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手だけじゃない

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色々な動物をみて。
一緒に時間を過ごす。
こんなに長い時間二人きりで過ごしたのは初めて。

少しふざけたり。
無邪気に笑ったり。
初めての表情も沢山見ることができて。
どんどん惹かれていっているのが自分でも良くわかる。

「ん?どうかしました?」
「な、なんでもない!ね!ふれあいコーナーあるよ!行ってみない?」
「いいですね!」

気がついたら見つめてしまう。
紺野君の一つ一つの行動を目で追ってしまう。
そして…。
うぅ~!羨ましい!!
うさぎになりたい!
紺野君の手に触れてもらえるなんて。
羨ましすぎる!!
優しく撫でるその手。
はぁ。良すぎます。

「奈美さん。」
「へ?」

しまった!妄想の世界へいってしまってたぁ。

「やられちゃいました!」
「ん?」
「おしっこされた~。」
「わぁ。ホントだ!」
「ちょっと洗ってきます。奈美さんは楽しんでて下さい!」
「あ。私も行くよ!」
「なんか生暖かいなぁって思ったんですよねぇ~。」

そう言いながらTシャツの裾のほうを洗ってる。
ま、待って!
今。見えてしまった。
紺野君の腹筋。
割れてる!?
わ、割れてる!!
ど、どうしよう!かっこよすぎてドキドキしてきた!!
腕フェチです。
でも筋肉も好きなんです。
あ~!ダメダメ!紺野君危険過ぎる。
好きな要素が多すぎるよぉ。

「お待たせしました!」
「あ。うん。結構濡れちゃってるけど大丈夫?」
「そのうち乾きますよ!それよりどうします?ふれあい戻りましょうか?」
「どうする?でもそのかっこうじゃ…ちょっと早いけどお昼にする?」
「なんかすみません。」
「なんで?」
「奈美さんふれあいすごく楽しそうだったのに。」
「楽しかったけどお腹もすいてきちゃったしお昼にしよう!」
「はい!」

楽しかったのは紺野君を見ていたから。
だからずっと一緒にいられる今日は何をしていても楽しい。
ご飯をもぐもぐ食べている姿も。
ライオンが近づいてきてテンションあがっている姿も。
お土産屋さんで悩んでいる姿も。

「今日はありがとうございました!」
「こちらこそ1日すごく楽しかった!」
「良かったです。」
「うん!」
「あの。これ。」
「ん?キーホルダー?もらっちゃっていいの?」
「…実はお揃いで。良かったら。」
「…ありがとう!早速着けちゃってもいい?」
「じゃぁ俺も。」

お揃いのキーホルダーを買ってくれてたなんて。
1日一緒にいられただけでも幸せなのに。

「ん?あれ?」
「やりますょ。」

そしてキーホルダーをつけてくれている手。
あぁ~。ずっと見ていたい。

「できました!」
「ありがとう!じゃぁまた明日会社で!」
「…はい。」

なごりおしいけど。仕方ないよね。
帰ってからもキーホルダーをいつまでもいつまでも見つめてしまう。
あ。写真!
二人で撮てもらった写真が送られてきて。
また楽しかった時間を思い出す。
あぁ今日はなんのご褒美だったんだろう?
明日からもお仕事頑張ろう!!



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