新妻はバイセクシャル

七瀬蓮

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ハジマリ

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渡瀬芽衣は背が高く、容姿端麗で、入学早々男女問わず一目置かれていた。入学初日に体育会系のチャラい男子が告白していたが、「あなたのことを知らないので、」と玉砕していた。その後、入学して、一ヶ月も経たぬうちに、同学年の男子の大半が告白したらしいが、全員玉砕したというので男子の間では氷姫ひょうきとかice girlと呼ばれているぐらいクールなのであった。おれは隣の席の人は美しいけど、とっつきにくそうだなと思っていた。隣の席の人とやるペアワークや、グループワークなどが一緒だとどうしていいかとても悩んだ。
「ここの問題順番的に先生に当てられるけど、渡瀬さんわかる?」
と愛想よく聞いてみると、耳まで真っ赤にして、ノートに答えと解説を書き込んだものを見せてくれた。おかげで当てられた問題に正解し、短気な英語のハゲの先生に怒られずに済んだ。氷姫ひょうきやice girlなんかじゃないと強く思った。耳まで赤くして、愛おしいと思っていた。高校2年の文化祭の最終日に高台から飛び降りる気持ちで、おれは渡瀬芽衣に告白した。渡瀬芽衣は耳まで赤くして、
「私なんかで良ければお願いします。」と言われ、心臓が飛び出そうなほど嬉しかった。俺は告白がOKされたのをいいことに
「今日一緒に帰らない?」
とさそってみた。
「ごめん。今日は潤と帰る約束してるからまた、明日でもいいかな?」
と申し訳なさそうな顔をされたので、おれ
「もちろん!明日楽しみにしてるね!改めてこれからよろしく!」
と言って、1人でスキップで帰った。
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