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0回目〈12〉side Y
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次の日学校に登校すると、先輩達が一年生の教室の前に部活の勧誘に来ていた。
「結、高校では部活やるん?うちは剣道続けるか、女子サッカーもいいなって思ってる。」
柚月に聞かれたけどどうしようかな。柚月、女子サッカーとかアクティブだなぁ。
『みらいなか高校』にはダンス部がない。
チア部はやってきたダンスとちょっと雰囲気が違うしなぁ…。球技はそこまで得意じゃないし。
「女子サッカー、カッコいいね!私、中学の時はダンス部だったんだけど、ここ、ダンス部ないし…部活は入んないでスタジオに通おうかな。」
都会に来たから、沢山ダンススタジオがある。
YouTubeで好きな振付の先生を見つけたので習いに行きたいなと思っている。そこのスタジオには有名アーティストのバッグダンサーをやってる先生や、留学していた先生もいるから楽しみだ。
「おー、そうなんだ。じゃあ帰宅部だね。てか、結ってダンスやってたんだ。どおりでスタイルめっちゃ良いと思った。」
「またまた。」
「いや、マジで。なんだっけ。結と七組の神宮寺さんって子がめっちゃスタイルいいって皆が噂してたよ。」
…え。思わず固まってしまう。
神宮寺さんって、万理華ちゃんのことだよね。
あの子も『みらいなか高校』だったんだ。入試、向こうで受けたから知らなかった。
「おーい、結、ゆーい?どしたー?」
「…な、なんでもない。」
本当は何でもなくなかったけど、私は精一杯取り繕った。
しかし、その後数日は運良く万理華ちゃんに会うことはなかった。
◇◇◇
2015年4月20日、月曜日。今日は入学後の実力テストの結果が貼り出される日だ。
みんなが順位表の前に集まって雑談している。私も柚月と見に行った。
「おー、一条がまた一位か。あいつやるなー。」
一位は一条君、そして2位は万理華ちゃんだった。あー、なんか、順位表で同じ学校だって実感が湧くな。関わる機会がどうか来ませんように。
ちなみに晃人は59位、柚月は26位である。
…みんな頭いいなぁ。私はちなみに62位だった。一学年320人だからまぁまぁかな。
教室に戻ろうとしたら万理華ちゃんらしき子が何人かの友達と丁度来るところだった。
げ。
「万理華、すごーい。」
「美人なのに頭も良いんだね。」
「ふふ。たまたま出来ただけ。」
あっちはまだ気づいてないから逃げよっと。
「…あ。結ちゃん。こっち戻ってきてたんだね。」
うわ、気づかれた。その笑顔がめちゃくちゃ怖いです。
「うん。そうなんだー。久しぶり。」
顔、引き攣ってませんように。
「万理華、誰その子。」
「同じ小学校だった子。」
「ふーん…」
何だろう。この値踏みされてる感。
「結。この後うちら移動だから早く行こー。」
どうしていいか分からなくて固まりそうになっていたら、柚月が助けてくれた。
「あ、うん。そうだね。じゃあね、万理華ちゃん。」
心なしか少し駆け足で離れる。ふぅ、助かったー。
◇◇
「ねえ、結、さっきの神宮寺さんって子とあんま仲良くないっしょ。」
「え?え。なんで?」
やば。私、態度に出てたかな?
「や、普通に友達だったらさ。久しぶりーって言ったり、ハグしたりすんじゃん。なのに、戻ってきてたんだー、だけって。笑 しかも、神宮寺さんの結のこと見る目?ちょっと怖かった。あと、結もこの前あの子の話題出した時、固まってたし。」
すごっ。この子、すごい。鋭すぎるでしょ。
「あはは。ちょっと、小学校の時、色々あったんだ。」
「ふーん…。まあ、クラスも離れてるし会うことあんまないっしょ!大丈夫だ。」
「…ありがと、柚月。」
そしたらバンバン背中を叩かれる。
「心配すんなって。何があったか知らんけど。なんかあったらうちが助けるから。」
あー、なんか、佳穂ちゃんに続いて良い友達が出来て、本当に良かった。
◇◇◇
入学してから2ヶ月くらいは何事もなく過ぎた。
晃人はサッカー部に入って頑張っている。時々部活後の晃人と落ち合ってファストフードでご飯を食べたり、家に遊びに行ったりしている。
まあ、付き合ってるとかではないんだけど。周りはそう思ってる人もいるらしい。
キスも小学生の時一回、以外してない。でも、時々凄く距離が近くてドキドキする。
私は週に6回スタジオのお休みの日以外はダンスに通っている。時間はまちまちで、日によっては20時半から21時半までの日もある。
いつも出ているクラスの先生はアメリカ人とのハーフの元男性でクリスさんという名前である。
元というのは、スタジオに通い始めて1ヶ月後に一回だけ休講になって、次に行った時には女性になっていたからだ。
元々動きが下手な女の人よりよっぽど女性っぽくてセクシーで美しいのであんな風になれたら良いなってちょっと憧れている。
そう、そのために、インナーマッスルを鍛えなければと最近はプランクをしながら『en・en』のセックス特集を読んでいる。
柚月は結局女子サッカー部に入った。男子と同じグランドなので合同で練習したりもあるらしい。
この前、
「女子(うちら)は1人もマネージャーいないのに男子のサッカー部には下手したら部員と同じくらい女子マネージャーがいるんだよね。あいつらだけ何でもやって貰ってずるいよ。なんで女子にはいないんだよ。。」
と愚痴っていた。
ちなみに一条君は応援団と生徒会。万理華ちゃんはチア部だそうだ。チ、チア部入らなくて良かった。
今日は女子サッカー部が休みなので柚月と一条君と3人で我が家で中間テストの勉強をする予定だ。
ちなみに誰の家でやるかはジャンケンで決めた。
◇◇
「ただいまー。ママ、翔、帰ったよー。友達連れてきた。」
「「「おかえりー。」」」
ん?1人多いような。
「待ってた。俺も誘ってよ。」
何故か晃人もいた。
うわ、本棚の奥に隠した『en・en』のセックス特集にどうか気づいていませんように。
※ストックがこれで切れたので明日からまちまちの更新になるかもです。。
一歳の息子がお昼寝してくれるかにかかってます。。
「結、高校では部活やるん?うちは剣道続けるか、女子サッカーもいいなって思ってる。」
柚月に聞かれたけどどうしようかな。柚月、女子サッカーとかアクティブだなぁ。
『みらいなか高校』にはダンス部がない。
チア部はやってきたダンスとちょっと雰囲気が違うしなぁ…。球技はそこまで得意じゃないし。
「女子サッカー、カッコいいね!私、中学の時はダンス部だったんだけど、ここ、ダンス部ないし…部活は入んないでスタジオに通おうかな。」
都会に来たから、沢山ダンススタジオがある。
YouTubeで好きな振付の先生を見つけたので習いに行きたいなと思っている。そこのスタジオには有名アーティストのバッグダンサーをやってる先生や、留学していた先生もいるから楽しみだ。
「おー、そうなんだ。じゃあ帰宅部だね。てか、結ってダンスやってたんだ。どおりでスタイルめっちゃ良いと思った。」
「またまた。」
「いや、マジで。なんだっけ。結と七組の神宮寺さんって子がめっちゃスタイルいいって皆が噂してたよ。」
…え。思わず固まってしまう。
神宮寺さんって、万理華ちゃんのことだよね。
あの子も『みらいなか高校』だったんだ。入試、向こうで受けたから知らなかった。
「おーい、結、ゆーい?どしたー?」
「…な、なんでもない。」
本当は何でもなくなかったけど、私は精一杯取り繕った。
しかし、その後数日は運良く万理華ちゃんに会うことはなかった。
◇◇◇
2015年4月20日、月曜日。今日は入学後の実力テストの結果が貼り出される日だ。
みんなが順位表の前に集まって雑談している。私も柚月と見に行った。
「おー、一条がまた一位か。あいつやるなー。」
一位は一条君、そして2位は万理華ちゃんだった。あー、なんか、順位表で同じ学校だって実感が湧くな。関わる機会がどうか来ませんように。
ちなみに晃人は59位、柚月は26位である。
…みんな頭いいなぁ。私はちなみに62位だった。一学年320人だからまぁまぁかな。
教室に戻ろうとしたら万理華ちゃんらしき子が何人かの友達と丁度来るところだった。
げ。
「万理華、すごーい。」
「美人なのに頭も良いんだね。」
「ふふ。たまたま出来ただけ。」
あっちはまだ気づいてないから逃げよっと。
「…あ。結ちゃん。こっち戻ってきてたんだね。」
うわ、気づかれた。その笑顔がめちゃくちゃ怖いです。
「うん。そうなんだー。久しぶり。」
顔、引き攣ってませんように。
「万理華、誰その子。」
「同じ小学校だった子。」
「ふーん…」
何だろう。この値踏みされてる感。
「結。この後うちら移動だから早く行こー。」
どうしていいか分からなくて固まりそうになっていたら、柚月が助けてくれた。
「あ、うん。そうだね。じゃあね、万理華ちゃん。」
心なしか少し駆け足で離れる。ふぅ、助かったー。
◇◇
「ねえ、結、さっきの神宮寺さんって子とあんま仲良くないっしょ。」
「え?え。なんで?」
やば。私、態度に出てたかな?
「や、普通に友達だったらさ。久しぶりーって言ったり、ハグしたりすんじゃん。なのに、戻ってきてたんだー、だけって。笑 しかも、神宮寺さんの結のこと見る目?ちょっと怖かった。あと、結もこの前あの子の話題出した時、固まってたし。」
すごっ。この子、すごい。鋭すぎるでしょ。
「あはは。ちょっと、小学校の時、色々あったんだ。」
「ふーん…。まあ、クラスも離れてるし会うことあんまないっしょ!大丈夫だ。」
「…ありがと、柚月。」
そしたらバンバン背中を叩かれる。
「心配すんなって。何があったか知らんけど。なんかあったらうちが助けるから。」
あー、なんか、佳穂ちゃんに続いて良い友達が出来て、本当に良かった。
◇◇◇
入学してから2ヶ月くらいは何事もなく過ぎた。
晃人はサッカー部に入って頑張っている。時々部活後の晃人と落ち合ってファストフードでご飯を食べたり、家に遊びに行ったりしている。
まあ、付き合ってるとかではないんだけど。周りはそう思ってる人もいるらしい。
キスも小学生の時一回、以外してない。でも、時々凄く距離が近くてドキドキする。
私は週に6回スタジオのお休みの日以外はダンスに通っている。時間はまちまちで、日によっては20時半から21時半までの日もある。
いつも出ているクラスの先生はアメリカ人とのハーフの元男性でクリスさんという名前である。
元というのは、スタジオに通い始めて1ヶ月後に一回だけ休講になって、次に行った時には女性になっていたからだ。
元々動きが下手な女の人よりよっぽど女性っぽくてセクシーで美しいのであんな風になれたら良いなってちょっと憧れている。
そう、そのために、インナーマッスルを鍛えなければと最近はプランクをしながら『en・en』のセックス特集を読んでいる。
柚月は結局女子サッカー部に入った。男子と同じグランドなので合同で練習したりもあるらしい。
この前、
「女子(うちら)は1人もマネージャーいないのに男子のサッカー部には下手したら部員と同じくらい女子マネージャーがいるんだよね。あいつらだけ何でもやって貰ってずるいよ。なんで女子にはいないんだよ。。」
と愚痴っていた。
ちなみに一条君は応援団と生徒会。万理華ちゃんはチア部だそうだ。チ、チア部入らなくて良かった。
今日は女子サッカー部が休みなので柚月と一条君と3人で我が家で中間テストの勉強をする予定だ。
ちなみに誰の家でやるかはジャンケンで決めた。
◇◇
「ただいまー。ママ、翔、帰ったよー。友達連れてきた。」
「「「おかえりー。」」」
ん?1人多いような。
「待ってた。俺も誘ってよ。」
何故か晃人もいた。
うわ、本棚の奥に隠した『en・en』のセックス特集にどうか気づいていませんように。
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