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第七章 勇者するより旅行だろ・・・?
第百三話 オークと女騎士
しおりを挟む◇楓視点
隣国を退け、侵略者の居場所も確認した。そこで面白い人間も見つけた。
久しぶりに戦ってみたいと思った。どのような戦い方をするのか見てみたい。
「楓、なにをニヤニヤしてるのよ・・・・・・奏汰、あなたもよ」
・・・ニヤニヤしてたか?・・・してたな。
俺も奏汰も理由は違えどニヤニヤしていたようだ。正直、興奮が抑えられなかったです。
だが、俺のニヤニヤはそこまででもない。戦闘狂らしいニヤニヤだったはずだ。この男に比べれば、俺はまともだと思う。
「へへへ~明日香は可愛いな~」
・・・奏汰の顔がやばい。どれくらいやばいかって言うと、見知らぬ第三者にはお見せできないくらいだ。エグい。ニヤケ顔、正直キモイです。
「・・・・・・」
明日香さんの顔、引きつってます。
ガチ引きだと思います。可愛いって言われたのに全く嬉しそうじゃないです。というか、明日香さんは褒められるのがあまり得意ではない。それに加え、奏汰の顔は現在酷い。嬉しいとは微塵も思わないだろう。
呆気ない戦争だったが、いまは戦後処理中。死体の処理を行っている兵士を差し置いて、こんなアホ顔をしていていいのだろうか。
「そういえば楓、昨日は何があったの?気付いたら消えてたけど」
奏汰にはもう触れないようだ。
「裏で糸を引いていたと思われる組織に接触した。そこのメンバーがなかなか面白くてな・・・」
明日香に昨日見たことを話す。殺した男や強そうだった二人、侵略者と呼ばれる悪役が予想以上に弱かったこと。
「・・・次は私も連れていってね。とても損した気分だわ」
連れていった方がよかったみたいです。
昨日は奏汰といい雰囲気になってたのにね。わたくしが帰宅したら、膝枕状態で抱きつきながら寝る二人がいましたから。・・・少し羨ましかったです。
幸せそうな顔してました。
俺も幸せな気分になりました。
「分かったよ。次からは三人で行こう」
「必ずよ?」
「必ずだ」
多分ね。危険な場所には連れていけない。
・・・この世界にはないかもだけど。
「さて、そろそろ別の地に行こう。この国での手助けはこれだけで十分だ」
知ったのは辺境伯と出会った後だが、ここはネメシスの辺境伯領地。防壁をいじったり、奏汰に騎士団長をいじめさせたのもここがネメシス領地だったから。俺が直接関わる手助けはここまでだ。
「次はどこに?」
「ラドレアだ。ケモミミ、見に行かないか?」
異世界に来て、俺はまだネコミミを見ていない。あの耳をワサワサしたい。尻尾を撫で回したい。あわよくば、ペットにしたい。
「行くわ!絶対に行く!私獣人とか大好きなのよ!昔からあのフサフサの毛に埋もれたいと思っていたのよ!」
熱が入ってきた明日香。顔がすごい。明日香って可愛いもの好きだから、それ目当てってのもあるかも。
「んじゃ、さっさと行きますか」
辺境伯に別れの言葉を告げる気は無い。
これから俺達は対立する可能性があるからな。あるとは思ってないが、万が一涙でと流されたら次あった時、殺すのを躊躇うかもしれないからな。
世界眼の話では人族お断りだったはずだが・・・まぁいっか。俺の見た目悪魔だし。尻尾と魔手のおかげで魔族には見えないだろうし。
魔族は『魔』とはついているが、そこまで悪魔には似ていない。悪魔よりも人よりだ。ここまで禍々しく、気味の悪い尻尾がついていない。
そんなわけで、三人とも化物の姿で行けば大丈夫だと思います。パワーセーブや無意識の殺気や威圧感は俺が調整します。
「さぁ楓!」
「モフっと大陸へと!」
「いざゆかんっ!」
お前ら仲いいな。
指パッチンと同時に転移する。する必要は無いが、気分が乗るので余裕があるこういった時はしていこうと思います。
屋敷、俺の(ために用意された)部屋からラドレアに転移する。
なんにもない場所にとびました。下調べなしでとんだので、ここがどこかさっぱりだね!
「ここどこ?」
知りません。
「近くに街とかあるの?」
知りません。
「どこかの国に入るための通行証とかあるの?」
ありません。
不法侵入バンザイ。
「私野宿とか嫌です」
作ってください。
一日で城建てれるやん。てか、見た目だけなら一国作れるじゃないですか。
馬鹿なやり取りをしていると、我々のもとにアレが。
「あ、楓!あそこにオークと女騎士がっ!」
・・・鑑賞しましょう・・・!!
・・・オークと女騎士だと・・・?
これは・・・!伝説のくっ殺が俺達のもとに訪れたということではないかっ!
「奏汰、明日香。ギリギリまで手は出すな。キャー!イヤー!が始まるまでの辛抱だ!」
「分かってる!緊張してきた!私傍観者なのにドキドキしてる!」
「・・・もしもアレが明日香だったら・・・よき・・・」
奏汰の化物EYEが見つけた女騎士とオークさん。今は俺と明日香もバッチリと見えている。オークが女騎士に覆いかぶさる形だ。
しかしなぜだ。なにかがおかしい。・・・なぜ、なぜ・・・
「なぜ、女騎士が笑っているんだ・・・?」
あと少しでアダルティーなんだぞ?女騎士は獣人だと思うが、さすがにオークとキャッキャウフフはないだろう。オークの目は血走っている。子孫繁栄に必死な証拠だ。ほら、女騎士の鎧を引き剥がしたぞ。
なのになぜ、あんなに笑っていられるんだ・・・!
笑顔が眩しいぞ。顔を赤らめて、笑っている。なぜあんなにも楽しそうなんだ?相手はオーク。女の敵とまで言わしめた種族だぞ・・・。これでは・・・これではまるで・・・
「痴女じゃないか・・・!!」
俺達の偏見だが、女騎士とは気高く、誇りある騎士ではないのか!オークに犯されるくらいならば死にさえ怯えぬ者。人質を取られれば、その人質を守るために己を捧げるのが女騎士ではないのかッ!
あの女はなぜ!あんなにも笑顔なんだっ!
「どーするのよ楓。アレを助ける気にはならないわよ」
「僕も。気分が乗らないよ」
俺も流石にアレはな~。
かといって、他人の営みを鑑賞する趣味も持ち合わせていない。
これは無視かな~。
「ルーブ!!」
と、思っていたんだが、この話、ここで終わりじゃないらしい。
走ってきたのは見える肌の至る所に模様が刻まれた幼女。ネコミミだ。薄いが隠すところはしっかりと隠しているドレスを身にまとっている。移動手段はワイバーンらしい。空から来ましたよ。
「楓、あれは?」
「さてね。だがまぁ、どこかのお嬢さんであることは間違いねぇな」
「すごいドレスだしね。高そうだよ」
しかし、ネコミミ幼女はワイバーン以外に連れてきていない。
よほど腕に自信があるのか、ワイバーンでオークを蹴散らすのか、それとも単なるアホっ子なのか。
「ルーブ!今助けるわ!・・・どきなさいクソ豚!」
口悪いな。
オークの横っ腹蹴り飛ばしたぞ。
「大丈夫!?」
「お嬢様・・・・・・チッ・・・余計なことを・・・・・・」
「えっ!?」
「いえ、なんでもありません」
おい、あの女騎士舌打ちしたぞ!こいつら揃って口悪いなっ!
てかやっぱり女騎士のやつ狙ってやがったな!逃げろオーク!
「お嬢様、お逃げください!あのオーク!予想以上に強いです!」
「え・・・?でも今私・・・」
「はやくっ!やつが本気を出す前に!」
ただのオークが強いはずあるまい。お嬢さんが蹴り飛ばしたのは幻想でもなんでもない。あの女騎士なら瞬殺できるはずだ。
「ワイ子!はやくお嬢様を連れてゆけ!」
・・・ワイ子・・・。久々に不憫な名前を聞いた気がする。
悲しきかな、ワイ子。ゴブマル君くらい安直な名前だよね。
お嬢様をワイ子が咥えて、強制的に連れていく。
「ルーブ!ルーブヴァリンンンンン!!!!」
手を伸ばして女騎士の名前を叫ぶが、ワイ子は止まらない。お嬢様が見た最後の女騎士は笑っているように見えた。
「さぁ!こい!オーク!」
さぁ!こい!じゃねぇよ。お嬢様が去ってからニヤニヤが止まってねぇじゃねぇか。オークを性的に食う気満々じゃないか。
お堅い職業だからかな。禁欲でもしてたのか分からないが、飢えすぎだ。若干引く。てか、だいぶ引く。
「事情だけても聞いてみる・・・?」
明日香の提案を断れないのが我々男二人。だが、とても嫌だ。変態と自ら接触するなんて普段の俺ならば考えられないことだ。オークごと女騎士を消し炭にするに違いない。
だがしかしっ!俺と奏汰は限りなく、明日香に甘い。断れはしない。
・・・奏汰、お前行ってこいよ。
・・・楓、行っておいで。男を見せるんだ。
親友だけあって、アイコンタクトのみでお互いの考えが手に取るように分かる。
「行ってくれる?・・・楓」
ご指名いただきました。
俺かァ・・・俺かァ・・・。
行くしかあるまいて・・・。
「時間を止める……」
オークと女騎士の間に入るのは嫌なので、とりあえずオークの時間だけを止める。
くそ・・・なんで俺が・・・。
突然歩みを止めたオークに「焦らしプレイか・・・!」と驚愕する女騎士のすぐ近くに一人で転移。女騎士と俺の会話は二人に聞こえるようになっているので、一段落したらこちらに合流することになってます。
今思えば、三人で来ても良かったのでは・・・?
「な、なんだ貴様はっ!?人がお楽しみのところに!?」
言っちゃってるじゃねぇか。
「まさか、オークと貴様のサンドイッチにされるのか!?私は処女だ!ハードプレイはちょっと・・・・・・」
俺が混ざるわけねぇだろ。
ってか、処女かよ!なんでオークなんかに犯されそうになってんだ!人間の方がマシだとは思わねぇのか!?
「ンなことするわけねぇだろ!お前が嬢ちゃん逃がしてオークと仲良しこよししそうだったから事情を聞きに来たんだ。うちのお嬢様の命令だ。話を聞かせろ」
「・・・その後は貴様とその仲間達が私を・・・・・・」
「いい加減、その変態思考を止めろ。俺はその類の話が嫌いなんだ。あまり怒らせるな」
殺しちまいそうだ。
「・・・・・・私は嫁入り前なのだ」
なおのことダメじゃねぇか。
嫁入り前の女騎士がオークで散らすとか洒落になってねぇよ。
「幸せな事じゃねぇか。その未経験を旦那様に捧げようとは思わねぇのか」
「はっ、醜いゴブリンに捧げるくらいならば屈強なオークに捧げた方が遥かにマシだ。矮小な人間よりも強いオークに捧げたくなるのは女騎士の性だ」
ん?なんか話がめんどくさい方向に向かっている気がする。
「政略結婚かなにかか?」
「そんなところだな。貴様がさっき見たというお嬢様と私が生贄に捧げられるのだ」
「回避する方法は?」
「ないな。・・・・・・あぁ、そう言えば決闘に勝てば婚約破棄が出来るとか言われてた気がするな」
一番簡単じゃないか。
ゴブリンをボコればいいわけだろ?楽勝じゃないか。
「私と奴の一対一ならば簡単だったのだがな。勝負は一対一×5なんだ。私たちの領地に武にたけた者が五人もいるはずないし、敵は全員Sランク冒険者だ。私たちが勝てるはずあるまい?・・・・・・お嬢様は近くの貴族様といい仲だったんだがな・・・」
相手側は無理だと分かっていて勝負を仕掛けているわけか。そして、勝負を挑んできたら見世物として遊んでやる、と。
不愉快な輩だな。恋愛未経験者な俺だが、俺は人の恋路を踏みにじるやつが大嫌いなんだ。
「愚かだな。実に愚かだ」
「そうだろう?私はオークに犯されることで、経験者を装って、お嬢様とあのクソが肉体関係になるのを邪魔しようとしていたんだ」
「不愉快がすぎる。俺と、その仲間達がお前らを救ってやる」
明日香様からの御達しですよ。不幸な女騎士と少女を救え、とな。
「は?何を言って・・・・・・」
「俺の仲間がその決闘に出てやるよ。安心しろ、強いから」
「そんな、お前は悪魔だろ?対価でも寄越せと?」
「それで納得するならそれで構わん」
「じゃぁ、私の体を――」
「いらねぇよ。金でいい」
「・・・私たち貧乏領地に金を要求するとはさすが悪魔だな」
「うるせぇよ。早くしろ。お嬢様を助けてぇんだろ」
「・・・・・・わかったわよ」
はい、交渉成立。
「よし、じゃぁ明日香!奏汰!」
空間をこじ開けて転移してくる奏汰。
そのへんの石ころが集まり、固まって明日香になる。
・・・お前ら登場の仕方が普通じゃねぇよ。
転移能力ってそう簡単に手に入るもんじゃねぇってのに。自力で方法を確立してるんじゃねぇよ。俺の存在価値が減るじゃねぇか。
「事情は聞いたわ。私たちがそのゴブリン達をフルボッコにしてあげる」
「うんうん。明日香カッコイイよ」
決めポーズ。
うん、可愛い。
「あなたたちそんなに強くは見えないのだけど・・・・・・」
全員、リミット解除。
「あ、はい。分かりました」
「話が早くて助かるよ」
制限をはずすとすぐに納得してくれた。さすがは亜人、本能ってので分かるのかね。
「はてさて、決闘はいつだ?」
「明日だ」
「急すぎねぇ?」
「結婚が決まったのが一昨日だ。準備すらさせず、戦意を失わせて大人しくなったところで嫁に迎えるつもりだったのだろう。姑息なやつだ」
明日か・・・。今の人数は四人。あと一人足りないか・・・
「分かった。明日の朝、お前の領地に向かう。・・・明日香、奏汰。お前らは先にそっちに向かってろ」
「貴様はどうするのだ?」
「あと一人の仲間を連れてくる。安心しろ、そいつも化物じみてる」
特に楽しいこともないし、二人は置いていっても大丈夫だろう。あんまし会わせたくもないんだが、贅沢は言ってられん。翔太あたりを連れてこれれば良かったんたが、嫁大好き男がほかの女のために戦うとは思えんしな。
癪だが、やつを呼ぶ。専門家だな。
「しかし、領地については・・・」
「安心しろ。全て分かってる。明日の朝にはお前の住んでる屋敷に侵入してるから待ってな」
強欲の力で情報収集しました。
「んじゃな」
転移。
◇◆◇◆◇◆
◇第三者視点
「行ってしまった・・・というか、消えるんだな」
女騎士は楓が先程までいた地点を見つめている。
「あの人に関しては、考えない方がいいわよ?幼なじみなの私たちでさえ真に理解出来てないんだからね」
「うんうん。楓は自己中で、意味不明だからね」
親友だからこそわかる、楓の理不尽さ。楓は対等な関係として迎えているが、本来そんなことは許されないほど差があるのだ。明日香の賢者の石の万能性も、『強欲』には勝てない。奏汰の鬼の破壊力も、『破壊』には遠く及ばない。
彼らの親友は本物の化物で、その頂点だから。今でこそ、友以上の感情を持っているが力の差を知った時は受け入れられなかった。
そんな化物を一般人が理解できるはずがない。考えるだけ無駄だ。
「えっと・・・明日香殿、奏汰殿で宜しかったか?」
「あ、うん。私の名前は『山岸 明日香』。山岸が名字で、明日香が名前ね」
「僕は『柊 奏汰』。よろしくね」
「よろしく頼む。私は『ルーブヴァリン』。カルナという貧乏領地で近衛騎士をしている」
この度の結婚も、半ば強引に。貧乏領地だから、ということですぐに狙われるのだ。
「明日、必ず勝ってくれ・・・!お嬢様だけでも幸せに・・・!」
涙ぐむ女騎士。本当はこの表情をオーク戦でしてくれることを期待していたのだが、なんとも残念な女騎士である。
「安心しなさいって。私たち、超強いんだから♪」
―――――――
はたつばです。
くっ殺騎士を何度も書きたいと思っていたのですが・・・・・・どうしても書けないっ!何故でしょうね・・・。
そして、戦時中になにをしてるんでしょうね、この人たちは。余裕かましすぎですよね。
次回もよろしくお願いします!
こういう、女騎士も悪くない。・・・そう思うしかないのですよ。
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