鬼の心臓は闇夜に疼く

藤波璃久

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協力者6(現在編②)

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放課後になり、小太郎とナオは昇降口にいた。
「ゴミ捨ては裏庭に持ってくの」
靴に履き替えようと、靴箱を開ける。
「待って! ナオさん!」
「え?」
「靴箱から悪意を感じる」
「え?」
「いや、何かある気がするから、気をつけて」
「…う、うん」
靴箱を開けるが、何もない。
「何もないよ?」
ナオが靴を履いた。
「痛い!」
「どうした?」
「靴の中に…」
見るとナオの足の裏に画鋲が刺さって、血が滲んでいた。
「ひどいことするな」
「痛くて歩くの無理そう…」
ナオが、昇降口の段差に腰を掛けた。
「足、膝に乗せて」
「え? でも…」
ナオの足を膝に乗せると、彼女の顔は赤く染まった。
怪我に手を当てた小太郎が、熱を集中させると、怪我が消えていった。
「え? 痛みが引いた。なんで?」
「よかった」
「…小太郎くんって…いったい…」
「…っ」
立ち上がろうとした小太郎は、フラついて座り込んだ。
「え? 大丈夫?」
「ごめん、少しめまいが…」
「ここで休んでて。ゴミ捨ては私が行ってくるから」
ナオが出て行くと、朱丸が頭の中で話かけてきた。
《小太郎、安易に能力使ったらダメだよ》
『うん』
《ナオさんは大丈夫でも、その力を悪用しようとするヤツが出てくるかもしれないよ?》
『……』
《それに、桃太郎の一族が、噂を聞きつけてやってくるかもしれないのに》
『ごめん』
《もう…。大丈夫? 他人に治癒使うと、いつもより妖力減るし、小太郎自身が疲弊するんだからね》
『うん』
そこにナオが戻ってきた。
「ありがとう、ゴミ捨て」
「うん。小太郎くん大丈夫?歩ける?」
「うん。もう平気…」
「じゃ帰ろう」
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