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この腕の中にはいられない
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「お茶入れるし座ってて。」
「はい。」
「夜ご飯は?何か食べる?」
「大丈夫です。」
「はい。お茶。」
「ありがとうございます。」
「…。」
どうしよう。
どうやって話したらいいんだろ?
考えただけで涙が出そうになる。
泣くのをこらえるのがやっとで。
「奈美さん。」
「…ん?」
「話せそう?」
「…。えっと。うっ。」
ダメだ。言葉が出ない。
“TLLL”
拓海君の電話が鳴ってる。
お父さんから?それとも…ゆかりちゃんから?
出なくていいの?
「…出ないの?」
えっ。
今ちらっと見えてしまった。
ゆかりちゃんの名前。
もうダメだ。
終わりだ。
「奈美さんとの話の方が大事だから。」
もうやめて。
そんな無意味な優しさいらないよ。
「…。」
「奈美さん。」
「ごめんなさい。」
「え?」
「私と。…別れて下さい。」
「えっ!?」
“TLLL”
またかかってきた。
「出て。大事な電話でしょ。」
「いや。今はそれどころじゃ。」
「何回もなってるしきっと大事な電話だよ!」
「奈美さん…。」
「私の話はもう終わりだから。はい。お休み。」
そう言って拓海君の背中を押して玄関に追いやる。
きっとこれはゆかりちゃんからの大事なラブコール。
そんな会話聞きたくもないし。
電話に出ている姿見たくもない。
どんな顔で話すんだろうなんて想像したくもない。
こんな嫌な顔している所を振り返って見られたくもないし。
もうこうするしかない。
「奈美さん。」
「ほら早く。」
「奈美さん!」
「もういいから!」
「なんもよくないし!!」
「いいの!!」
「何がいいの?こんなに泣いてるのに。何がいいの?」
“ぎゅっ”
「なんもよくない。」
「…。」
やめて。
こんな風に拓海君の腕に抱き締められると…。
ドンドン涙が流れ出る。
止まらない。止められない。
泣いて震える身体をさらに強く抱き締められる。
出きることならこの腕の中にずっといたい。
ずっとこうして抱き締めて欲しい。
でも私の知らない所で他の人に触れているのならば。
私はこの腕の中にはいられない。
「拓海君。」
「なに?」
「今までありがとう。」
「…。」
「また拓海君と出会えてホントに良かった。ありがとね!」
精一杯の笑顔で最後の言葉を伝える。
また出会えたことはホントに奇跡のような出来事で。
短い間だったけどいい夢を見させてもらったって。
そう思おう。
「はい。」
「夜ご飯は?何か食べる?」
「大丈夫です。」
「はい。お茶。」
「ありがとうございます。」
「…。」
どうしよう。
どうやって話したらいいんだろ?
考えただけで涙が出そうになる。
泣くのをこらえるのがやっとで。
「奈美さん。」
「…ん?」
「話せそう?」
「…。えっと。うっ。」
ダメだ。言葉が出ない。
“TLLL”
拓海君の電話が鳴ってる。
お父さんから?それとも…ゆかりちゃんから?
出なくていいの?
「…出ないの?」
えっ。
今ちらっと見えてしまった。
ゆかりちゃんの名前。
もうダメだ。
終わりだ。
「奈美さんとの話の方が大事だから。」
もうやめて。
そんな無意味な優しさいらないよ。
「…。」
「奈美さん。」
「ごめんなさい。」
「え?」
「私と。…別れて下さい。」
「えっ!?」
“TLLL”
またかかってきた。
「出て。大事な電話でしょ。」
「いや。今はそれどころじゃ。」
「何回もなってるしきっと大事な電話だよ!」
「奈美さん…。」
「私の話はもう終わりだから。はい。お休み。」
そう言って拓海君の背中を押して玄関に追いやる。
きっとこれはゆかりちゃんからの大事なラブコール。
そんな会話聞きたくもないし。
電話に出ている姿見たくもない。
どんな顔で話すんだろうなんて想像したくもない。
こんな嫌な顔している所を振り返って見られたくもないし。
もうこうするしかない。
「奈美さん。」
「ほら早く。」
「奈美さん!」
「もういいから!」
「なんもよくないし!!」
「いいの!!」
「何がいいの?こんなに泣いてるのに。何がいいの?」
“ぎゅっ”
「なんもよくない。」
「…。」
やめて。
こんな風に拓海君の腕に抱き締められると…。
ドンドン涙が流れ出る。
止まらない。止められない。
泣いて震える身体をさらに強く抱き締められる。
出きることならこの腕の中にずっといたい。
ずっとこうして抱き締めて欲しい。
でも私の知らない所で他の人に触れているのならば。
私はこの腕の中にはいられない。
「拓海君。」
「なに?」
「今までありがとう。」
「…。」
「また拓海君と出会えてホントに良かった。ありがとね!」
精一杯の笑顔で最後の言葉を伝える。
また出会えたことはホントに奇跡のような出来事で。
短い間だったけどいい夢を見させてもらったって。
そう思おう。
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