【完結】秘め事

あい

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じゅうよん

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「ご馳走になってしまってすみません。」
「全然!」
「ありがとうございました。」

予期せぬ展開だったけど。
橋本さんも上原さんと心配すること全くないぐらい順調みたいだし良かった。

「きゃ。」

予期せぬ展開はまだ続いていた。
久しぶりに楽しくいつも以上にお酒を飲んでしまって。少し足に力が入りにくくなってる。
お酒には飲まれないタイプのはずなのに。

「大丈夫?」
「大丈夫です。すみません。ありがとうございます。」
「送ろうか?」
「いえ。ホント大丈夫なので。」
「じゃあせめて駅まで。」

そういって肩を抱き寄せられた。
ただの介抱だとは分かっていても。
慣れないこの状況により一層酔いがまわってふらふらしそうになる。

「なんかすみませんでした。」
「最初にあまりお酒強くないって言ってたのに飲ませ過ぎちゃったかな?ごめんね。」
「いえ。でわ私こっち方面なのでここで失礼します。」
「…気をつけて。」
「はい。ありがとうございました。」

普通の対応できていた?
動揺してたのバレなかった?
慣れない状況で変な鼓動が変な早さで続く。


「おはよ。」
「おはよ。」

通勤途中で里中君と会う。

「昨日どうだった?」
「あ。うん。お料理すごく美味しかった。」
「そこ?」
「え?お酒も。」
「違うだろ。」
「ん?」
「橋本さんなんだった?相談だった?」
「なんか順調みたいで安心した。」
「彩音。あのさ。」
「彩音ちゃんおはよ!お。里中も!」
「橋本さん…おはようございます。」
「おはようございます。私ちょっと先行きますね!」

里中君といるところ見られちゃったけど大丈夫だったかなぁ。
怪しまれてないかなぁ?
慌てて離れたけど。
やっぱり会社付近はいつ誰とはちあわせるかわからないから危険。
以後気をつけなければ。

「彩音ちゃん!」
「庄司さん。おはようございます。昨日はありがとうございました。」
「おはよう!」

朝から爽やか。
むしろ朝だからか昨晩よりさらに爽やかに見える。

「彩音おはよ!」
「智子!おはよ。」
「あれ?彩音いつの間に庄司さんと知り合いに?」
「昨日ご飯ご一緒させてもらって。」
「へ~!いいなぁ!今度私も混ぜて下さい!あ、私彩音と同期の智子です!」
「営業の庄司です。」
「あ!そうだ!この前ランチした所美味しくて!今日一緒に行きません?」
「え?」
「彩音も一緒に!」
「え!私も!?」
「決まり!12時にここで!じゃ~ね!」

智子ってすごい。
こんなにスムーズにスピーディーに約束を取り付けるなんて。
って感心してる場合じゃなかった。

「ちょっと智子!?行っちゃった。なんかすみません。お昼予定大丈夫でした?」
「大丈夫だよ!じゃあまた後で!」

大丈夫じゃない。
私が全然大丈夫じゃない。
昨日だって橋本さんとご飯行く前に里中君に嫌だって言われたばかりなのに。
どうしよう。
なんだか心が落ち着かない。
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