【完結】お願い その手で私を

手違い

「高田さんすみません！」
「大丈夫なんとかなるだろ！」
「けど。」
「これは俺がなんとかするからこっちの方の修正して！」
「わかりました。」
「大丈夫だから。」
「ん。」

そう言ってまた優しくかばってくれる。
ミスをしてしまったのは明らかに私。
なのに一度も責めることをしない。

「部長！すいません！ここの所先方と手違いがあって。俺ちょっとこれから会って話してきます。」
「分かった。よろしくね。」
「はい！」
「部長すみません私のせいなんです！」
「奈美ちゃん。」
「ホントにすみませんでした！」
「反省してるなら次から同じミスしないこと。」
「はい！」
「それと今自分に出きることをしっかりやりなさい！」
「はい！」
「じゃ俺行ってくるわ！」
「よろしくお願いします！」

篤人さん…。

「奈美さん。大丈夫ですか？」
「あ、うん。」

紺野君にまで。
後輩にまで心配かけてる場合じゃない。
やれることやって挽回しなきゃ。

「奈美さん。」
「何？」
「これでどうですかね？」
「え？これって。」
「俺なりに考えてやってみました。」
「ありがとう！高田さんに連絡してみる！」

結局紺野君にまで助けてもらって。
なんとか事なきを得たけど。
あぁ本当にダメダメだなぁ。
教育係とか言って名ばかり。
恥ずかしい。

「部長。ちょっといいですか？」
「どうぞ～。」
「あの。今日は本当にすみませんでした。」
「結果よりよいものになったからね。」
「はい…。あの。」
「何？」
「教育係他の人にかわってもらえないでしょうか？」
「え？」
「やっぱり私には無理です。こんなミスしているようじゃ務まりません！」
「立場が人を育てるって言葉もあるでしょ。」
「…。」
「誰だってミスはある。奈美ちゃんはちゃんと仕事に取り組んでるしいつもいい提案してくれる。実力をみてちゃんと担当に決めたつもりよ。」
「部長。」
「大丈夫。紺野君だってちゃんと育ってる。」

しっかりしなきゃ。
ちゃんとやらなきゃ。
最近浮わつきすぎていた。
誰を好きとか言っている場合じゃない。
やることやれずに恋愛なんてしてる場合じゃない。