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第10話

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 私は部屋で、今日までのことを思い返す。
 レモノとは家を出てから関わることがなくて、私は報復したいと思わなくなっていた。

 今が幸せなら、過去のことはどうでもいい。
 私はそう考えるようになって、これからのことを呟く。

「ジェイド様は気にすることはないと言ってくれましたけど、二―ルド家の力になります」

 私には膨大な魔力があるから、もう一度ジェイドに頼んでみよう。
 ジェイドは魔物の研究をしているから、私の力が役に立つはずだ。

「何ができるかはわかりませんけど……魔物の群れに1人で送ったりは、しないでしょう」

 家族の命令を思い出して呟くけど、酷すぎると思うしかない。
 それによってジェイドと出会えたのだから、悪いことばかりではなかった。

「イルノーク家のことは、早く忘れたいものです」

 もう私の家族と関わることはないと、ジェイドが話してくれた。
 今まで私を虐げていたこともあって、約束したと聞いている。

 安心していたけど――これから妹のレモノが、動こうとしていた。
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