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1章
第5話 試験結果
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「247…248…249……250!!よし!今日の筋トレ終わり!ふぅ。今日は魔力切れになるほど魔法使わなくていいから楽だな」
王都から少し離れたところに草原がある。現在ゼノンはそこにいた。理由単純にお金が無いからである。ホテルに行こうとしてその金額に驚いたのだ。金欠な魔王なのだ。
今では『今日の目標』のトレーニング回数を上がっている。例えば腕立てやスクワット、腹筋などは合計500回程度となっている。しかしゼノンは基本的に目標の回数を超えることがほとんどだ。
今日も腹筋、背筋、スクワット、腕立て伏せを250×3セットこなしている。それだけでなく体幹もランニングも剣の素振りも行った。
時間があるなら筋トレ!それがゼノンの座右の銘になりつつある。
そして夜になり、ゼノンは疲れにより睡魔に抗わず眠りに落ちる。
「グッ……!が、ガァァァ!!!」
夢を見れば地獄のような光景に苦しめられると知りながら。最近では自分が死ぬという夢も見た。これもキツいが1番はやはり守りたいものを守れず死んでいくことである。精神力をかなり上げたゼノンであるが、やはりこれはきつい。
金がなくて王都に泊まらなかったのも事情のひとつだが、夢のことも含まれる。
「はぁ…はぁ…!」
そして太陽が目覚め始めるのと同時にゼノンも目を覚ます。
すぐにゼノンは皮袋からあるノートを取り出す。そこには今までゼノンが見たあらゆる未来が書かれていた。
思い出すことはかなりキツイが貴重な情報には変わりない。それを忘れないようにメモしていた。
メモして分かったが見ているのは未来の色々な分岐点なのだ。
例えばミオが死ぬ未来ひとつでも色々なものがある。魔王に殺される…、魔族に殺される…、味方に裏切れられる…など。もちろんこの中には天寿を全うして死ぬというものもある……はずと信じている。少なくともゼノンは今まで見たことは無かった。
それはそうとしてゼノンは今強大なるピンチの状況にあった。それは……
「やばい……。金がねぇ……」
金欠である。
一応ソツ村のみんなから分けてもらったがそもそも向こうでは金を使う機会が少ないため、あまり持っていないのだ。
王都に来てから既に1週間が経つ。今日は試験の結果発表の日なのだが、ゼノンからしてみればもはやそれどころではない。
先日ゼノンにある勧誘が届いた。王都ホームレス協会というものだ。通称ホム協。
食べ物乞いや、ゴミ荒らしなどを行い食糧を確保しみんなで分け合うという人間のプライドを捨てながらも優しさはあるという善心的な組織である。
(~~!!楽しみだなぁ!!こういう感じは初めてだな!)
それはそうとゼノンは今興奮と緊張の渦の中にいた。ドキドキしながら結果を予測する。その顔はどこにでもいる少年の顔だった。
無意識のうちに早歩きへと変わり、学院を目指す。
学院に着くと周りからは嫌な目で見られるが、ゼノンは全く気にしない。
結果が書かれている前にはたくさんの人がいるがゼノンの視力の前ではほとんど意味がなかった。
「362……362……362…!あった!!362!!!!」
362番、そうはっきりと書かれてあった。その隣には(E)とも書いてある。これがなんのことかゼノンには分からなかった。
「~~!!よし!!よっっし!!!」
(長かった…。8年…8年努力したことは無駄じゃなかった…!!この程度で喜んでられないけど……。でも、ここからだ!ここから俺の物語が始まるんだ!!絶対に守ってみせる!)
その場で興奮してしまうゼノン。それはゼノンの8年の努力が報われた瞬間だった。目標は魔王になり、みんなを守ること。そのために努力してきたことが目に見えて現れたことが嬉しかったのだ。
「無加護でも……、入学出来た!!」
少し本当に少しだが、ゼノンの目には涙を浮かんだ。
「おぉ!ハルク、すごいじゃないか!!」「やったわね!!」
「ありがとう!父さん、母さん!」
ゼノンの近くではハルクがいた。それを確認したゼノンは合格者が書かれている番号を再確認する。362番の上には360番の数字があった。
(ハルクも受かったか…。まぁ何となくそうかなって思ってたけど…。話しかけたら悪いし今日は帰るか…)
そしてここからゼノンの過酷なレイシェレム学院での日々が幕を開ける。
王都から少し離れたところに草原がある。現在ゼノンはそこにいた。理由単純にお金が無いからである。ホテルに行こうとしてその金額に驚いたのだ。金欠な魔王なのだ。
今では『今日の目標』のトレーニング回数を上がっている。例えば腕立てやスクワット、腹筋などは合計500回程度となっている。しかしゼノンは基本的に目標の回数を超えることがほとんどだ。
今日も腹筋、背筋、スクワット、腕立て伏せを250×3セットこなしている。それだけでなく体幹もランニングも剣の素振りも行った。
時間があるなら筋トレ!それがゼノンの座右の銘になりつつある。
そして夜になり、ゼノンは疲れにより睡魔に抗わず眠りに落ちる。
「グッ……!が、ガァァァ!!!」
夢を見れば地獄のような光景に苦しめられると知りながら。最近では自分が死ぬという夢も見た。これもキツいが1番はやはり守りたいものを守れず死んでいくことである。精神力をかなり上げたゼノンであるが、やはりこれはきつい。
金がなくて王都に泊まらなかったのも事情のひとつだが、夢のことも含まれる。
「はぁ…はぁ…!」
そして太陽が目覚め始めるのと同時にゼノンも目を覚ます。
すぐにゼノンは皮袋からあるノートを取り出す。そこには今までゼノンが見たあらゆる未来が書かれていた。
思い出すことはかなりキツイが貴重な情報には変わりない。それを忘れないようにメモしていた。
メモして分かったが見ているのは未来の色々な分岐点なのだ。
例えばミオが死ぬ未来ひとつでも色々なものがある。魔王に殺される…、魔族に殺される…、味方に裏切れられる…など。もちろんこの中には天寿を全うして死ぬというものもある……はずと信じている。少なくともゼノンは今まで見たことは無かった。
それはそうとしてゼノンは今強大なるピンチの状況にあった。それは……
「やばい……。金がねぇ……」
金欠である。
一応ソツ村のみんなから分けてもらったがそもそも向こうでは金を使う機会が少ないため、あまり持っていないのだ。
王都に来てから既に1週間が経つ。今日は試験の結果発表の日なのだが、ゼノンからしてみればもはやそれどころではない。
先日ゼノンにある勧誘が届いた。王都ホームレス協会というものだ。通称ホム協。
食べ物乞いや、ゴミ荒らしなどを行い食糧を確保しみんなで分け合うという人間のプライドを捨てながらも優しさはあるという善心的な組織である。
(~~!!楽しみだなぁ!!こういう感じは初めてだな!)
それはそうとゼノンは今興奮と緊張の渦の中にいた。ドキドキしながら結果を予測する。その顔はどこにでもいる少年の顔だった。
無意識のうちに早歩きへと変わり、学院を目指す。
学院に着くと周りからは嫌な目で見られるが、ゼノンは全く気にしない。
結果が書かれている前にはたくさんの人がいるがゼノンの視力の前ではほとんど意味がなかった。
「362……362……362…!あった!!362!!!!」
362番、そうはっきりと書かれてあった。その隣には(E)とも書いてある。これがなんのことかゼノンには分からなかった。
「~~!!よし!!よっっし!!!」
(長かった…。8年…8年努力したことは無駄じゃなかった…!!この程度で喜んでられないけど……。でも、ここからだ!ここから俺の物語が始まるんだ!!絶対に守ってみせる!)
その場で興奮してしまうゼノン。それはゼノンの8年の努力が報われた瞬間だった。目標は魔王になり、みんなを守ること。そのために努力してきたことが目に見えて現れたことが嬉しかったのだ。
「無加護でも……、入学出来た!!」
少し本当に少しだが、ゼノンの目には涙を浮かんだ。
「おぉ!ハルク、すごいじゃないか!!」「やったわね!!」
「ありがとう!父さん、母さん!」
ゼノンの近くではハルクがいた。それを確認したゼノンは合格者が書かれている番号を再確認する。362番の上には360番の数字があった。
(ハルクも受かったか…。まぁ何となくそうかなって思ってたけど…。話しかけたら悪いし今日は帰るか…)
そしてここからゼノンの過酷なレイシェレム学院での日々が幕を開ける。
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