8 / 35
第8話
しおりを挟む
私はこれから、ジェイドの屋敷に住むこととなる。
お父様の無茶な命令は全て記録されているから、ジェイドに従うしかない。
私を酷い目に合わせようとした結果、お父様は顔を青くして話す。
「わ、わかりました……アニカは、好きにしてください!」
お父様としては、問題を起こしたくないようだ。
恐怖しているお父様を眺めて、ジェイドが告げる。
「アニカ様に対する態度を、変える気はないようだな……トロノ様の悪行は、他の貴族達に知らせるとしよう」
「はぁっっ!?」
「今回の命令が噂になれば、俺がアニカ様と一緒の屋敷に暮らす理由にもなるだろう」
ジェイドは、お父様の返答はどうでもよかった。
これは最初から決まっていたことで、お父様は驚愕して叫ぶ。
「アニカは好きにしていいので、それだけはやめてください!!」
「今もアニカ様が生きているのは、宿していた魔力の量が膨大だったからだ……普通ならアニカ様は生きていない。それほどのことをしたお前が、よくやめろと言えたものだな」
「うっっ――!?」
ジェイドがお父様を威圧して、何も言えなくしている。
話し合いが終わり、私はジェイドと一緒にイルノーク伯爵家の屋敷から出ることにした。
部屋を出た際にレモノが私を睨んでいたけれど、嫉妬しているのかもしれない。
私はジェイドと一緒に屋敷を出ることができて――新しい生活が、はじまろうとしていた。
お父様の無茶な命令は全て記録されているから、ジェイドに従うしかない。
私を酷い目に合わせようとした結果、お父様は顔を青くして話す。
「わ、わかりました……アニカは、好きにしてください!」
お父様としては、問題を起こしたくないようだ。
恐怖しているお父様を眺めて、ジェイドが告げる。
「アニカ様に対する態度を、変える気はないようだな……トロノ様の悪行は、他の貴族達に知らせるとしよう」
「はぁっっ!?」
「今回の命令が噂になれば、俺がアニカ様と一緒の屋敷に暮らす理由にもなるだろう」
ジェイドは、お父様の返答はどうでもよかった。
これは最初から決まっていたことで、お父様は驚愕して叫ぶ。
「アニカは好きにしていいので、それだけはやめてください!!」
「今もアニカ様が生きているのは、宿していた魔力の量が膨大だったからだ……普通ならアニカ様は生きていない。それほどのことをしたお前が、よくやめろと言えたものだな」
「うっっ――!?」
ジェイドがお父様を威圧して、何も言えなくしている。
話し合いが終わり、私はジェイドと一緒にイルノーク伯爵家の屋敷から出ることにした。
部屋を出た際にレモノが私を睨んでいたけれど、嫉妬しているのかもしれない。
私はジェイドと一緒に屋敷を出ることができて――新しい生活が、はじまろうとしていた。
14
お気に入りに追加
1,177
あなたにおすすめの小説
【完結】偽物と呼ばれた公爵令嬢は正真正銘の本物でした~私は不要とのことなのでこの国から出ていきます~
Na20
恋愛
私は孤児院からノスタルク公爵家に引き取られ養子となったが家族と認められることはなかった。
婚約者である王太子殿下からも蔑ろにされておりただただ良いように使われるだけの毎日。
そんな日々でも唯一の希望があった。
「必ず迎えに行く!」
大好きだった友達との約束だけが私の心の支えだった。だけどそれも八年も前の約束。
私はこれからも変わらない日々を送っていくのだろうと諦め始めていた。
そんな時にやってきた留学生が大好きだった友達に似ていて…
※設定はゆるいです
※小説家になろう様にも掲載しています
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
【完結】白い結婚なのでさっさとこの家から出ていきます~私の人生本番は離婚から。しっかり稼ぎたいと思います~
Na20
恋愛
ヴァイオレットは十歳の時に両親を事故で亡くしたショックで前世を思い出した。次期マクスター伯爵であったヴァイオレットだが、まだ十歳ということで父の弟である叔父がヴァイオレットが十八歳になるまでの代理として爵位を継ぐことになる。しかし叔父はヴァイオレットが十七歳の時に縁談を取り付け家から追い出してしまう。その縁談の相手は平民の恋人がいる侯爵家の嫡男だった。
「俺はお前を愛することはない!」
初夜にそう宣言した旦那様にヴァイオレットは思った。
(この家も長くはもたないわね)
貴族同士の結婚は簡単には離婚することができない。だけど離婚できる方法はもちろんある。それが三年の白い結婚だ。
ヴァイオレットは結婚初日に白い結婚でさっさと離婚し、この家から出ていくと決めたのだった。
6話と7話の間が抜けてしまいました…
7*として投稿しましたのでよろしければご覧ください!
痛みは教えてくれない
河原巽
恋愛
王立警護団に勤めるエレノアは四ヶ月前に異動してきたマグラに冷たく当たられている。顔を合わせれば舌打ちされたり、「邪魔」だと罵られたり。嫌われていることを自覚しているが、好きな職場での仲間とは仲良くしたかった。そんなある日の出来事。
マグラ視点の「触れても伝わらない」というお話も公開中です。
別サイトにも掲載しております。
【完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。
ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの?
お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。
ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。
少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。
どうしてくれるのよ。
ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ!
腹立つわ〜。
舞台は独自の世界です。
ご都合主義です。
緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。
もうすぐ婚約破棄を宣告できるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ。そう書かれた手紙が、婚約者から届きました
柚木ゆず
恋愛
《もうすぐアンナに婚約の破棄を宣告できるようになる。そうしたらいつでも会えるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ》
最近お忙しく、めっきり会えなくなってしまった婚約者のロマニ様。そんなロマニ様から届いた私アンナへのお手紙には、そういった内容が記されていました。
そのため、詳しいお話を伺うべくレルザー侯爵邸に――ロマニ様のもとへ向かおうとしていた、そんな時でした。ロマニ様の双子の弟であるダヴィッド様が突然ご来訪され、予想だにしなかったことを仰られ始めたのでした。
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
虐げられてる私のざまあ記録、ご覧になりますか?
リオール
恋愛
両親に虐げられ
姉に虐げられ
妹に虐げられ
そして婚約者にも虐げられ
公爵家が次女、ミレナは何をされてもいつも微笑んでいた。
虐げられてるのに、ひたすら耐えて笑みを絶やさない。
それをいいことに、彼女に近しい者は彼女を虐げ続けていた。
けれど彼らは知らない、誰も知らない。
彼女の笑顔の裏に隠された、彼女が抱える闇を──
そして今日も、彼女はひっそりと。
ざまあするのです。
そんな彼女の虐げざまあ記録……お読みになりますか?
=====
シリアスダークかと思わせて、そうではありません。虐げシーンはダークですが、ざまあシーンは……まあハチャメチャです。軽いのから重いのまで、スッキリ(?)ざまあ。
細かいことはあまり気にせずお読み下さい。
多分ハッピーエンド。
多分主人公だけはハッピーエンド。
あとは……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる