鬼の心臓は闇夜に疼く

藤波璃久

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悪意を喰らう7(現在編①)

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昼休み。小太郎は裏庭に来た。マミが待っていて、恥ずかしそうに口元に手をあてた。
「鬼山くん。アタシ、鬼山くんのこと好きになっちゃった。アタシと付き合ってください」
「ごめん。付き合えない」
小太郎は即座に断った。
「ええ~、アタシこれでもめちゃくちゃ人気あるんだから…。ちょっとは悩んでくれてもいいじゃん」
「…オレさ、前に恋人がいたんだ…。でも、彼女は死んでしまった」
小太郎の寂しそうな表情に、マミはため息をつく。
「そっか…忘れられないんだね…彼女のこと」
「うん…それにね…オレ、遠くに行くから…」
「え? 転校しちゃうの?」
「まあ、そんな感じ…」
寂しそうに微笑む小太郎。マミは涙を流した。
「ごめん…泣かせるつもりなかったんだ」
小太郎はハンカチを渡した。
「あれ? アタシも泣くなんて…」
マミはハンカチを目元にあてた。
「じゃあ、オレ教室戻る。そのハンカチはあげるよ」
「あ、ありがとう」
「うん」
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