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2章
第30話
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「この後どうする予定なんだ?」
「ん~。ここからはあんまり決めてないんだよね。荒木くんはどこか行きたいところある?」
そんな事言われてもなぁ。そもそもここに詳しくないから何があるのか知らないし。
「……あ。ある。服屋さんに行きたい。」
俺は今着ているこの服以外に普通の服がない。だいたいは陽に笑われるような服だからだ。それにこの前北風の部屋着見てから、自信無くしたんだよな。
「いいねぇ~。せっかくだから私がコーディネートしてあげようか?」
「あぁよろしく頼む。」
「…えっ?いいの?」
何を驚いているんだろうか。自分から提案したはずなのに。そもそも北風も俺の私服のダサさは知っているはずなのに。
「こちらから頼みたいぐらいだ。」
「や…やった!これで荒木くんを私好みに変えれる!」
?何を喋っているのか全くわからなかったけどとりあえずコーディネートはしてくれるみたいだ。これは正直助かるな。
次に行く場所も決まったので、会計をしよう。今回、北風のパスタ代は全て貰っている。それを俺が払うって感じだ。北風は入口を出たところで待っているらしい。俺が「危ないぞ」って言ったら「ナンパされたらすぐに荒木くんのところに行くから大丈夫!」と言われたのでしんじることにした。
「あの…先程は本当に失礼いたしました。」
「あ…いえいえ。お気になさらないでください。もう乾きましたし。ミスなんて誰にでもあることですから。」
本当はまだ濡れてるんだどな。
「ありがとうございましたー!!」
よし!会計も済ませたし、出るか!北風も待ってる事だし…。って思ったら北風は入口でとうとう女子になんぱされていた。
逆ナン…いや、裏ナンか?
「すみません。俺はこの子の彼氏なんですが。」
さっきみたいに威圧するのでは無く、朗らかに行く。まだ何が起こっているのかよく分からないし。
?見たことない…と思う。多分俺たちと同じ佐倉高校の同級生では無い気がする。そもそもおれは学校で知り合いが少ないから半分ぐらい知らないんだけど。でも、すれ違ったこともないと思う。この人結構ケバい感じがするからな。香水も結構つけてるのか?匂うな。
北風が誰かとデートしてたって噂が流れるのはいい。相手が俺だってどうせみんな分からないんだから。謎のイケメンと学校一の美少女がデートしてたって噂が流れるんだろう。別にそれはいいが俺の態度は良くしといた方がいいだろう。あんまり悪い人が北風と付き合ってるという噂が流れるのは北風に迷惑がかかる。
「へぇ。この子が今の遊び相手なんだ~。カッコイイねー。」
「違っ!!」
「私はこの女と同じ小学校で中学校なの。」
女って部分に強調があった気がする。
「あぁ。そうなんですか。俺の彼女がお世話になりました。」
俺はお礼をして頭を下げる。
待った。これ正しいのか?付き合ったことないからわからないけどこれは彼氏として正しかったのか?
「あっはっは。君面白いねぇ。名前なんて言うの?」
「荒木です。」
「荒木くんかー。面白かったから特別に教えてあげる。君ね、この女に騙されてるよ。」
「っ!?だから違っ!!」
「違わないわよ!あんたとは仲がいいと思っていたからあなただけに私の好きな人を教えていたのに!どうしてあの人はあんたのことを好きになってたのよ!あんたが何かしたからに決まってるでしょ!?」
「ほ、本当に何もしてない!」
「被害者は私だけじゃないわ。もっと沢山いる。あんたは人気で有名な男子を片っ端から誑かして惚れさせて告白させてフッたじゃない!!どうせ股でも開きまくったんでしょ!!あんた、ちょっと可愛いからって調子乗って!なんでも許さるなんて思わないでよ!!」
「っ!!」
なるほど。そういうことか。状況を理解した。
北風は何も言わない。ただ悔しそうにしていた。
「ほら、何も言わない!私が正しいって認めたんでしょ!だから君も早くこんな女、フッた方がいいわよ。じゃないといつか後悔することになるわ。確かに惚れてた女が簡単に股を開くようなビッチで悲しいかもしれないけど、真実よ。辛いなら私が慰めてあげようか?同じこの女に騙されたもの同士。仲良くしましょ。」
「……北風、いいのか?」
北風は目に涙を貯めてでも、必死に泣かないようにしていた。
「違う…。本当に違うのに…。」
はぁ。実はこれ付き合ってなかったんですーみたいな感じで切り上げようと思ってたんだけどなぁ。それなら何事もなく済んだのに。何度言えばいいんだろうな。北風には笑顔が似合うって。泣いてる姿は見たくないって。
面倒臭いが、まぁ仕方ない。さっき助けてくれたお礼だ。俺は貰ったものは絶対に返す主義なんで。金も恩もな。
「いえ、結構です。」
「なっ!?」「っ!?」
2人とも驚いたように俺を見る。
「で、でもこの女との縁は切っておいた方がいいわよ!いつか後悔するわ!」
「ランニング、ヨガ、美容の研究、食事の研究…その他もろもろ。北風が中学の時から行っていたことらしいです。体型と美容を、キープするため?らしいです。」
この情報は雪乃ちゃん経由です。調べたんじゃないからな?雪乃ちゃんがメールでそういうことを送ってくるんだよ。受験生なのに暇なのか?
「それがどうしたのよ?男を誑かして落とすためでしょ?」
「美しくありたいから…だそうです。まぁ、そこはどうでもいいんですよ。」
「「???」」
「あなた…本当にその人のこと好きだったんですか?」
「えぇ、そうよ!2年間ずっとその人のことを思い続けていたわ!」
「そうなんですか。なのに一瞬で諦め切れるようなものなんですね。」
「なっ!?でも、そんなの人それぞれじゃない!」
「まぁ、そう言われたらそうですけど。本当に好きなら俺なら諦めませんけどね。掴むまで頑張りますよ。掴んだら離しませんよ?こんな風に。」
俺は北風をグッと抱き寄せる。とりあえずこれで北風は目の前のやかましい人を見なくてすむ。安心して欲しい。俺と北風との間にカミラくんがいるから直接触れていないぞ?本当は付き合ってもいないのにそんなことしたらマジで捕まる。本当に雪乃ちゃんに葬式来てもらうことになる。多分そうなったら来ないだろうけど。
「チッ!!それで!!!何が言いたい訳!?」
おぉっ。怒ってるなぁ。まだ油を注ぎたいところだけどこれ以上注いだら暴力を行使してきそうだから終わらせるか。
「いえ。まぁ、北風は美しくあるために努力してました。美しくあろうとして。その副産物としてモテていただけです。あなた達は努力も行動もしなかった。だから振り向いて貰えなかったんじゃないですかね?それにちょっとで諦めることが出来るぐらいの恋心なんですし。」
なんか北風が嫌な女のイメージになりそう。モテたくないのにモテてますみたいな。モテない俺からしたら嫌味かも。まぁ、いいか。北風は変わったんだ。本当のお友達もいるんだし。コイツひとりが友達じゃなくなっても大丈夫だろ。
「それで何が言いたのかって言うとですね、簡潔に一言でまとめると
ヒステリックな女はモテねーぞ。」
「っ!!」
「沈黙するのは自覚してる証拠ですか?」
「こんのっ!!いつかその女にフラれて後悔するがいいわ!!」
「まぁ、その時は俺の見る目がなかったことですね。」
ヒステリック女は怒ったままどこに行ってしまった。
「え…え…とあ、あの…。」
俺の手の中で北風はなにやら混濁している様子。
「これでチャラな。」
「えっ?」
「さっきパスタ屋で言って貰った言葉すげぇ嬉しかった。救われた。だからこれでチャラだ。」
俺は北風から手を離す。けど北風は何も動こうとしない。はぁ。こうなったら俺では北風を笑顔にすることはできないな。俺ではだが。
「悪い。北風、歩けるか。」
「えっ?あ、うん…。」
北風と手を繋いで少々無理やりかもしれないけど引っ張って人がいないところまで連れて行く。非常階段の所までつれていくことにした。
「ん~。ここからはあんまり決めてないんだよね。荒木くんはどこか行きたいところある?」
そんな事言われてもなぁ。そもそもここに詳しくないから何があるのか知らないし。
「……あ。ある。服屋さんに行きたい。」
俺は今着ているこの服以外に普通の服がない。だいたいは陽に笑われるような服だからだ。それにこの前北風の部屋着見てから、自信無くしたんだよな。
「いいねぇ~。せっかくだから私がコーディネートしてあげようか?」
「あぁよろしく頼む。」
「…えっ?いいの?」
何を驚いているんだろうか。自分から提案したはずなのに。そもそも北風も俺の私服のダサさは知っているはずなのに。
「こちらから頼みたいぐらいだ。」
「や…やった!これで荒木くんを私好みに変えれる!」
?何を喋っているのか全くわからなかったけどとりあえずコーディネートはしてくれるみたいだ。これは正直助かるな。
次に行く場所も決まったので、会計をしよう。今回、北風のパスタ代は全て貰っている。それを俺が払うって感じだ。北風は入口を出たところで待っているらしい。俺が「危ないぞ」って言ったら「ナンパされたらすぐに荒木くんのところに行くから大丈夫!」と言われたのでしんじることにした。
「あの…先程は本当に失礼いたしました。」
「あ…いえいえ。お気になさらないでください。もう乾きましたし。ミスなんて誰にでもあることですから。」
本当はまだ濡れてるんだどな。
「ありがとうございましたー!!」
よし!会計も済ませたし、出るか!北風も待ってる事だし…。って思ったら北風は入口でとうとう女子になんぱされていた。
逆ナン…いや、裏ナンか?
「すみません。俺はこの子の彼氏なんですが。」
さっきみたいに威圧するのでは無く、朗らかに行く。まだ何が起こっているのかよく分からないし。
?見たことない…と思う。多分俺たちと同じ佐倉高校の同級生では無い気がする。そもそもおれは学校で知り合いが少ないから半分ぐらい知らないんだけど。でも、すれ違ったこともないと思う。この人結構ケバい感じがするからな。香水も結構つけてるのか?匂うな。
北風が誰かとデートしてたって噂が流れるのはいい。相手が俺だってどうせみんな分からないんだから。謎のイケメンと学校一の美少女がデートしてたって噂が流れるんだろう。別にそれはいいが俺の態度は良くしといた方がいいだろう。あんまり悪い人が北風と付き合ってるという噂が流れるのは北風に迷惑がかかる。
「へぇ。この子が今の遊び相手なんだ~。カッコイイねー。」
「違っ!!」
「私はこの女と同じ小学校で中学校なの。」
女って部分に強調があった気がする。
「あぁ。そうなんですか。俺の彼女がお世話になりました。」
俺はお礼をして頭を下げる。
待った。これ正しいのか?付き合ったことないからわからないけどこれは彼氏として正しかったのか?
「あっはっは。君面白いねぇ。名前なんて言うの?」
「荒木です。」
「荒木くんかー。面白かったから特別に教えてあげる。君ね、この女に騙されてるよ。」
「っ!?だから違っ!!」
「違わないわよ!あんたとは仲がいいと思っていたからあなただけに私の好きな人を教えていたのに!どうしてあの人はあんたのことを好きになってたのよ!あんたが何かしたからに決まってるでしょ!?」
「ほ、本当に何もしてない!」
「被害者は私だけじゃないわ。もっと沢山いる。あんたは人気で有名な男子を片っ端から誑かして惚れさせて告白させてフッたじゃない!!どうせ股でも開きまくったんでしょ!!あんた、ちょっと可愛いからって調子乗って!なんでも許さるなんて思わないでよ!!」
「っ!!」
なるほど。そういうことか。状況を理解した。
北風は何も言わない。ただ悔しそうにしていた。
「ほら、何も言わない!私が正しいって認めたんでしょ!だから君も早くこんな女、フッた方がいいわよ。じゃないといつか後悔することになるわ。確かに惚れてた女が簡単に股を開くようなビッチで悲しいかもしれないけど、真実よ。辛いなら私が慰めてあげようか?同じこの女に騙されたもの同士。仲良くしましょ。」
「……北風、いいのか?」
北風は目に涙を貯めてでも、必死に泣かないようにしていた。
「違う…。本当に違うのに…。」
はぁ。実はこれ付き合ってなかったんですーみたいな感じで切り上げようと思ってたんだけどなぁ。それなら何事もなく済んだのに。何度言えばいいんだろうな。北風には笑顔が似合うって。泣いてる姿は見たくないって。
面倒臭いが、まぁ仕方ない。さっき助けてくれたお礼だ。俺は貰ったものは絶対に返す主義なんで。金も恩もな。
「いえ、結構です。」
「なっ!?」「っ!?」
2人とも驚いたように俺を見る。
「で、でもこの女との縁は切っておいた方がいいわよ!いつか後悔するわ!」
「ランニング、ヨガ、美容の研究、食事の研究…その他もろもろ。北風が中学の時から行っていたことらしいです。体型と美容を、キープするため?らしいです。」
この情報は雪乃ちゃん経由です。調べたんじゃないからな?雪乃ちゃんがメールでそういうことを送ってくるんだよ。受験生なのに暇なのか?
「それがどうしたのよ?男を誑かして落とすためでしょ?」
「美しくありたいから…だそうです。まぁ、そこはどうでもいいんですよ。」
「「???」」
「あなた…本当にその人のこと好きだったんですか?」
「えぇ、そうよ!2年間ずっとその人のことを思い続けていたわ!」
「そうなんですか。なのに一瞬で諦め切れるようなものなんですね。」
「なっ!?でも、そんなの人それぞれじゃない!」
「まぁ、そう言われたらそうですけど。本当に好きなら俺なら諦めませんけどね。掴むまで頑張りますよ。掴んだら離しませんよ?こんな風に。」
俺は北風をグッと抱き寄せる。とりあえずこれで北風は目の前のやかましい人を見なくてすむ。安心して欲しい。俺と北風との間にカミラくんがいるから直接触れていないぞ?本当は付き合ってもいないのにそんなことしたらマジで捕まる。本当に雪乃ちゃんに葬式来てもらうことになる。多分そうなったら来ないだろうけど。
「チッ!!それで!!!何が言いたい訳!?」
おぉっ。怒ってるなぁ。まだ油を注ぎたいところだけどこれ以上注いだら暴力を行使してきそうだから終わらせるか。
「いえ。まぁ、北風は美しくあるために努力してました。美しくあろうとして。その副産物としてモテていただけです。あなた達は努力も行動もしなかった。だから振り向いて貰えなかったんじゃないですかね?それにちょっとで諦めることが出来るぐらいの恋心なんですし。」
なんか北風が嫌な女のイメージになりそう。モテたくないのにモテてますみたいな。モテない俺からしたら嫌味かも。まぁ、いいか。北風は変わったんだ。本当のお友達もいるんだし。コイツひとりが友達じゃなくなっても大丈夫だろ。
「それで何が言いたのかって言うとですね、簡潔に一言でまとめると
ヒステリックな女はモテねーぞ。」
「っ!!」
「沈黙するのは自覚してる証拠ですか?」
「こんのっ!!いつかその女にフラれて後悔するがいいわ!!」
「まぁ、その時は俺の見る目がなかったことですね。」
ヒステリック女は怒ったままどこに行ってしまった。
「え…え…とあ、あの…。」
俺の手の中で北風はなにやら混濁している様子。
「これでチャラな。」
「えっ?」
「さっきパスタ屋で言って貰った言葉すげぇ嬉しかった。救われた。だからこれでチャラだ。」
俺は北風から手を離す。けど北風は何も動こうとしない。はぁ。こうなったら俺では北風を笑顔にすることはできないな。俺ではだが。
「悪い。北風、歩けるか。」
「えっ?あ、うん…。」
北風と手を繋いで少々無理やりかもしれないけど引っ張って人がいないところまで連れて行く。非常階段の所までつれていくことにした。
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