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じゅうきゅう
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黒い気持ちは一度生まれるとなかなか消えない。
ずっと心のどこかにもやもやと根付く。
せっかくお休みの日にデートしてるのに。
信じるって決めたのに。
「魚釣り楽しかったね。」
「うん。」
「どうした?なんか今日様子変?」
「そ、そうかなぁ?」
「なに?」
「なにもないよ?里中君こそなんか今日いつもと違う気がする?」
「え?」
「いつもよりよく笑うし?よくしゃべるし?」
「やば。」
「え?」
「気緩んでたかも。」
「ん?」
「いや。」
「どういうこと?」
「…。」
「里中君?」
「なんていうか。…。あ~。」
「なになに?」
「彩音と釣り合いたいから。」
「釣り合う?」
「彩音は年の差のこと気にしてるから。釣り合うようにっていつもは思ってて。けど今日はなんか久しぶりのまともなデートだったからつい浮かれて素が出ちゃってたかも。」
な、なにそれ。
可愛すぎる。
ずるい。
生まれて初めて異性を可愛いと思った。
そして初めて愛おしいと思った。
「なんか言って。はずいから。」
「あ。うん。えっと。」
「ってかなんで俺より顔赤いの?」
「だ、だって恥ずかしい!」
「彩音かわいすぎ。ちゅっ。」
「ちょ、ちょっとこんなところでだめだって!」
突然のキスに余計恥ずかしさが増す。
年上でも恋愛経験値はきっと私のほうが下。
里中君のかわいさと男らしさに翻弄されてしまう。
「っで彩音はなんで今日様子変なの?」
「えっと。」
「俺も正直に言ったんだから彩音も言って。」
「あ。うん。実は昨日同じお店にいたの。」
「え?」
「智子が合コンみたいだって言うからずっと気になってて。同期でなかいい女の子いるでしょ?昨日も隣に座ってて。その子は明らかに里中君のこと好きそうだし。ってこんなこと言われてもやだよね。ごめん。」
“ぎゅ~”
「里中君?」
今度は急に抱き締められた。
「嬉しい。好き。大好き。」
「ちょ、ちょっとぉ。」
「やきもち。やいてくれたってことでしょ?」
「…。」
やきもちと言葉にされるとさらに恥ずかしい。
「初めて彩音の気持ち聞いた気がする。」
「恋愛下手でごめん。」
「いや。そういうところもわりと好きだからいいんだけど。けどこれからはもう少し思ってること言ってほしい。」
「うん。分かった。じゃぁ。同期の付き合いもほどほどにお願いします。」
「あは。了解です!」
もやもやしていた黒い気持ちがなくなってずんとしていた気持ちが少し軽くなった。
今日は里中君の意外な一面を見れたりお互いの気持ちを知ることができたり。
今までよりも里中君を近くに感じられた気がする。
ずっと心のどこかにもやもやと根付く。
せっかくお休みの日にデートしてるのに。
信じるって決めたのに。
「魚釣り楽しかったね。」
「うん。」
「どうした?なんか今日様子変?」
「そ、そうかなぁ?」
「なに?」
「なにもないよ?里中君こそなんか今日いつもと違う気がする?」
「え?」
「いつもよりよく笑うし?よくしゃべるし?」
「やば。」
「え?」
「気緩んでたかも。」
「ん?」
「いや。」
「どういうこと?」
「…。」
「里中君?」
「なんていうか。…。あ~。」
「なになに?」
「彩音と釣り合いたいから。」
「釣り合う?」
「彩音は年の差のこと気にしてるから。釣り合うようにっていつもは思ってて。けど今日はなんか久しぶりのまともなデートだったからつい浮かれて素が出ちゃってたかも。」
な、なにそれ。
可愛すぎる。
ずるい。
生まれて初めて異性を可愛いと思った。
そして初めて愛おしいと思った。
「なんか言って。はずいから。」
「あ。うん。えっと。」
「ってかなんで俺より顔赤いの?」
「だ、だって恥ずかしい!」
「彩音かわいすぎ。ちゅっ。」
「ちょ、ちょっとこんなところでだめだって!」
突然のキスに余計恥ずかしさが増す。
年上でも恋愛経験値はきっと私のほうが下。
里中君のかわいさと男らしさに翻弄されてしまう。
「っで彩音はなんで今日様子変なの?」
「えっと。」
「俺も正直に言ったんだから彩音も言って。」
「あ。うん。実は昨日同じお店にいたの。」
「え?」
「智子が合コンみたいだって言うからずっと気になってて。同期でなかいい女の子いるでしょ?昨日も隣に座ってて。その子は明らかに里中君のこと好きそうだし。ってこんなこと言われてもやだよね。ごめん。」
“ぎゅ~”
「里中君?」
今度は急に抱き締められた。
「嬉しい。好き。大好き。」
「ちょ、ちょっとぉ。」
「やきもち。やいてくれたってことでしょ?」
「…。」
やきもちと言葉にされるとさらに恥ずかしい。
「初めて彩音の気持ち聞いた気がする。」
「恋愛下手でごめん。」
「いや。そういうところもわりと好きだからいいんだけど。けどこれからはもう少し思ってること言ってほしい。」
「うん。分かった。じゃぁ。同期の付き合いもほどほどにお願いします。」
「あは。了解です!」
もやもやしていた黒い気持ちがなくなってずんとしていた気持ちが少し軽くなった。
今日は里中君の意外な一面を見れたりお互いの気持ちを知ることができたり。
今までよりも里中君を近くに感じられた気がする。
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