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第一章 召喚されたからって勇者はしない
第二話 駄女神様との御対面
しおりを挟む「ようこそ、異界の勇者様方?って言えばいいのかな?」
その一言にクラスメイトの大半が固まっている。そりゃそうだろう。こんなこと言われたら誰でもそうなる。
だが、異世界系の小説を読んだことあるであろう連中は密かにガッツポーズをしている。俺もそういう系の小説は好きな方なのでちょっぴり嬉しい。
「あれ?なにか間違えたかな?……気にしないでもいいか。えー、それでは初めまして勇者様方、私は女神アークエイトです。皆様にはいまから私の部下が管理する世界に行って勇者になってもらいます。魔王倒して人族に平和をもたらして下さいね」
……うん。テンプレ感!しかし、勇者か…。面倒くさいな。
「おい!ふざけんなよ!学校に還せ!」
「そーよ!還してよ!なんで、そんな危なそうなことしないといけないのよ!」
「……めんどくさい」
急に拉致られたんじゃ文句言うやつがでるわな。
でも、召喚ってことは多分現地民が行ったってことだろ?ってことはこの女神(仮)さんはその仲介役って感じのはずだ。仲介者に文句いったって無駄だよな……。
「残念だけど、私は召喚に割り込んだだけ。返還なんてできないわよ。文句なら召喚者達に言ってくれる?」
ほら見ろ。また皆固まっちまったな。
「説明の続きだけど正直めんどいのでその辺は現地民に聞いてください。はい、それじゃぁ勇者の皆さんに祝福をー」
て、適当だなぁ。
え、うぉっ!?体が光った!?おぉ……これで向こうに召喚されんのかな?ワクワク
「う、うわぁぁ!」「ど、どうなってんだ!?」「体が薄く…えっ!?」
ビンゴ!次々とクラスの連中が消えていく。俺もそろそろか…?
あれ、なにも起きない。光も収まっちゃったし…回りに誰もいないし…あ、女神(仮)さんいたわ。
「はぁ、めんどくさかったー。なにあの子達頭悪いんじゃないの?ねぇ、君もそう思うよね?楓くん」
「なぜ、俺の名前を知っている?俺もはよ送ってくれ」
「まぁまぁ落ち着きたまえよ。楓きゅん」
かなり落ち着いているはずだが?
「きもい、止めろ。なぜ俺を残した」
「つれないなぁ。……えっとね、残した理由なんだけど謝罪をしたかったの」
「は?謝罪?」
予想外の返答だ……。
俺は今までの人生で女神なんてのにあったことはないはずだぞ?どういうことだ?
「実はね?今日の大型トラックと槍の雨、レーザー光線なんだけどね?あれ、私がやったんですよねぇ……本当にすみませんでしたぁぁぁ!!!」
「は?あれが?あのしつこいやつがか?」
「はい。……すいませんでした」
「絶壊を使ったんで死んだと思っていたが、生きていたのか?」
あの恩恵は殺傷性の高いものだったと思うんだが……
「一度は死んだよ?ですが、神友が蘇生してくれたのよ」
「すげーな、神友」
「それを言うなら人の身で神を殺すというのもかなり異常だと思うんだけど……?」
「俺のは特別だからな他の連中はそうでもないよ」
実際学校では俺が一番強かったし、生徒よりも教師よりもな。
まぁ、そのせいで怖がられてるってのもあるとは思うが。
「それなら安心だわ。力のバランスが凄いことになってしまうもの。…それでね、そのことも考えてあなた一人を殺して、こちらに召喚しようとしていたのよ」
「なぜ殺す必要がある?転移で十分な気もするのだが?」
「それはそうなんだけどね~。転移にはかなりの力を使うから大変なわけよ。だから、転移は最終手段のつもりだったのに…死なないし、反撃されるし。起きたらもう教室にいたから、いっそのこと全員を~なんて考えてたのよ」
「全員で30名、力の消費は大丈夫なのか?」
「えぇ大丈夫よ?大きな力を使うのは発動時だけで、人数とかではあまり変わらないのよ。誤差レベルよ」
ふーん。なるほどねぇ。
「まぁ、何となくは理解したわ。それで?他に用件はある?」
「あ、うん。私からの謝罪の印としてプレゼントをあげるわ!あとね、他の人たちには勇者になることをお願いしたけど、あなたは好きに生きていいわよ?」
「あ?どういう意味だよ。俺はいらないってか?」
「そうなのよね。勇者たくさん呼び出しちゃったから。それに迷惑かけたお詫びっていうのも入ってる。勇者仕事は面倒だから旅でもしたら?ってこと。まぁ王城を抜け出さないことにはなにも始まらないけど」
「ならそうさせてもらうわ。正直ダルかったしな。城の方はなるようになるだろ」
女神から旅したらって言われて断るのは悪いからな。
勇者業は他のやつらに任せよう。
「じゃぁ、ちゃっちゃと送ってくれや」
「うん。ではいきまーす。……頑張ってね?」
「え……?あ、あぁ。行ってくる!」
俺の体を光が包み、体が次第に透けていく。結構怖いな。さっきと仕様変わってるし……適当だなぁ。これだから駄女神は……。
まぁいい。ここから俺の異世界旅行が始まるんだな!
「ようこそいらっしゃいました!勇者様方!!」
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指摘された誤字の修正を致しました。
失礼しました。
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