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悪魔
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6月のある夜、それは現れた。
湊人が眠っていると、枕元に黒い何かが来た。
不穏な気配に、目を開ける。
『よう…久しぶりだな?』
頭の中に直接語りかけるように、声が響いた。
「誰?」
『オレさまだ』
そこに現れた背中に黒い羽根を持つ、薄い服の下に逞しい筋肉をつけた大男は、その大きな口でニヤリと笑った。
「あなたは?」
『やはり忘れているのか…。オレさまは悪魔のツァラオヘル。オレさまと契約しただろう?』
「契約?」
『お前が死ぬ時、その魂をもらうという契約だ。その代わりにお前の願いを叶えてやったろう?』
湊人は、眉間にシワを寄せた。
「ウソだ。そんな契約…」
『契約した証が、お前の髪の生え際、丁度この辺にある』
ツァラオヘルは、長い爪の生えた指で自分の耳の裏側を指差した。
「そんな所、見えないし…。親にすら指摘された事ないけど?」
『普通の人間には見えないし、写真にも写らないんだ』
「わかるわけないじゃん」
湊人は、思わずツッコミを入れた。
『ほう…オレさまにツッコミを入れるとは、貴様、いい度胸だな』
「や、違…すみません。思わず…」
湊人は布団に頭をつけて謝った。
『まあいい…。それで? 契約については?』
「…本当に、覚えてなくて…」
『ならば、思い出させてやろう』
ツァラオヘルは、湊人の額に指を当て、不思議な呪文を唱え始めた。
湊人が眠っていると、枕元に黒い何かが来た。
不穏な気配に、目を開ける。
『よう…久しぶりだな?』
頭の中に直接語りかけるように、声が響いた。
「誰?」
『オレさまだ』
そこに現れた背中に黒い羽根を持つ、薄い服の下に逞しい筋肉をつけた大男は、その大きな口でニヤリと笑った。
「あなたは?」
『やはり忘れているのか…。オレさまは悪魔のツァラオヘル。オレさまと契約しただろう?』
「契約?」
『お前が死ぬ時、その魂をもらうという契約だ。その代わりにお前の願いを叶えてやったろう?』
湊人は、眉間にシワを寄せた。
「ウソだ。そんな契約…」
『契約した証が、お前の髪の生え際、丁度この辺にある』
ツァラオヘルは、長い爪の生えた指で自分の耳の裏側を指差した。
「そんな所、見えないし…。親にすら指摘された事ないけど?」
『普通の人間には見えないし、写真にも写らないんだ』
「わかるわけないじゃん」
湊人は、思わずツッコミを入れた。
『ほう…オレさまにツッコミを入れるとは、貴様、いい度胸だな』
「や、違…すみません。思わず…」
湊人は布団に頭をつけて謝った。
『まあいい…。それで? 契約については?』
「…本当に、覚えてなくて…」
『ならば、思い出させてやろう』
ツァラオヘルは、湊人の額に指を当て、不思議な呪文を唱え始めた。
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