【完結】秘め事

あい

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にじゅう

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少し濃い時間を過ごせたあの週末を経て。また普段通りの平日を過ごしていっていたはずだったけど。

「彩音ちゃん今帰り?」
「庄司さんお疲れ様です。あ、この前は急に行けなくなってしまった上にクッキー頂いて。ありがとうございました。美味しかったです!」
「あのお店美味しかったし今度ランチリベンジしに行こうよ!」
「そういえば智子もまた行きたいって言ってました!」
「…ね~連絡先交換してもらってもいい?」
「え?」
「お!お二人お疲れ様!」
「橋本さん上原さんお疲れ様です!」
「なになに~?これからデート!?」
「え!お二人そういうご関係なんですか!?」
「ち、違います!もう橋本さん!」
「なんでいいじゃん!」
「お二人の邪魔しちゃ悪いし行こう!」
「そうだな。また明日!」
「おう!お疲れ~。」
「お疲れ様でした。」
「俺ら付き合ってるって思われてるのかな?」
「なんかすみません。」
「…俺は嬉しいけど。」
「え?」
「彩音ちゃんとならって思ってる。」
「えっ!」
「そんなに驚いた?」
「…はい。」
「俺結構アピールしてるつもりだったけど?」

えっ。アピール?
全く気がつかなかった。
っていうかこの状況どうしたらいいの?

「彩音!庄司さんお疲れ様!」
「智子。」

帰宅どきの会社の前は人通りが激しい。
色んな人と出会う。

「どうしたのこんな所で?飲みに行くならあたしも一緒に行きたい!」
「えっ。」
「じゃ~行こうか!」
「わぁ~い!」
「加藤さんお疲れ様です。」
「さ、里中君!」
「お!例の!」
「例の?」
「ちょ、智子!」
「そ~だ!一緒にご飯でもどう?今から行こうかって話してたの!」
「智子?ちょ、ちょっと急だから難しいんじゃない?」
「特にこの後予定もないので大丈夫ですよ。」
「え。」
「じゃ~皆でぱ~っと行こう!」

この不思議な組み合わせの四人で行くなんて不安でしかない。
なのに。
皆大人で。皆お酒が入ると。
不思議と成り立っている。
ただ。私は…。
さっきの庄司さんとのやりとりが頭から離れない。

「追加頼む人~?」
「ビールお願いします。」
「里中君ビールね!彩音は何にする?」
「じゃ~カシスオレンジで。」
「彩音ちゃん3杯目だけど大丈夫?」
「大丈夫です!」
「え?彩音そんなに弱かったっけ?」
「うん。なんか最近弱くなっちゃったみたいで。」
「へ~てかなになに?二人飲みに行ったの!? 」
「この前橋本とね!」
「はい。たまたまご一緒させて頂いて。」
「へ~。」
「えっ。」

ちょっと嘘でしょ。なんで!?
急に下で里中君に手を繋がれた。
ばれちゃうよぉ。やめて。
ほどこうとするけどほどけない。
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