【完結】秘め事

あい

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にじゅうよん

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若い頃は一緒にいるだけで満たされていて。
もちろん今もそうなんだけど。
その先のことなんてあまり考えていなかったけど。
この年になると。
何もないことがいけないことのような気がしてしまう。

「おはようございます。」
「きゃ。あれ営業の庄司さんじゃない!?」
「ホントだ!相変わらずかっこいい!」

庄司さんが急に総務に現れてビックリ。

「彩音ちゃん。」

えっ。私!?

「加藤さん?」
「えっあの二人って何かあるの?」

うわぁ。変な注目浴びて気まずい。

「おはようございます。庄司さん総務になんて珍しいですね。」
「営業先で沢山頂いちゃって。今色んな部に配ってて。」
「わぁ。美味しそう!」
「やっぱり。」
「え?」
「彩音ちゃん好きそうだと思った。」
「えへ。なんか私食いしん坊みたいですね。」
「あはは。良かったら皆さんで。」
「ありがとうございます!」
「じゃ。また!」
「失礼します。」
「ね!加藤さん庄司さんと知り合いなの!?」
「なになに?どういう関係!?」
「えっと。」
「彩音ちゃ~んちょっといい?」
「橋本さん。はい。今いきます!どうかしましたか?」
「俺ナイスフォローでしょ!?」
「え?あ、ありがとうございました。助かりました。」
「庄司もやるなぁ~。」
「ん?あ。部長にこれ渡してきますね。ホントありがとうございました。」

やっぱり庄司さんの人気はすごいんだなぁ。

「加藤さんこれ資料室に一緒にはこんでもらってもいいですか?」
「あ、うん。」

里中君。
多分今庄司さんとしゃべってたの嫌がってるよね。

“ガチャ”

「えっとこれどこだっけ。」
「そんなのどうでもいい。」

“ちゅっ。ちゅう。”

「ちょ里中君?だ、ダメだよ。会社で。」
「鍵かけた。」

“ちゅ~”

「ん~。」

深くて激しい。

「はぁ。はぁ。里中君。もう。やめ。」

“ちゅ”

止まらない。

「きゃ。ちょ、ホントだめだって!」

壁に押し付けられブラウスの裾から手が入ってきた。
こういうこと最近少し望んでいた。
でも今じゃない!

「里中君!!」
「…。」
「あいつ。庄司さん。仕掛けてきた。」
「仕掛け?」
「完全に彩音狙ってきてる。」
「そうかなぁ?」
「あぁ~もぉ~。」
「里中君?」
「彩音鈍感過ぎ。」
「え?」
「まぁ。負けないけど。」
「んっ。はぁん。」

一気に力が入らなくなった。

「彩音のキスだけでこうなる所可愛くて好き。」
「か、からかわないでよぉ。」
「からかってるんじゃない。好きだって本気でいってんの。」

私も好き。
里中君が好き。
素直に気持ちぶつけてくれるところも好き。
強引なのに優しいキスも好き。

「彩音?」
「ん?」
「目がとろんとしてる。そんなに気持ち良かった?」
「し、仕事中!戻るよ!!」

恥ずかしい!
好きな気持ちが出過ぎてしまった。
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