10 / 48
手フェチを越える
しおりを挟む
紺野君の手が触れるとそこから全身が熱くなって。ドキドキが止まらなくなって。
どうしていいか分からなくなる。
「思ったんだけど。奈美のそれってただのフェチを越えてない?普通に好きでしよ。」
「えっ。」
思いがけない友人の言葉にとまどう。
「何そのきょとんとした感じ。」
「えっと。」
「世間ではそれを好きっていうんじゃないの?」
「いや。あの。ちょっと待って。私は紺野君の手がすごく好き。でもそれはあくまでも手であって。」
「奈美が手フェチだってことはもう10年以上前から知ってるけどさぁ。今まで手をみただけでドキドキがとまらなくなったりどうしたらいいか分からなくなったりしたことある?」
「…ないかも?」
「でしょ?」
「…。」
「はい。その年下君のことが好きなこと確定!」
「ちょっ。えっ。え~!」
「奈美ってホント昔から恋愛に関してすっごい鈍感だよねぇ。相手の気持ちならまだしも自分の気持ちにも気づかないとかある?」
「う~。けど手が好き以外好きになる理由が思い当たらないというか。」
「好きになるのに理由とかいらないし。」
「なんか名言っぽい。」
「ドキドキするとかはもちろんだけどさ。その人といると落ち着くなぁとか。会いたいなぁとか。一緒にいたいなぁとか。触れたいなぁとか。何してるかなぁとか。そういうのないの?」
「全部ある。全部おもう。」
「それ完全に好きじゃん。」
「さっちゃんすごい。」
「あはは。なにがよ~。」
「好きなのかぁ。」
「良かったじゃん。前進めそうじゃん。」
「進めるかなぁ?」
「聞く限りいい子そうだし!」
「うん。」
「その子も奈美のこと好きそうだし普通にコクったら付き合うことになりそうじゃん!」
「えっ!」
「ようやく奈美にも彼氏か!」
「ちょちょっと待って!」
「ん?」
「なんでそうなるの?」
「奈美から行けば即オッケーでスタートだって!」
「ないないない!オッケーもスタートもない!ましてや私から行くとか無理無理無理!」
「あのさ~。その子すっごい人気あるんでしょ?」
「うん。」
「そんな高物件ぐずぐずしてたらすぐ持っていかれちゃうよ!?」
「た、確かに。」
「分かったら即行動!」
「え?」
「今すぐメールして!」
「え!?」
「会いたい。ハートって!」
「無理無理無理!全然そういう関係じゃないし私そういうキャラでもないし!!」
「じゃ~誰かのものになっていくのを黙って指くわえて見てるしかないね。」
「そんなぁ~。」
「そのうちあの手で誰かを抱くのね。奈美じゃない誰かを。」
「やめてやめて~!!」
「はい。今すぐメールしましょう!」
「う~。」
どうしていいか分からなくなる。
「思ったんだけど。奈美のそれってただのフェチを越えてない?普通に好きでしよ。」
「えっ。」
思いがけない友人の言葉にとまどう。
「何そのきょとんとした感じ。」
「えっと。」
「世間ではそれを好きっていうんじゃないの?」
「いや。あの。ちょっと待って。私は紺野君の手がすごく好き。でもそれはあくまでも手であって。」
「奈美が手フェチだってことはもう10年以上前から知ってるけどさぁ。今まで手をみただけでドキドキがとまらなくなったりどうしたらいいか分からなくなったりしたことある?」
「…ないかも?」
「でしょ?」
「…。」
「はい。その年下君のことが好きなこと確定!」
「ちょっ。えっ。え~!」
「奈美ってホント昔から恋愛に関してすっごい鈍感だよねぇ。相手の気持ちならまだしも自分の気持ちにも気づかないとかある?」
「う~。けど手が好き以外好きになる理由が思い当たらないというか。」
「好きになるのに理由とかいらないし。」
「なんか名言っぽい。」
「ドキドキするとかはもちろんだけどさ。その人といると落ち着くなぁとか。会いたいなぁとか。一緒にいたいなぁとか。触れたいなぁとか。何してるかなぁとか。そういうのないの?」
「全部ある。全部おもう。」
「それ完全に好きじゃん。」
「さっちゃんすごい。」
「あはは。なにがよ~。」
「好きなのかぁ。」
「良かったじゃん。前進めそうじゃん。」
「進めるかなぁ?」
「聞く限りいい子そうだし!」
「うん。」
「その子も奈美のこと好きそうだし普通にコクったら付き合うことになりそうじゃん!」
「えっ!」
「ようやく奈美にも彼氏か!」
「ちょちょっと待って!」
「ん?」
「なんでそうなるの?」
「奈美から行けば即オッケーでスタートだって!」
「ないないない!オッケーもスタートもない!ましてや私から行くとか無理無理無理!」
「あのさ~。その子すっごい人気あるんでしょ?」
「うん。」
「そんな高物件ぐずぐずしてたらすぐ持っていかれちゃうよ!?」
「た、確かに。」
「分かったら即行動!」
「え?」
「今すぐメールして!」
「え!?」
「会いたい。ハートって!」
「無理無理無理!全然そういう関係じゃないし私そういうキャラでもないし!!」
「じゃ~誰かのものになっていくのを黙って指くわえて見てるしかないね。」
「そんなぁ~。」
「そのうちあの手で誰かを抱くのね。奈美じゃない誰かを。」
「やめてやめて~!!」
「はい。今すぐメールしましょう!」
「う~。」
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる