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手料理

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「どうぞ。」
「お邪魔します。ん?カレーの香り?」
「はい。奈美さんと一緒に食べたくて作りました。」
「え?一昨日倒れたばかりなのに。」
「これぐらいしか奈美さんを呼ぶ口実思い付かなくて。」
「え?」
「温まったので食べましょう!」
「あ。うん。ありがとう。頂きます!」

それから美味しいカレーを頂きながら他愛もない話をして。
これでいいんだよね。
最初の頃と同じ。
ただの仕事場と自炊の教育係。

「ご馳走さま。ホントに美味しかったぁ!」
「良かったです。」
「じゃぁ。明日もお仕事だし私そろそろ帰るね!」
「奈美さん。」
「ん?」
「土曜日は不甲斐ない姿を見せてしまってすみませんでした。」
「そんな全然!」
「正直相良さんと二人でダーツバーにいるって聞いた時はたまんなかった。」
「え?」
「急いで駆けつけたらすっげ~いい感じの雰囲気で楽しんでるし。」
「そ、そんなこと。」
「倒れた後も相良さんには世話になったし感謝はしてるけど。どうしても二人で話してる姿を見るだけで無理で。」
「え。」

ちょっと待って。
なんだか紺野君の様子がいつもと違う。

「いかないでって言った後。しばらくして帰っちゃったのはなんで?あの後相良さんと会ってた?」

あの時意識あったの?
てっきりもう寝ちゃってると。

「あぁ~も~。」
「紺野君?」

どうしちゃったんだろ。

「好きです。」
「…。」
「奈美さんのことが好きです。」
「…えっと。」

頭真っ白。

「付き合ってください。」
「あ。えっと。あの。」
「年下はだめですか?」
「そ、そんなことは。えっと。あの。ありがとう。ごめん。あのなんか突然のこと過ぎて。ビックリして。言葉が上手く出てこなくて…。」
「ゆっくり考えて欲しい。返事は今じゃなくてもいいからって。かっこつけて言いたいんですけど。俺もう全然大人ぶる余裕なくて。」
「…えっと。紺野君がストレートに気持ち伝えてくれてるのはすごく伝わってる。うん。ホントに。」

あまりにも突然の告白に。
嬉しすぎて。
夢なんじゃないかと疑ってしまうほど。
ドキドキとふわふわで身体中がいっぱいで何も考えられなくなってしまってる。

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