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第26話

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レモノ視点

 アニカとジェイドを失墜させると、ガイスが言ってから数日が経っている。
 
 屋敷にガイスが来てくれて、私は期待していた。
 部屋で計画を聞き、ガイスに尋ねたいことがある。

「魔物の群れが発生している理由を、お姉様のせいにするのですか?」

「はい。最近この国では魔物が多く発生していて、アニカ様は魔物の群れを1人で倒せる程に強い……全て、アニカ様のせいにできそうです」

 今まで魔物の群れの元に1人で行くよう、家族がアニカに命令していた。
 ガイスは家族を納得させて、アニカが自分の意思で行ったことにするようだ。

「お姉様が1人で魔物の群れを倒したことは知られているので、異質だと思われているようです」

「そして私は計画のために、魔物の群れをニールド領に向かせています」

「えっ?」

 私はガイスの発言に、驚くしかない。
 発覚したら処罰されるけど、そこまで私のために動いてくれたようだ。

「今まで魔物の群れを1人で対処していたアニカ様が、ニールド領に行った途端に魔物の群れが現れる――こうなれば、アニカ様のせいだと思う人も出るでしょう」

 そして今、ガイスは貴族達にそんな噂を流しているようだ。
 数週間後には魔物の群れがニールド領に発生して、噂が事実だと思わせようとしている。
 これなら問題ないと考えて、私も協力するために動こうとしていた。

 ジェイドが魔物の研究長をしていることは知っていたけど、どこまで詳しいのかは知らない。
 計画に協力して――私は、ガイスが婚約者になったことを後悔することになる。
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