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転機
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「……なるほど。少年よ、折り入っての頼みだが、儂の空手道場へ来る気はないか?」
「わ、わけのわからないことを言うなっ」
「儂は孫娘の許しは乞うたが、大輔を許してくれとは決して言わない」
「いいから、放せよっ!」
「それどころか、大輔に殴りかかった君を、ぜひ手伝わせて欲しい」
「何を言ってる!? いいから放してくれ!」
俺はもがきながら両腕へ精一杯の力を入れておじいさんの肩を掴むが、片腕の老人にまったく歯が立たない。徐々に息が上がり始めると、情けない思いが溢れた。
特段運動をして体を鍛えているわけではないし、空手の先生に敵うはずがないのはわかる。だが、全然強そうにも見えない白髪まじりのおじいさん相手なのに手も足も出ない。
俺がうなだれて視線を下へ向けると、涙の残ったほっぺたで、怯えたように見上げる目があった。
これでは俺もここの警察と同じじゃないか……。
最初に公園で話しかけた時は、自転車が壊れたことに女の子は泣いていた。いろいろと苦労をして、どうにか笑って話してくれるようになった。
だけどパトカーに乗った警察官が無理矢理抱き上げて連れて来て、このおじいさんが来るまでずっと泣き続けていた。
すっかり意気消沈をして暴れなくなった俺に、安心したおじいさんが体を解放してくれると、女の子は空いた左手で俺の右手を握った。
「孫も来て欲しいと言っておる、どうじゃ?」
女の子の手は柔らかくて温かく、何か口にすれば涙が出てしまいになる。俺は黙ったまま首を横へ振った。
おじいさんが誘った意味がわからないし、空手をやりたいとも思わない。
「そうか……では仕方がない、もっと本音を話そう」
おじいさんは少しだけ溜息をついて、何事もなかったかのように先ほどまで熊沢が座っていた席へ腰を降ろし、膝の上に女の子を乗せる。隣の席へ俺にも座るように促すと、当たり前のことに熊沢が止めに入ったが、おじいさんは相手にもしない。
「先生、勝手なことは困ります。ここは部外者立入禁止なのですから」
「誰が部外者か言ってみるがいい。この娘は、お前が勝手に誘拐されかかったと思った時点で関係者ではないのか? 儂はその保護者じゃ」
「それはそうなのですが……」
「部外秘であるべき未成年の参考人聴き取りの場へ、無関係の者が立ち入る失態をお前が犯したと認めるなら、儂は部外者のまま、署長のところへ世間話がてら行ってもかまわんぞ?」
「その仰りようは……」
「脅迫じみているか? どう考えるかはお前次第だ。儂は弟子の不始末の尻を拭ってやろうと言っているのだ。いいから黙って見ておれ!」
おじいさんは最後に一喝して熊沢を黙らせ、少し表情を緩めると俺へ向き直った。
「このようなことになった孫娘の祖父として本当に申し訳ないので心苦しいのだが、どうしても伝えなくてはならない。まず心を落ち着けて聞いてもらえるか、雅久君。ああ、気を悪くしないでくれ。孫を引き取って事情を聞かされた時に、名前も聞いて知っている」
唐突に名前を呼ばれてハッとした顔を見せた俺に、おじいさんが孫の頭を撫でながら話を続ける。最後まで聞いたところで、おじいさんが道場主の空手道場へ通わざるを得ないと認めるしかなかった。
俺が補導されたところを見ていた野次馬はとても多かった。知り合いがいた可能性も否定できない。内容が内容だけに無責任な興味本位の噂が広がる可能性が極めて高く、それで傷つくのは俺だけではすまない。
実際には誰も何も悪くはないのだが、それを言ったところで色眼鏡を通して見られる土台ができてしまっているのは、自分でもよくわかっている。
おじいさんは言葉を濁してくれていたが、俺の魔法少女好きである。
しかし道場生になれば、通っている道場主の孫娘の相手をしていただけと言えるし、通報した人間と警察の早とちりだと強く反論できる。
それに加えてもう一つ、おじいさんが表情を少し崩して言ったことがある。
「大輔を殴りたければ、今は無理でも、道場へ真面目に通って四段になる頃には可能やもしれぬな」
これが今の俺には抗いがたい、甘美過ぎる響きに聞こえた。
目の前の白髪まじりのおじいさんにもまったく敵わないのに、遥かに大きな警察官に勝てるなんて絶対に思えない。
だけどその言葉がもしも……。
疑いの中に、ほんのわずかな希望を求める俺へおじいさんは続けた。
「まだ体もできていないので、どこまで通用するかはこれからの鍛え方次第だ。しかし、足腰には十分見るものがある。先ほどの踏み込みと足払いをしのいだのはまあまあ良かったぞ」
「ほ、本当に?」
「ああ。それにこの体がでかいだけの警察官は仕事を言い訳にして、今では道場へも顔を出さずどんどん太って動きにキレもなくなっている。追いつくのもまったくの不可能ではないだろう」
正直、今すぐにでも熊沢をぶっ飛ばしたいが、もちろん不可能。
仮に手を出して、偶然たまたま奇跡的に殴れたとしても、今度こそ本当に補導をされてしまう。
俺の頭がようやく冷静になった頃、息子が警察へ連れて行かれた聞いて、血相を変えた両親がやって来た。
おじいさんはすぐに席を立って父さん達の前へ行くと、俺へしたように孫娘と一緒に真っ先に頭を下げて、本当に申し訳なさそうに事情の説明をしてくれた。
その際には熊沢も両親へは頭を下げていたが、俺への謝罪が無かったことを決して忘れてはいない。
一方、おじいさんが心から気を遣ってくれているのと、俺の気持ちを理解してくれていたことは、とても心に響いた。
俺は、おじいさんの話を聞いた両親の勧めもあって、空手道場へ通うことをその場で決めた。
あの時は本当におじいさん――改め大先生――の言うとおりにしてよかった。
補導騒ぎのすぐ後に俺は空手道場へ通うことにして大先生の孫娘――桜ちゃん――の遊び相手だったと押し通すことができたことで大きな問題にもならなかった。
その後、クソ真面目に練習を続けて一年半で初段になれた。普通は二年から三年掛かるので、かなり早いと空手仲間にも羨まれた。
段位を得て決められた練習日以外に行われている大人たちの練習へも休むことなく参加し続けてた中学三年の春、三段昇段審査の十人抜き組手の最後の相手が熊沢だった。
これが大先生によるものだったのかは、俺にはわからない。
あくまで審査なので試合ではない。だが練習時の組手で熊沢相手にまったく歯が立たなかったのに、この時一本だけ取れたことに、俺は心から歓喜の雄叫びを上げてしまった。
おかげで、その場に正座をさせられてこっぴどく叱られ、危うく昇段できないかもと心配したほどだった。
審査中に形や組手が上手くできたことを喜び過ぎて、注意をされる人間はたまにいる。
しかし俺は、一本取って二本取られた負け組手だったのに喜んだのだから、怒られて当然だった。
それでもようやく熊沢へ一矢報いた気持ちは抑えられなかった。なぜならその時の熊沢は五段になっていたからだ。
最初は純粋ではない動機と熊沢憎しで始めた空手が、やっているうちにどんどん強くなれてとても楽しくなった。
全然信じていなかったわけではないが、大先生の言うとおり、俺の足腰は他の同年代に比べてとても発達していた。幼い頃は全然嬉しくなかったが、家が住んでいる市の外れにあって、どこへ行くのも歩き、または自転車で長距離移動をせざるを得なかったことが奏功したらしい。
かく言うこの道場も市の中心部にあるので、片道十キロほどを最低週四回は通っている。
道場へ来ることになった当初に大先生が、自転車の車輪を一つ小さく、ギヤも小さいものにしろと言われたのを守ったことも良かったのだろう。
しかしその後、図に乗った俺は、己の未熟さからとても大切な試合に欠場するヘマをやらかして、高校へ入る頃にはすっかり空手への熱も冷めてしまっていた。
「わ、わけのわからないことを言うなっ」
「儂は孫娘の許しは乞うたが、大輔を許してくれとは決して言わない」
「いいから、放せよっ!」
「それどころか、大輔に殴りかかった君を、ぜひ手伝わせて欲しい」
「何を言ってる!? いいから放してくれ!」
俺はもがきながら両腕へ精一杯の力を入れておじいさんの肩を掴むが、片腕の老人にまったく歯が立たない。徐々に息が上がり始めると、情けない思いが溢れた。
特段運動をして体を鍛えているわけではないし、空手の先生に敵うはずがないのはわかる。だが、全然強そうにも見えない白髪まじりのおじいさん相手なのに手も足も出ない。
俺がうなだれて視線を下へ向けると、涙の残ったほっぺたで、怯えたように見上げる目があった。
これでは俺もここの警察と同じじゃないか……。
最初に公園で話しかけた時は、自転車が壊れたことに女の子は泣いていた。いろいろと苦労をして、どうにか笑って話してくれるようになった。
だけどパトカーに乗った警察官が無理矢理抱き上げて連れて来て、このおじいさんが来るまでずっと泣き続けていた。
すっかり意気消沈をして暴れなくなった俺に、安心したおじいさんが体を解放してくれると、女の子は空いた左手で俺の右手を握った。
「孫も来て欲しいと言っておる、どうじゃ?」
女の子の手は柔らかくて温かく、何か口にすれば涙が出てしまいになる。俺は黙ったまま首を横へ振った。
おじいさんが誘った意味がわからないし、空手をやりたいとも思わない。
「そうか……では仕方がない、もっと本音を話そう」
おじいさんは少しだけ溜息をついて、何事もなかったかのように先ほどまで熊沢が座っていた席へ腰を降ろし、膝の上に女の子を乗せる。隣の席へ俺にも座るように促すと、当たり前のことに熊沢が止めに入ったが、おじいさんは相手にもしない。
「先生、勝手なことは困ります。ここは部外者立入禁止なのですから」
「誰が部外者か言ってみるがいい。この娘は、お前が勝手に誘拐されかかったと思った時点で関係者ではないのか? 儂はその保護者じゃ」
「それはそうなのですが……」
「部外秘であるべき未成年の参考人聴き取りの場へ、無関係の者が立ち入る失態をお前が犯したと認めるなら、儂は部外者のまま、署長のところへ世間話がてら行ってもかまわんぞ?」
「その仰りようは……」
「脅迫じみているか? どう考えるかはお前次第だ。儂は弟子の不始末の尻を拭ってやろうと言っているのだ。いいから黙って見ておれ!」
おじいさんは最後に一喝して熊沢を黙らせ、少し表情を緩めると俺へ向き直った。
「このようなことになった孫娘の祖父として本当に申し訳ないので心苦しいのだが、どうしても伝えなくてはならない。まず心を落ち着けて聞いてもらえるか、雅久君。ああ、気を悪くしないでくれ。孫を引き取って事情を聞かされた時に、名前も聞いて知っている」
唐突に名前を呼ばれてハッとした顔を見せた俺に、おじいさんが孫の頭を撫でながら話を続ける。最後まで聞いたところで、おじいさんが道場主の空手道場へ通わざるを得ないと認めるしかなかった。
俺が補導されたところを見ていた野次馬はとても多かった。知り合いがいた可能性も否定できない。内容が内容だけに無責任な興味本位の噂が広がる可能性が極めて高く、それで傷つくのは俺だけではすまない。
実際には誰も何も悪くはないのだが、それを言ったところで色眼鏡を通して見られる土台ができてしまっているのは、自分でもよくわかっている。
おじいさんは言葉を濁してくれていたが、俺の魔法少女好きである。
しかし道場生になれば、通っている道場主の孫娘の相手をしていただけと言えるし、通報した人間と警察の早とちりだと強く反論できる。
それに加えてもう一つ、おじいさんが表情を少し崩して言ったことがある。
「大輔を殴りたければ、今は無理でも、道場へ真面目に通って四段になる頃には可能やもしれぬな」
これが今の俺には抗いがたい、甘美過ぎる響きに聞こえた。
目の前の白髪まじりのおじいさんにもまったく敵わないのに、遥かに大きな警察官に勝てるなんて絶対に思えない。
だけどその言葉がもしも……。
疑いの中に、ほんのわずかな希望を求める俺へおじいさんは続けた。
「まだ体もできていないので、どこまで通用するかはこれからの鍛え方次第だ。しかし、足腰には十分見るものがある。先ほどの踏み込みと足払いをしのいだのはまあまあ良かったぞ」
「ほ、本当に?」
「ああ。それにこの体がでかいだけの警察官は仕事を言い訳にして、今では道場へも顔を出さずどんどん太って動きにキレもなくなっている。追いつくのもまったくの不可能ではないだろう」
正直、今すぐにでも熊沢をぶっ飛ばしたいが、もちろん不可能。
仮に手を出して、偶然たまたま奇跡的に殴れたとしても、今度こそ本当に補導をされてしまう。
俺の頭がようやく冷静になった頃、息子が警察へ連れて行かれた聞いて、血相を変えた両親がやって来た。
おじいさんはすぐに席を立って父さん達の前へ行くと、俺へしたように孫娘と一緒に真っ先に頭を下げて、本当に申し訳なさそうに事情の説明をしてくれた。
その際には熊沢も両親へは頭を下げていたが、俺への謝罪が無かったことを決して忘れてはいない。
一方、おじいさんが心から気を遣ってくれているのと、俺の気持ちを理解してくれていたことは、とても心に響いた。
俺は、おじいさんの話を聞いた両親の勧めもあって、空手道場へ通うことをその場で決めた。
あの時は本当におじいさん――改め大先生――の言うとおりにしてよかった。
補導騒ぎのすぐ後に俺は空手道場へ通うことにして大先生の孫娘――桜ちゃん――の遊び相手だったと押し通すことができたことで大きな問題にもならなかった。
その後、クソ真面目に練習を続けて一年半で初段になれた。普通は二年から三年掛かるので、かなり早いと空手仲間にも羨まれた。
段位を得て決められた練習日以外に行われている大人たちの練習へも休むことなく参加し続けてた中学三年の春、三段昇段審査の十人抜き組手の最後の相手が熊沢だった。
これが大先生によるものだったのかは、俺にはわからない。
あくまで審査なので試合ではない。だが練習時の組手で熊沢相手にまったく歯が立たなかったのに、この時一本だけ取れたことに、俺は心から歓喜の雄叫びを上げてしまった。
おかげで、その場に正座をさせられてこっぴどく叱られ、危うく昇段できないかもと心配したほどだった。
審査中に形や組手が上手くできたことを喜び過ぎて、注意をされる人間はたまにいる。
しかし俺は、一本取って二本取られた負け組手だったのに喜んだのだから、怒られて当然だった。
それでもようやく熊沢へ一矢報いた気持ちは抑えられなかった。なぜならその時の熊沢は五段になっていたからだ。
最初は純粋ではない動機と熊沢憎しで始めた空手が、やっているうちにどんどん強くなれてとても楽しくなった。
全然信じていなかったわけではないが、大先生の言うとおり、俺の足腰は他の同年代に比べてとても発達していた。幼い頃は全然嬉しくなかったが、家が住んでいる市の外れにあって、どこへ行くのも歩き、または自転車で長距離移動をせざるを得なかったことが奏功したらしい。
かく言うこの道場も市の中心部にあるので、片道十キロほどを最低週四回は通っている。
道場へ来ることになった当初に大先生が、自転車の車輪を一つ小さく、ギヤも小さいものにしろと言われたのを守ったことも良かったのだろう。
しかしその後、図に乗った俺は、己の未熟さからとても大切な試合に欠場するヘマをやらかして、高校へ入る頃にはすっかり空手への熱も冷めてしまっていた。
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