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亡くなった大切な人
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次に気がついた時には、保健室のベッドの上で寝かされていた。
「湊人?」
「蓮…?」
蓮は目に涙をためていた。
「湊人~、う…ふっ…うう…」
蓮は、嗚咽をもらしながら泣きだした。
「蓮…」
湊人は起き上がった。頭にズキッと痛みが走る。
「うう…痛っ…」
頭に触れると、包帯が巻かれていた。
「湊人、無理するな。俺が、もっと早く教室に行っていれば…」
「蓮?」
「戻ってくるのが遅いから、教室まで行ったんだ。そしたら、お前が倒れてて、女子たちがオロオロしてて…離れるんじゃなかった」
「気にしないで、蓮。オレなら平気だから」
「平気なわけないだろう? 倒れてるお前見て、死んだらどうしようって…」
「大げさだよ…?」
湊人は、ギョッとした。蓮の涙がますます増えて、鼻まですすっている。
「蓮?」
蓮は湊人の背中に手をまわし、胸に顔を埋めて泣いている。湊人は蓮の頭を撫でた。
しばらくして、蓮が静かに呟いた。
「大事な人を喪うかもしれない恐怖なんて、お前にはわからないだろう?」
「…蓮は誰か大事な人を亡くした事があるの?」
「…ああ…、その人を助けられなかったこと、後悔してた」
「…してた? 今は?」
蓮は顔を上げて湊人の頭を抱えると、唇にキスをした。触れるだけだった前とは違う。濃厚なキスだった。唇を離して、蓮は言った。
「今は、してない」
蓮が言っている事は、やはり良くわからない。けれど、今の蓮が幸せそうだから、今は後悔していないと言うのなら、それでいいと思った。そして、自分も幸せだと湊人は思った。
「湊人?」
「蓮…?」
蓮は目に涙をためていた。
「湊人~、う…ふっ…うう…」
蓮は、嗚咽をもらしながら泣きだした。
「蓮…」
湊人は起き上がった。頭にズキッと痛みが走る。
「うう…痛っ…」
頭に触れると、包帯が巻かれていた。
「湊人、無理するな。俺が、もっと早く教室に行っていれば…」
「蓮?」
「戻ってくるのが遅いから、教室まで行ったんだ。そしたら、お前が倒れてて、女子たちがオロオロしてて…離れるんじゃなかった」
「気にしないで、蓮。オレなら平気だから」
「平気なわけないだろう? 倒れてるお前見て、死んだらどうしようって…」
「大げさだよ…?」
湊人は、ギョッとした。蓮の涙がますます増えて、鼻まですすっている。
「蓮?」
蓮は湊人の背中に手をまわし、胸に顔を埋めて泣いている。湊人は蓮の頭を撫でた。
しばらくして、蓮が静かに呟いた。
「大事な人を喪うかもしれない恐怖なんて、お前にはわからないだろう?」
「…蓮は誰か大事な人を亡くした事があるの?」
「…ああ…、その人を助けられなかったこと、後悔してた」
「…してた? 今は?」
蓮は顔を上げて湊人の頭を抱えると、唇にキスをした。触れるだけだった前とは違う。濃厚なキスだった。唇を離して、蓮は言った。
「今は、してない」
蓮が言っている事は、やはり良くわからない。けれど、今の蓮が幸せそうだから、今は後悔していないと言うのなら、それでいいと思った。そして、自分も幸せだと湊人は思った。
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