君を好きになるなんて絶対にありえない!

ジャック

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2章

第39話Side北風真美

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「あ…。雪だ…。」

 荒木くんと公園で別れて家に帰るまでの途中で雪が降ってきた。それにしても私…何しちゃったんだろう!!?

 まさか荒木くんが『ギュッてして』なんて言うお願いを叶えてくれるなんて思わなかった!今日色々なことがあったから最後に1番いい思い出を作りたくてお願いしたけど本当はそんなこと叶えてくれっこないって思ってたのに!


 荒木くんは特に運動なんかしてないって言ってたのにとてもガッチリしてた。今日の中で1番荒木くんを近くに感じて…、だからとても嬉しくてはずかしくて…。だから心臓がすごくバクバクして…。今でもしてるけど。荒木くんにも聞こえちゃうって思ってたら心臓の音が聞こえてきて…。最初は私の音だっ!って思ってたんだけどすぐに分かった。それは荒木くんの音だって。

 それが私にはとても嬉しかった。だって私のこと意識して貰えたっていう証拠でしょ?それなら今日のデートの目的は達成したと言える!

…思い出したらまた顔が熱くなってきた…。まだあの時の感触を忘れることができない。それに…。

『真美…。』

 また荒木くんが名前を呼んでくれた!あの時は名前っていうか『北風』でも良かったのに名前で呼んでくれた!あぁ~今日は楽しかったなぁ!…絶対に忘れることができない1日になった!…荒木くんにとってもそうならいいなぁ。

「ふふっ。ただいまぁ~♪」

 今日のことを思い出していたらいつの間にか家に着いた。

「「おかえり~!」」

 玄関の扉を開けると目の前にはお母さんと雪乃がいた。まさか目の前にいるとは思わなかった。

「ど、どうしたの?」

「話の続きを聞かせてもらおうかしら~?」

「は、話?荒木くんとの今日の話なら全部話したよ?」

「違うよ、お姉ちゃん。今度はだよ。」

 ッ!?それは…!確かにさっき荒木くんがいた時は今日あった出来事しか話してないけど…。
 
「それにちょっと見送るには時間がかかりすぎじゃない?お母さん心配だわ~」

 うっ!確かに公園で色々したから時間はかなりかかったけど…。その時の出来事を話すのは…恥ずかしい。だって『ギュッてして』ってお願いを叶えてくれたあの時の状況も話さないといけないってことだから!

「それじゃあお話の続きはリビングに行ってからよ~!コーヒーの貯蓄もまだまだあるしね!」

「お、お手柔らかにお願いします…。」

 こうなったお母さんは満足してくれるまで止まることはない。はぁ。私もカフェイン摂取しようかな?

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 今はお風呂も入ってあとは寝るだけの状態で私の部屋にいる。あの後割と早くに解放してくれた。全部話しきっていないんだけどお母さんと雪乃が

『これ以上はカフェイン中毒になるからギブ。』

 ということでお開きになった。2人ともかなりのコーヒーを飲んでいたけど大丈夫かなぁ?まぁまた明日にはお話することになるんだろうけどね。それにしても雪乃はいつの間にあんなにコーヒーを飲めるようになっていたんだろう?

…今は11時…。いつもならそろそろ寝る時間だ。

 本当は荒木くんに電話しようかな…?って考えてたんだけどさすがにこんな時間じゃ迷惑だよね…。…それに電話する勇気がちょっと出ない。何話したらいいのか分からなくなりそうだし。

あっ!そうだ!RINEしよう!

  私はスマホを開いてすぐに荒木くんとのRINE画面を開く。でも…何を打ったらいいのか全く分からない!どうしよう!?時間も遅いし言うなら簡潔にまとめないと!

『正月楽しみに…』これは違う気がする。打っては消して…打っては消してそうして簡潔にまとめた言葉を送った。

『今日はありがとね!とっても楽しかったよ!またデートしようね笑』

 …夜遅いから返信も期待していない。そう思っていたけど3分後には既読がついて返信が来た。

『俺も…楽しかった』 

 良かった。荒木くんも楽しんでくれたみたいだ。…今日のこと、ずっと覚えてくれたら嬉しいなぁ。そんなことを考えていると荒木くんからもう一通返信メールが来た。

『楽しみにしてる』

 え…?ちょ、ちょっと待って!これってもしかして…デート!?ウソ!?冗談のつもりで言ったのに!いやでもこれも荒木くんの冗談ってことかも……。

でも…、そんな冗談を言ってくれるぐらい楽しかったってこと…だよね?なら今日は大成功だ!

あっ!そうだ!これをスクリーンショットして…と!よし!これで次のデートの口実が出来た!次はどこに行こっかな~?

 そんなことを思っていたらまたスマホが振動した。荒木くんからメッセージが届いたみたいだ。

『おやすみ』

私もすぐに既読をつけて返信した。

『おやすみ!』 

 …今日荒木くんと撮ったプリクラ…。よく見ると私、上手く笑えてないなぁ。緊張しちゃってる。それは荒木くんも同じだけど。せっかく形に残るものだから綺麗な姿が良かったなぁ。

 私はスマホをベッドの上に放置して勉強机に向かう。勉強机の上には今日荒木くんがプレゼントしてくれたカミラと…今日私に貸してくれたマフラーが置いてある。…マフラーは後で返そうと思っていたら忘れちゃった…。正月にまた返そう!

 私はカミラをギュッと抱きしめる。…公園で荒木くんが私にしてくれたように。荒木くんがずっとぬいぐるみを持っていたのでカミラからは荒木くんの匂いがする。爽やかでいい香り…。それにしてもちょっと素敵すぎるプレゼントを貰いすぎたなぁ。また今度お返ししようかな?

「あっ!そうだ!」

 私は引き出しから文化祭の時に荒木くんから貰った仮面とバッグからハンカチを取り出す。そしてそのふたつにマフラーを合わせてカミラに着せる。

うん!どことなく荒木くんに似てる気がする!

 それを抱いたまま布団を被った。

「かーくん、今日はありがとね。……大好きだよ…。おやすみ……」

 私はかーくんに見立てたカミラに向かって独りつぶやく。こんな事を素直に言えたらいいのに…。だけど実際に荒木くんを前にすると上手く言葉が出てこない。今はまだゆっくりでもいいかな?でも…、いつか私の言葉でちゃんと伝えることが出来たらいいなぁ。

今日はなんだか今までの中で1番いい夢を見れそう!
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