花詞復讐屋

七瀬蓮

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ポインセチア

楽しい宴の後

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いつものようにわいわい楽しく豪華なオードブルを食べながら、夕食は進んだ。

食べ終わって後片付けをみんなで始め出した時、

「蓮兄。片付け終わって、落ち着いたら、みんなに悟られないように…星夜兄と二人で私の部屋に来て…。」

と蓮の耳元で呟いた。それを聞いた蓮は、

「分かった。必ず行くから。」

と呟き皿を洗い出した。

「誰でもいいけど、遅くなっちゃったから、俺皿洗いしとくんで、風呂入り出してねー?」

とみんなに聞こえる声で蓮は言った。

「じゃあ、八重ちゃんから入ってきたら?もうすぐ寝なきゃいけない時間だし。」

と笑顔で真理亜は言うと、

「じゃあ、先にお風呂いただきますね!」

と言い、八重は自室へと着替えを取りに駆けて行った。足取りはるんるんしてるようだった。それを確認した真理亜は

「いろは姉…お化粧…よれてきちゃってるよ?蓮兄にバレちゃうよ…?八重ちゃんお風呂入ってっちゃったし、部屋で化粧し直すか、落としてきた方がいいと思うよ…?私の部屋の机の右の引き出しにパックがあるから、良かったら使って?肌も労ってあげるのが美への秘訣でしょ?」

と耳打ちすると、

「ありがとう。お言葉に甘えて、パック使わせてもらうね。」

といろはは言うと、

「私、八重ちゃんの次に入ってもいい?なんか疲れちゃったから部屋で一回休むねー。ごめんね。」

と言いみんなが笑顔で頷いたので、部屋へと帰っていった。いろはの足取りも嬉しそうにかけていった。その様子を見届けた真理亜は

「蓮兄、星夜兄。二人とも今日はお楽しみだったようだねー?八重ちゃんもいろは姉も足取りから嬉しそうなのが見て分かったよ。…それで~?私の要求は飲んでもらえるのかな?…蓮兄。後でって言ったけど、今聞かせて。宏太と琴音をいつ引き取るつもり?…八重ちゃんだって血の繋がりないのに…引き取ってるんだもん。…そろそろかなって期待してた。…でも、蓮兄も星夜兄も…引き取る意思すら見せないから不安になっちゃって…人でも増えたし…見守りながら、一緒に暮らせないかな?」

と真理亜が言うと、

「その答えは、もう決めてあるよ。二人とも、僕部屋に来てくれるかな?」

と蓮は言った。蓮の部屋には赤のポインセチアの鉢植えとその横にピンクと白のポインセチアの鉢植えがあった。

「赤のポインセチアは、俺がいろはから貰ったものだから、意味はないけど、、、隣のポインセチアは、俺が、真理亜の事を考えて植え付けたものなんだけど、ピンクのポインセチアの、意味は…清純で、思いやりのある真理亜だなって思ったから。白のポインセチアは、そんな慕われてる真理亜の、祝福を祈るって言うちょっとヘンテコな意味になっちゃうけど…星夜。明日にでも、宏太と琴音を連れてきてくれるか?一緒に年越しをしようじゃないか!…ごめんね。真理亜。俺は…恥ずかしい話だけど…ここにいる家族と一緒に復讐を手伝ってくれてるいろはと八重ちゃん。そして依頼者のことを考えるだけで、精一杯で、宏太と琴音の事を考えれていなかった。…これから、償いじゃないけど…一緒に暮らせるよう、月一回ぐらいは家に帰ってきてもらおうかと思ってる。」

と蓮の言葉を聞いた真理亜は、

「蓮兄…。その言葉聞けてよかった。星夜兄。明日はお迎えいってきてね!」

と言い泣きながら部屋を出る真理亜であった。
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