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入り込めない
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試合には勝った。
それでも香月には勝てていないことはすぐに分かった。
試合以来高橋さんは時々友達と部活を見にきていた。
その視線の先に必ずいるのは香月だった。
くやしいけどその頬を赤らめながら幸せそうに香月を見ている姿でさえ可愛く思えた。
「香月君!お疲れ様!明日楽しみにしてるね!」
「香月~なんだよ明日って!?」
「真美ちゃんと放課後買い物行く約束してて。」
「マジで!?」
「って言っても部活のテーピングとかだけど。」
「ってか真美ちゃん完全に香月だもんな~。」
「そんなんじゃ。」
香月はどう思っているか分からないが真美ちゃんは香月の事が好きなのは誰が見ても一目瞭然だった。
「香月やるじゃん!」
「木村さん!そんなんじゃないっす!」
二人がくっついてくれたら…。
何度もそう願った。
体育祭の時に試合の日以来会話をした。
「香月知らない?」
「えっと。」
「これから部活対抗リレーなんだ。」
「そういえば香月君出るって言ってました!あれ?召集行ってないですか?」
「まだ来てなくて。」
「見かけたら行くように伝えますね!」
「ありがとう!」
「頑張って下さいね!」
「おう!」
香月のついででもいいから見て欲しいと思った。
少しでも俺の存在に気づいて欲しいと思った。
今も…。
「あの。」
「あ。すみません!」
「これ総務部へ届けるよう言われたんですが。」
「わざわざありがとうございます。お預かりします。」
どうしたら高橋さんの視界に入れるのだろう。
完全に俺のことを覚えていない。
そんな彼女の心の中にどうやったら入り込めるのだろう。
それでも香月には勝てていないことはすぐに分かった。
試合以来高橋さんは時々友達と部活を見にきていた。
その視線の先に必ずいるのは香月だった。
くやしいけどその頬を赤らめながら幸せそうに香月を見ている姿でさえ可愛く思えた。
「香月君!お疲れ様!明日楽しみにしてるね!」
「香月~なんだよ明日って!?」
「真美ちゃんと放課後買い物行く約束してて。」
「マジで!?」
「って言っても部活のテーピングとかだけど。」
「ってか真美ちゃん完全に香月だもんな~。」
「そんなんじゃ。」
香月はどう思っているか分からないが真美ちゃんは香月の事が好きなのは誰が見ても一目瞭然だった。
「香月やるじゃん!」
「木村さん!そんなんじゃないっす!」
二人がくっついてくれたら…。
何度もそう願った。
体育祭の時に試合の日以来会話をした。
「香月知らない?」
「えっと。」
「これから部活対抗リレーなんだ。」
「そういえば香月君出るって言ってました!あれ?召集行ってないですか?」
「まだ来てなくて。」
「見かけたら行くように伝えますね!」
「ありがとう!」
「頑張って下さいね!」
「おう!」
香月のついででもいいから見て欲しいと思った。
少しでも俺の存在に気づいて欲しいと思った。
今も…。
「あの。」
「あ。すみません!」
「これ総務部へ届けるよう言われたんですが。」
「わざわざありがとうございます。お預かりします。」
どうしたら高橋さんの視界に入れるのだろう。
完全に俺のことを覚えていない。
そんな彼女の心の中にどうやったら入り込めるのだろう。
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