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1章
第20話
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文化祭は来週の土曜日に行われる。そして今日は金曜日。つまり文化祭まで残り1週間だ。
夏祭りの屋台と一口に言ってもたくさんの店がある。俺たちが出す屋台は4つに決まった。
焼きそば、綿あめ、仮面売り、スーパーボールすくいだ。
なんで仮面売り?って思うだろう。焼きそばと綿あめがすぐに決まり、スーパーボールすくいも割と早く決まった。残りの予算で何ができるかな?って考えたら安上がりな仮面売りになった。
だって仮面買ってきたらあとは適当な材料で店作れば終わりだしな。なのでクラスを4グループに分けた。それぞれの出店を作るためだ。
俺?俺は仮面売りだよ。だって飲食系は作り方やら機材やら大変そうだろ?スーパーボールすくいも、機材運ぶの大変だし、やったことないから何をどうしたらいいのか分からない。
消去法で仮面売りだ。ただ、仮面売りにしたのはいいけど問題がある。そもそもこの出店は余った予算で適当に作ろうぜという流れで出来たので、期待なんてされていない。ついでに作業も簡単だ。何が言いたいのかって?
つまり、仮面売りにかけられてる人数が少ない。なんと俺と陽の2人だ!少なすぎない?まぁ、でも仮面集めて看板書いたら終わりだけどな。
陽がなんでこんな地味なのを選んだのか聞いたら
「別に他の出店でも良かったんだけど、神楽とやる方が楽しそうだしな。それにお前にも楽しんで欲しいし。」
なんて事言い出すもんだから感動した。と思ったら
「ついでに、俺と神楽の2人だと店番のシフトを自由にできるから、海咲のメイド姿を存分に見て文化祭デートできるだろ?」
ぶん殴りたくなった。感動した俺の気持ちを返して欲しい。1番最後のやつが本音だとすぐにわかるわ。
店番のシフトも出店を作るグループで決めることになる。仮面売リは俺と陽の2人で回すことになるが、ほとんど客は来ないと思う。来るのは小さな子供か、ハイテンションでキャッホーしてる陽キャか、愛が天元突破してるようなカップルぐらいだろう。
だから、2人でも余裕で回せる。むしろ店番する方が暇だろうな。
昨日までに文化祭で売る仮面は買い集めている。そこまでたくさんは買ってない。そしてここからの1週間は看板を描いて出店っぽくするだけ。放課後には文化祭のための作業をするのだが、陽は部活なので、あまり時間を取ることは出来なさそうだ。
それでも、一緒に作業をしてくれるのはありがたい。俺も陽もそこまで絵心が無い訳では無いので、何とかなりそうだ。
「そういえばさ、神楽ってこの文化祭に誰か呼んでんの?」
「いや、誰も呼んでいないが?そう言う陽はどうなんだよ?」
「そっか。俺は家族が来ると思うぞ。」
家族…か。俺の両親は中学の時に亡くなった。まぁ色々あったんだが、それはまた話すとして、俺には3つ上のお姉ちゃんがいる。家族と呼べる人は姉ぐらいだろう。陽はこのことを知ってる。だから、俺の姉を呼ばないのか?と聞いたのだろう。
「俺は陽の家族には会ったことないな。」
「会えると思うぜ。この文化祭で。神楽のことも家で何回か言ってるし。会いたがってたよ。」
「そうか。家でどんなことを話してるのか知らないが、会えるのを楽しみにしとくよ。」
「おう!特に俺の妹なんか可愛いぜ!それにすげぇ会いたいって言ってたよ!」
「シスコンか?」
それはあんまり嬉しくないな。俺の異性に対する免疫は、0と言っても過言じゃない。年齢=彼女いない歴だからな!
涙でそう。
「違うよ!まぁ、見ればわかるはずだ!」
そんなことを言ってると時間になった。
「おっと!すまねぇ、神楽!部活に行ってくる!」
「あぁ、行ってこい」
そう言って陽は運動場の方に向かう。放課後は、文化祭準備優先の時間が50分ある後に部活に行く時間になる。だから、その50分を過ぎたから陽は部活に向かったのだ。
家族…ね…。俺は今一人暮らしをしている。姉はもう社会人で立派に働いている。そんな姉には親が亡くなってからかなりの迷惑をかけてしまった。いつかはその恩を返そうと思っているが…。
別にこの文化祭に呼ぶのはいいんだがな…。姉の仕事はモデルなのだ。ちょっとずつテレビにも出るぐらいの有名人になりつつある。そんな姉だが俺が「文化祭来て」って言ったら来るとは思う。だが、きっと無理して来るだろう。それは弟としてして欲しくない。
これは後で考えるとするか。それよりも
「今は看板だな。」
このペースで行けば本番までに完成するか分からない。だけど、明日からの土日に持ち込むのは嫌だ。ならば、
「やりますか。」
俺は看板に向き合い、一人黙々と作業をしていた。途中で周りを見ると、クラスメイトは全員帰っていた。それでも最終下校時刻まで続けた。
「よし。」
まだ完成していないが、これなら水曜日までには完成すると思う。
誰もいなくなった教室の鍵を閉めて帰路に着く。
そうして文化祭当日を迎える───
夏祭りの屋台と一口に言ってもたくさんの店がある。俺たちが出す屋台は4つに決まった。
焼きそば、綿あめ、仮面売り、スーパーボールすくいだ。
なんで仮面売り?って思うだろう。焼きそばと綿あめがすぐに決まり、スーパーボールすくいも割と早く決まった。残りの予算で何ができるかな?って考えたら安上がりな仮面売りになった。
だって仮面買ってきたらあとは適当な材料で店作れば終わりだしな。なのでクラスを4グループに分けた。それぞれの出店を作るためだ。
俺?俺は仮面売りだよ。だって飲食系は作り方やら機材やら大変そうだろ?スーパーボールすくいも、機材運ぶの大変だし、やったことないから何をどうしたらいいのか分からない。
消去法で仮面売りだ。ただ、仮面売りにしたのはいいけど問題がある。そもそもこの出店は余った予算で適当に作ろうぜという流れで出来たので、期待なんてされていない。ついでに作業も簡単だ。何が言いたいのかって?
つまり、仮面売りにかけられてる人数が少ない。なんと俺と陽の2人だ!少なすぎない?まぁ、でも仮面集めて看板書いたら終わりだけどな。
陽がなんでこんな地味なのを選んだのか聞いたら
「別に他の出店でも良かったんだけど、神楽とやる方が楽しそうだしな。それにお前にも楽しんで欲しいし。」
なんて事言い出すもんだから感動した。と思ったら
「ついでに、俺と神楽の2人だと店番のシフトを自由にできるから、海咲のメイド姿を存分に見て文化祭デートできるだろ?」
ぶん殴りたくなった。感動した俺の気持ちを返して欲しい。1番最後のやつが本音だとすぐにわかるわ。
店番のシフトも出店を作るグループで決めることになる。仮面売リは俺と陽の2人で回すことになるが、ほとんど客は来ないと思う。来るのは小さな子供か、ハイテンションでキャッホーしてる陽キャか、愛が天元突破してるようなカップルぐらいだろう。
だから、2人でも余裕で回せる。むしろ店番する方が暇だろうな。
昨日までに文化祭で売る仮面は買い集めている。そこまでたくさんは買ってない。そしてここからの1週間は看板を描いて出店っぽくするだけ。放課後には文化祭のための作業をするのだが、陽は部活なので、あまり時間を取ることは出来なさそうだ。
それでも、一緒に作業をしてくれるのはありがたい。俺も陽もそこまで絵心が無い訳では無いので、何とかなりそうだ。
「そういえばさ、神楽ってこの文化祭に誰か呼んでんの?」
「いや、誰も呼んでいないが?そう言う陽はどうなんだよ?」
「そっか。俺は家族が来ると思うぞ。」
家族…か。俺の両親は中学の時に亡くなった。まぁ色々あったんだが、それはまた話すとして、俺には3つ上のお姉ちゃんがいる。家族と呼べる人は姉ぐらいだろう。陽はこのことを知ってる。だから、俺の姉を呼ばないのか?と聞いたのだろう。
「俺は陽の家族には会ったことないな。」
「会えると思うぜ。この文化祭で。神楽のことも家で何回か言ってるし。会いたがってたよ。」
「そうか。家でどんなことを話してるのか知らないが、会えるのを楽しみにしとくよ。」
「おう!特に俺の妹なんか可愛いぜ!それにすげぇ会いたいって言ってたよ!」
「シスコンか?」
それはあんまり嬉しくないな。俺の異性に対する免疫は、0と言っても過言じゃない。年齢=彼女いない歴だからな!
涙でそう。
「違うよ!まぁ、見ればわかるはずだ!」
そんなことを言ってると時間になった。
「おっと!すまねぇ、神楽!部活に行ってくる!」
「あぁ、行ってこい」
そう言って陽は運動場の方に向かう。放課後は、文化祭準備優先の時間が50分ある後に部活に行く時間になる。だから、その50分を過ぎたから陽は部活に向かったのだ。
家族…ね…。俺は今一人暮らしをしている。姉はもう社会人で立派に働いている。そんな姉には親が亡くなってからかなりの迷惑をかけてしまった。いつかはその恩を返そうと思っているが…。
別にこの文化祭に呼ぶのはいいんだがな…。姉の仕事はモデルなのだ。ちょっとずつテレビにも出るぐらいの有名人になりつつある。そんな姉だが俺が「文化祭来て」って言ったら来るとは思う。だが、きっと無理して来るだろう。それは弟としてして欲しくない。
これは後で考えるとするか。それよりも
「今は看板だな。」
このペースで行けば本番までに完成するか分からない。だけど、明日からの土日に持ち込むのは嫌だ。ならば、
「やりますか。」
俺は看板に向き合い、一人黙々と作業をしていた。途中で周りを見ると、クラスメイトは全員帰っていた。それでも最終下校時刻まで続けた。
「よし。」
まだ完成していないが、これなら水曜日までには完成すると思う。
誰もいなくなった教室の鍵を閉めて帰路に着く。
そうして文化祭当日を迎える───
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