生はゆっくりとゼノンへと向かう。…死へのカウントダウンのようにも感じてしまう光景だった。

Eクラスは誰も動けない。動いても一瞬で終わる。

そもそも彼らに無加護を助ける義理なんてないのだ。

(殺される……)

本能でゼノンはそう感じた。

Eクラスは何やら盛り上がっている声が若干だがゼノンにも聞こえる。口からも血が出てくる。

聞こえる音がほとんどなくなっていく。その中でゼノンにもはっきりとや声が聞こえた。

「や、やめろぉぉぉぉ!!!!」

その声に反応してゼノンはかすれた目で前を見る。そこには………

「お前……なんで…………」

「…どういうつもりですか?ラルク=ジュード君」
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