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第12話
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レモノ視点
私は婚約者のガイスと話をしている内に、姉アニカに対する憎しみが強くなっていく。
ガイスは立場が上でイルノーク家を援助して、家族からの信頼が厚い。
私のお父様とお母様も、ガイスの話を聞いてアニカを憎むようになる。
私はガイスを部屋に呼び、聞きたいことがあった。
椅子に座り対面して笑顔を浮かべるガイスに、私は話す。
「ガイス様が話してくれたことで、お父様とお母様も真実を知ってくださりました。ありがとうございます」
「お礼を言われることはしていません。私はただ、レモノ様の素晴らしさを語っただけです」
確かにガイスは、私の長所を家族に話している。
そして私が他の貴族達から話題にならない理由は、姉アニカが目立つからと話してくれた。
その後も私はガイスの話を聞いて、あることを閃く。
「私としては、アニカ様が心配になってしまいます」
「心配、ですか?」
「はい。対格差がありすぎますからね……アニカ様とぶつかっただけでも、華奢なレモノ様は怪我をするかもしれません」
それは大げさな気がするけど、ガイスは本心から私を心配していた。
過保護なだけな気がして――そして、私は閃く。
「……実を言いますとガイス様の言う通り、お姉様のせいで何度か怪我をしたことがあります」
アニカはいつも周囲を警戒して事故を起こさないようにしているから、これは嘘だ。
それでも家の中での出来事なら、私を信じてくれるガイスと家族がいる。
――これから私は姉に酷い目に合わされていると、嘘をつこう。
アニカを排除してみせると決意して、私は後悔することとなっていた。
私は婚約者のガイスと話をしている内に、姉アニカに対する憎しみが強くなっていく。
ガイスは立場が上でイルノーク家を援助して、家族からの信頼が厚い。
私のお父様とお母様も、ガイスの話を聞いてアニカを憎むようになる。
私はガイスを部屋に呼び、聞きたいことがあった。
椅子に座り対面して笑顔を浮かべるガイスに、私は話す。
「ガイス様が話してくれたことで、お父様とお母様も真実を知ってくださりました。ありがとうございます」
「お礼を言われることはしていません。私はただ、レモノ様の素晴らしさを語っただけです」
確かにガイスは、私の長所を家族に話している。
そして私が他の貴族達から話題にならない理由は、姉アニカが目立つからと話してくれた。
その後も私はガイスの話を聞いて、あることを閃く。
「私としては、アニカ様が心配になってしまいます」
「心配、ですか?」
「はい。対格差がありすぎますからね……アニカ様とぶつかっただけでも、華奢なレモノ様は怪我をするかもしれません」
それは大げさな気がするけど、ガイスは本心から私を心配していた。
過保護なだけな気がして――そして、私は閃く。
「……実を言いますとガイス様の言う通り、お姉様のせいで何度か怪我をしたことがあります」
アニカはいつも周囲を警戒して事故を起こさないようにしているから、これは嘘だ。
それでも家の中での出来事なら、私を信じてくれるガイスと家族がいる。
――これから私は姉に酷い目に合わされていると、嘘をつこう。
アニカを排除してみせると決意して、私は後悔することとなっていた。
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