愛を教えてくれた神は今日も隣で愛をささやく

藤波璃久

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天使たち

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「その話詳しく聞かせていただきたいですね」

振り向くと例の天使2人が怖い顔して立っていた。2人とも女天使でけっこう美人だった。

「私たちはアーシャルとエシェルといいます」

「私たちは、大天使様の命により、悪魔ツァラオヘルを捕らえるため、こちら側に来ました」

「悪魔?」

俺と紫苑は顔を見合わせる。

「ツァラオヘルは自殺する人間を標的に契約を迫る、悪質な悪魔です。何世紀も前から、西洋で捕らえようとしていたものの、中々うまくいかず、この日本で目撃されたのを最後に行方がわからなくなっていたのです」

「そうですか…」

「守護霊たちに、最近自殺して霊界に戻ってこない魂がいないか聞いたのです。もしツァラオヘルと契約すれば、その魂は霊界へ戻らず、悪魔に飼われることになります。永遠に」

「そうなんだ」

じゃあ、美奈子はもう生まれ変われないのか。俺は寂しい気持ちになった。

「戻ってきていない魂は、逢沢美奈子さんという方の魂でした。自殺するまで守護霊をしていた方に聞きました」

アーシャルに続いてエシェルも話す。

「あなた…」
エシェルが「名前は?」と聞いた。

「紫苑です。現愛結神です。こちらは木蓮様です」

「紫苑様。先程、契約をし、逆行転生したと言いましたが…?」

「ああ、はい。逢沢美奈子さんが悪魔と契約したみたいで…」

「なぜ、わかるのですか? 見ていたのですか?」

「…見てました」

俺は紫苑を訝しげに見た。

「その悪魔がツァラオヘルだと思いますが、確認をとりたいですね」

「じゃあ、私の記憶をお見せします」

紫苑は、天照様の屋敷のとなりの建物に入る。
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