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第13話

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レモノ視点

 家族と婚約者のガイスは、私の嘘を信じてくれる。
 お父様は怪訝そうにしていたけど、ガイスの発言もあって納得したようだ。

 お父様とお母様がアニカに理不尽な命令を出して、私は喜んでいた。
 このまま消えて欲しいと本気で考えて――信じられない光景を、私は目撃することとなる。

■◇■◇■◇■◇■

 私は馬車で、魔物の群れがいる場所まで来ていた。
 姉アニカが1人で戦うようお父様に命令されて、今頃は朽ち果てているはずだ。

 もし尾行していると気づかれたら、事故に見せかけて私を消そうとするかもしれない。
 少し遅く出発して――到着した時、遠くで私は信じられないものを見る。

「えっっ……? どうしてアニカは、ジェイド様と一緒にいるの!?」

 双眼鏡を使い、遠くから眺めているから声は聞こえない。
 それでも2人は楽しそうな表情で話し合い、私は激情が抑えられなくなっている。

「きっとジェイド様が、アニカを助けたのよ……なんて羨ましい!!」

 ジェイドは魔物や魔石の研究を行い、高く評価されている有名な人だ。
 絶世の美男でもあって、私は婚約者ガイスよりも遥かにジェイドの方が好きだった。

 そんなジェイドが――憎んでいる姉と仲良くしていて、私は激昂するしかない。
 屋敷に戻ってきたら問いただして、必ず排除することを決意していた。
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