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一章 忌子、転生者。出会いは運命か、それとも 8話

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 外装から予想は出来ていたことだが、内装もやはり華美だった。
 下品ではない程度に、どこもかしこも細かい装飾が施されている。一つ一つに目を取られ、ついつい立ち止まってしまいそうになる。

「あはは、すごいでしょ。私たちもそうだったからわかるわかる。ここの人たちでもそうなんだね」

 私の様子に気がついたらしい少女は微笑ましそうににこにこしながらそう言った。
 城内は思いのほか明るく、先程まではわからなかったが、二人の纏っている服もやはり美しい装飾が施されていた。それこそ、今私が着ている嫁入りの服と変わらないくらいに。宝石があるから辛うじて同等だろうけど、これがなければずっと見劣りするんじゃないかと思ってしまう。彼らは普段からこんなものを着ているのだろうか。だとしたら、王国よりもよっぽど文化水準が高いのかもしれない。
 そして服がわかると同時に、二人の相貌もはっきりとした。
 少女はどこか幼い印象を受ける可愛らしい顔。二番目の妹が持っていたお人形のようだ。ふわふわした服も、丁度そんな感じに見える。だけど彼女の方が、人形よりもずっと可愛いように見えるのは跳ねるような動きのせいだろうか。どういうわけか頭を撫でたくなってしまう。
 少年の髪は銀色っぽいがどことなく違和感がある。なんとなく色が嘘っぽい気がする。だが顔立ちは整っている。切れ長の目は少しだけきつい印象をあたえ、少女より頭一つ大きいが話を聞いているその表情は柔らかいものだ。随分と仲がいいらしい。もしかしたら婚約者とかなのだろうか。
 そのあともキョロキョロしながら歩き、時折くすくす笑われながらも、なんとか目的地にたどり着くことができたようだった。

 それまでよりもずっと大きな、そして印象的な図柄が施された両開きの扉。
 きっとここが、かの魔王がいる部屋なのだろう。
 門を開いた時とは違い、今度は少年が一人で片方の扉だけを開く。赤い絨毯が見えた。
 その瞬間に鼓膜がビリビリと震えた。

「だーっ! また負けた!」
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