愛を教えてくれた神は今日も隣で愛をささやく

藤波璃久

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 蓮の家は、湊人の住むマンションから少し離れた一軒家だった。
蓮はカギをあけて玄関のドアを開けると、湊人の手を引いて、中に入った。
「ちょっとここで待ってて、タオル持ってくる」
蓮が靴と靴下も脱いで、奥にある洗面所へ行ってバスタオルを持って戻ってきた。
「体、少し拭いてから上がって」
湊人は、ずぶ濡れの体をある程度拭いて、グチョグチョになってしまった靴下を脱いで、家に上がる。
蓮は、自分が歩いて濡れた廊下を拭いていた。
「蓮、家の人は?」
「ああ。今母さんパート行ってるんだ。平日は、学校帰ってきたら1人だよ。兄弟もいないしな。母さんは6時くらいには帰ってくるよ」
「そう…」
「湊人、おいで」
蓮は湊人を洗面所に連れて行き、となりのお風呂のドアを開けた。
「お湯張るから…」
蓮はお風呂のスイッチを押した。自動でお湯が溜まっていく。
「湊人、服脱いで。洗濯しとくよ。乾燥までしてくれるヤツだから、帰る頃には乾いてると思う」
「…うん」
蓮は、濡れた服を脱ぎ、洗濯機に入れていく。湊人は恥ずかしそうにバスタオルを腰に巻いて、服を脱ぎ、洗濯機に入れた。
蓮の裸を直視出来ずにいると、蓮は苦笑いをして、タオルで下を隠した。
「もう少ししたらお湯溜まるから、湊人、先に入って」
「え?」
「俺はあとからでもいいから」
「…蓮も一緒に入ろうよ」
「へ?」
「待ってる間に体冷えちゃうよ」
蓮は困ったように、頬をかいた。
「いいのか? 一緒に入って…。俺、湊人が今、上半身裸でいるだけでも、けっこう…その…」
「蓮?」
「一緒に入ったりしたら…ガマンできなくなると思う」
「ガマンできないって…なにが?」
湊人がポカンとしていると、蓮は「あ~っ」と頭をガシガシかいた。
「だから、勃つっていうか…」
「たつ?」
湊人はハッとして、口を押さえた。
「湊人に…触りたくなる…」
湊人は、やっと意味を理解したのか、顔を真っ赤にしていた。
「…いいよ」
「え?」
「蓮になら…触られても、いいよ」
「湊人…」
蓮は自分と湊人のタオルを取ると、手を引いて、お風呂に入った。
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